「パリ・ぶらぶら散歩/ピカソ美術館編」(5/3日)③ーピカソが愛した女たち《マリ=テレーズ・ワルテル」》
2015/06/03『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ウオッチ(108)』
ピカソの巨大で怒涛の如きその創作意欲は、彼の女性遍歴(公表されているだけでも5名)と密接不可分の関係にある。ここで紹介する画材としての女性も、その肉体と精神を知り尽くした上で、画家の五感を総動員して「美と悦楽」を紡ぎ出している。
パブロ・ピカソ (1881〜1973)
2)マリ=テレーズ・ワルテル (1909〜1978)
・1927/1、 46才の画家がパリのオスマン通りで18才のテレー
ズに声を掛けたのが初対面。画家はテレーズの若さ、健康美、悩みを知
らない屈託の無さにスッカリ夢中になる。彼女には美しい強さを湛えた
フォルムと透明な瑞々しさがあり、官能的で呑気、陽気で注意深く、人
生をあるがままに受け入れ、戸惑うほど自然体であった。テレーズの画
家に対する第一印象は「とんでもなく素敵な人」であったという。
・テレーズは豊かな寛大さと無邪気さをもって、画家を熱愛し続けた。5
人の女性の中で、彼女ほど慎ましく、ピカソの栄光を利用しなかった者
は他にいない。彼女は画家にほとんど何の苦悩も与えなかったどころ
か、彼が彼女に屈辱、深い悲しみ、苦痛として与えたものに対し優しさ
で返した。テレーズは画家が最も深く長く愛着を感じた女性である。
・テレーズの絵、丸々として包み込むような曲線、健全で官能的な快楽。
整った顔、波打つ髪、飛び出た張りのある胸。画家が彼女の身体をどの
様に扱っているか、観る者の想像力を刺戟する。
・20年程、テレーズは控えめで優しい陰の存在となり、愛人、腹心、修
道女の三役を見事にこなし、魅惑的なドンファンへ変わらぬ忠誠心を
持ち続けた。
・テレーズは画家の死後4年、自ら命を絶つが、彼女の娘マイアは「母は
父の面倒を見なければならないと思い込んでいました。父が死んだ後ま
でも、母は父があの世で一人で寂しそうにしているのが耐えられなかっ
たのです」という。
関連記事
-
『オンライン講座・日本リーダーパワー史研究・山県有朋とは一体何者か!』★『国葬で菅元首相が読み上げた弔辞で紹介された山県有朋が一躍トレンド入りをした』★『政党政治の父・原敬は藩閥政治の元凶・山県閥をどう倒したか』(服部之総の「原敬百歳」を読む)
日本リーダーパワー史(289)「政党政治の父・原敬は藩閥政治の元凶・山県有朋をど …
-
『リーダーシップの日本近現代史』(259 )/「シュバイツァー博士(90歳)の長寿の秘訣」★「世界的チェロ奏者のパブロ・カザルス(96歳)」の「仕事が長寿薬
2015/03/08 /百歳学入門(104 …
-
日本興亡学入門⑫ー『なぜ日本は敗れたか』<徳富蘇峰の反省・『終戦日記Ⅳ』講談社版2007年より>
『なぜ日本は敗れたか』<徳富蘇峰の『終戦日記Ⅳ』講談社版2007年7月より> & …
-
日中ロシア北朝鮮150年戦争史(44)『日本・ロシア歴史復習問題』★ 「日清戦争後のロシアの満州進出」が日露戦争の原因になった。
日中ロシア北朝鮮150年戦争史(44)『日中歴史復習問題』★ 「日清戦争後のロシ …
-
日本リーダーパワー史(947)ー『日中関係150年史』★『日中関係は友好・対立・戦争・平和・友好・対立の2度目のサイクルにある』★『日中平和友好条約締結40周年を迎えて、近くて遠い隣人と交友を振り返る」★『辛亥革命百年の連載(31回)を再録』③(16回から31回まで)
★★(再録)日中関係がギグシャクしている今だからこそ、もう1度 振り返りたいー『 …
-
『知的巨人の百歳学(158)記事再録/吉川英治創作の宮本武蔵の師・沢庵禅師(73)の『剣禅一致』 <打とうと思わず、打たじとも思わず、心海持平(しんかじへい) なる時、前に敵なく、後ろに物なし。ここが無の境地じゃ>
百歳学入門(73) 前坂 俊之 (ジャーナリスト) …
-
『リーダーシップの世界日本近現代史』(287)/★『F国際ビジネスマンのリタイア後の世界ぶらり散歩「パリ/オルセー美術館編』★『オルセー美術館は終日延々と続く入場者の列。毎月第一日曜日は無料、ちなみに日本の美術館で無料は聞いたことがない』
2015/05/18 &nbs …
-
F国際ビジネスマンのワールド・ウオッチ⑨』『“中国の次期ニューリーダーの不可解な不在”』(ニューヨーク・タイムズ(9/11)
『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ⑨』   …
-
知的巨人の百歳学(119)-『元祖スローライフの達人・超俗の画家/熊谷守一(97歳)』★『文化勲章もきらいだが、ハカマも大きらい。正月もきらいだという。かしこまること、あらたまること、晴れがましいことは一切きらい』
知的巨人の百歳学(119)- 『元祖スローライフの達人・超俗の画家/熊谷守一(9 …
-
片野勧の衝撃レポート/太平洋戦争とフクシマ原発事故『悲劇はなぜ繰り返されるのか』<ヒロシマ・ナガサキ・フクシマ>①
片野勧の衝撃レポート 太平洋戦争とフクシマ原発事故 『 …