日本リーダーパワー史(578)「日本開国の父」福沢諭吉/救国のインテリジェンス「朝鮮の交際を論ず」この国家リスク管理が明治発展の原典
2015/08/26
日本リーダーパワー史(578)
「日本開国の父」福沢諭吉の救国インテリジェンス
「朝鮮の交際を論ず」【明治15(1882)年3月11日付『時事新報』に掲載。】
この福沢の国家リスク管理が日本の明治の発展の基本原理となった。中国・韓国・北朝鮮の思考原理はこの130年前とあまり変わっていない。一方、日本の方の「アジア侵略主義者・福沢諭吉」などと歴史も調べずして付和雷同している連中は、福沢諭吉全集を読んで、裏付け資料を明示して、主張しなさい。
この福沢の論説は「甲申事変」から3ヵ月後にかかれたもの。西欧列強の侵略に対して一番、危機感をもった福沢(西欧列強を2度にわたって長期訪問して、研究していたアジアでの第一人者)が日中韓の連携協力を模索、論説したのに、中韓は猛反発、誤解、逆恨みして、2度の日本公使館の焼き討ちとなった。失望した福沢がこの論説を書いた。
① 一早く文明化した日本が隣国の文明を助けるのは日本の責任である。
②朝鮮の事を憂いて文明化することを希望し、遂に武力を用いてもその進歩を助けんとまで切論するものは、今世界中の形勢を察して西洋諸国の文明は日に進歩して、その文明の進歩と共に軍備も増強しし、アジアを呑併(侵略、呑み込む)の勢いだからだ。
③今の支那国を支那人が支配し、朝鮮国を朝鮮人が支配すれば、我輩も深く之を憂とせざれども、万一にもこの国土を挙げて西洋人の手に帰せば、隣家を焼て自家の類焼を招くことになる。西欧人の東に迫る勢は火の蔓延するのと同じ。
④故に我日本国が支那の形勢を憂い又朝鮮の国事に干渉するは、あえて事を好むに非ず、日本自国の類焼を予防するものと知るべし。朝鮮国の事について、特に政府の注意を喚起する所以なり。
「甲申事変」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B2%E7%94%B3%E6%94%BF%E5%A4%89
日本と朝鮮と相対すれば、日本は強大にして朝鮮は小弱なり。日本は既に文明に進みて,朝鮮は尚未開なり。この関係を以て相接して今日その交際の実況を見れば、我国より公使、領事を遣て、彼の国よりも時として信徒の来るあるも、未だ通信の繁多にして親密なるものと云うべからず。
又その貿易も釜山及び元山の輸出入、一年値に三百万円、尚蓼々たるものと云うべし。この交際について我政府今後の方略は何れの辺に在るものか。
正に今の景況に安んじてその自然に任し、彼の国人も漸く自から発明して外交の緊要なるを知り、遂には我東京に在留の公使を派遣することあらん、貿易商売品国人が漸く自からその利益を知りたらば自然に繁盛に至ることならんと、百事漸を以て、進て勢の自然に任するものか。
是亦一策にして、大に心を労するに及ばず、財を費すにも及ばず、誠に安気なりと雖ども、都(すべ)て人間社会の事には俗に所謂行き掛りなるものありて、中途にして止むべからざるの勢に乗ずること多し。
況や外国の交際に於てをや。大半は勢に由て事の成敗を来たすものなれば、今朝鮮の交際に於ても、我政府は特にこの事勢を察せざるべからず。
抑も彼の国へは近年屡(しばしば)西洋人の窺いしこともありしかども、開国の事成らずして之を中止したるその後に於て、明治八年、我使節、黒田清隆、井上馨の両君が軍艦に搭じて直にその首府、漢城に至り、一朝の談判に和親貿易の道を開きたるは、ただ二君の功名のみならず、我日本国の栄誉にして、いささか世界中に対して誇るべきものなきに非ず。
即ち我日本国人の活溌力を人に示してその技量の程を知らしめるものと云う可ならん。
斯る事の行き掛りなるを以て、今後、朝鮮国が他の西洋諸国と条約を結ぶことあるも、我日本に限り最旧の和親国にして、交際上の事に就て常にその首座を占るは自然の勢なるべし。
我国に始めて和親貿易の条約を結たるものは亜米利加(アメリカ)にして、開国の初より旧幕政府の末年に至るまでは常に交際の首座を占め、
維新の際に英国の人が柳か日本の国事に尽力したるを以て、その勢或は英人に移りたるが如くなるも、今日に在て我国民一般の視る所にては亜国人を重んじて、亜米利加人も亦我国を親しむこと自から他国人に異なる所のものあるが如し。
左れば我日本国が朝鮮国に対するの関係は、亜米利加国が日本国に対するものと一様の関係なりとして視るべきものなり。既にこの関係あり、然ば則ち朝鮮国との交際は我国に於て之を等閑に附すべからざるのみならず、その内国の治乱興廃、文明の改進退歩においても、楚越の観近い関係にあるものでも、遠く隔たったものに感じられる。を為すべき場合に非ず。
彼の国勢果して未開ならば之を誘うて之を導くべし、彼の人民果して頑陋ならば之に諭して之に説くべし。その誘導、説諭に就では、我日本人は心身を労することならん、又銭財をも費すことならんと雖ども、之を顧るにいとまあらず、事の勢こゝに至れば亦た退くべからざるなり。
ただにその誘導、説諭に忙わしきのみならず、前号の社説に記したるが如く、方今彼の国に於ても鎖攘(鎖国と攘夷)の党類、往々都ひに出没して、物論の穏かならざるは事跡に於て明白なる所にして、何れの時に何れの変を生ずべきやも計るべからず。若もこの輩が事を挙げて仮令い一日にても彼の政府の覇絆を脱することあらば、敵として向う所は必ず我日本人ならん。
然るに今日、朝鮮在留の日本人に自衛の用意あるか。我輩必ずその足らざるを信ず。旧幕府の末に浪士の徒と称する者が只管外国人を敵視して、或は之を途上に暗殺し、或は之をその止宿する所に穀さんとして、既に英国の公使を府下高輪の東禅寺に夜襲したる時の如きは、英人も大に恐れて、爾後は市中を往来するにも護身の用意を厳重にするのみならず、故さらに自国の兵隊を横浜に屯衛せしめたることもあり。
当時、俗に之を英の赤隊と称して、我輩は窃に英人のこの挙動を見てその無礼を憤りしことなれども、事実その国人の安寧を保護せんとして事実その方便を得ざる場合には、他国に兵を置くも亦止むを得ざることなり。今朝鮮に於て我日本人民の安寧は之を泰山の安きと云うべからず。
若しその安からざるを知らば、何ぞ速に之に備えざるや。或は朝鮮人の怯弱なる、之を慮るに足らずとの説もあらんと雖もども、万中の一は測るべからず。仮令い或は自衛の債を要せずとするも、彼の国、人心の穏やかざる時に当て、我、武威を示してその人心を圧倒し、我日本の国力を以て隣国の文明を助け造るは、両国交際の行き掛りにして、今日に在ては恰も我日本の責任と云うべきものなり。
我輩が斯く朝鮮の事を憂てその国の文明ならんことをき望し、遂に武力を用いてもその進歩を助けんとまでに切論するものは、唯従前、交際の行き掛りに従い勢に於て止むを得ざるのみに出たるに非ず。今後世界中の形勢を察して我日本の為に止むを得ざるものあればなり。方今西洋諸国の文明は日に進歩して、その文明の進歩と共に兵備も亦日に増進し、その兵備の増進と共に、呑併の慾心も亦日に増進するは自然の勢にして、その慾を逞しうするの地は亜細亜の東方に在るや明なり。この時に当て亜細亜洲中、協心同力、以て西洋人の侵凌を防がんとして、何れの国かよくその魁を為してその盟主たるべきや。
我輩敢て自らから自国を誇るに非ず、虚心平気これを視るも、亜細亜東方に於てこの首魁盟主に任ずる者は我日本なりと云わざるを得ず。
我既に盟主たり。その隣国たる支那、朝鮮等は如何の有様にして、之と共に事を与にすべきや。必ずや我国に倣うて近時の文明を与にせしむるの外なかるべし。若しも然らずしてその国の旧套を存しその人民の頑陋に任したらば、ただに事を与にすべからざるのみならず、又随 て我国に禍するの媒介たるに至るべし。
輔車相依り唇歯相助くと云うと雖もども、今の支那なり、又朝鮮なり、我日本の為によくその輔たり唇たるの実功を里すべきや。我輩の所見にては万これを保証するを得ず。加之不祥の極度を云えば、その国土が一旦遂に西人の蹂躙する所と為ざるを保すべからず。
今の支那国を支那人が支配し、朝鮮国を朝鮮人が支配すればこそ、我輩も深く之を憂とせざれども、万一にもこの国土を挙げて之を西洋人の手に授るが如き大変に際したらば如何。恰も隣家を焼て自家の類焼を招くに異ならず。西人東に迫るの勢は火の蔓延するが如し。
隣家の焼亡あに恐れざるべけんや。故に我日本国が支那の形勢を憂い又朝鮮の国事に干渉するは、あえて事を好むに非ず、日本自国の類焼を予防するものと知るべし。是即ち我輩が本論に於て朝鮮国の事に付、特に政府の注意を喚起する由縁なり。
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