『 オンラインW杯カタール大会講座 ①』★『<ドーハの悲劇>から<ドーハの奇跡>へ、ドイツに2-1の逆転勝利』★『第2戦は1-0でコスタリカに敗北し、再び天国から地獄へ』★『スペイン戦が運命の一戦になる!』
2022/12/04
『 オンラインW杯カタール大会講座① 』(11月23日→27日)
11月23日、日本(ランキング24位)は、1次リーグ初戦で強豪ドイツ(11位)を2―1で撃破、ワールドカップ史上に残る大金星を挙げた。
私は「ドーハの悲劇」(1993年)前からのサッカーフアンで、W杯の試合を楽しんできたが、この30年間の「悲劇を逆転して奇跡に変えた」Jリーグとその選手たちの躍進と努力、フアンの応援に深い感銘を覚えた。
前半戦は一方的にドイツに押しまくられた。ドイツのポゼッションは72%で、日本は防戦一方で、ヒヤヒヤの連続だった。何とかペナルティーキックの1点でしのいでハーフタイム。私はこれでは得点力のない日本は「3、4-0」で負けるのではないかとみて録画して床に入った。しばらくするとまだTV見ていた妻から大拍手と「キャー!大逆転、大逆転!!」と歓喜の悲鳴が上がった。
後半戦に入り日本はフォーメーションを一挙に4-2-3-1から3-4-2-1へと切り替えた。次々に投入して左から三笘、南野、浅野、堂安、伊東が並び、その後ろに鎌田が構える超攻撃的なシフトに全面チェンジした。
いつもの試合なら森保監督は20分過ぎから選手交代をしていた。ところが、追い込まれた森保監督のスピード決断力と勝利突破力の采配がドイツの鉄壁の壁をぶち抜いた。
選手たちも命がけで燃えていた。前半、ベンチから試合を見守っていた浅野、南野、堂安は「0-1なら行けると3人で話しあい、ピッチに立ったときのことをイメージできていた。」(浅野)
そして、わずか8分間に堂安が同点ゴールを決めると、続いて浅野が起死回生の逆転ゴールを世界一のキーパーの頭越しにぶち込んだ。
ドイツでプレーする鎌田(アイントラハト・フランクフルト)は「前半は彼らをリスペクトし過ぎて臆病に戦っていた。それを森保さんがシステムを(3バックに)変えて自分たちが勇気を持ってプレーできた」と振り返った。
世界最高峰GK・ノイアーを撃破した“ジャイアントキリング”の浅野は4年間の屈辱と執念が「みんなの気持ちが強い分と一緒になってボールに力が乗りうつった」と語る。
浅野のこの4年間の苦闘が実った瞬間だった。前回のロシア大会には出場できなかった。今大会直前の9月には内側側副靱帯(じんたい)を損傷。実戦復帰がかなわないうちのW杯メンバー入りには、批判が寄せられていた。結果でこの屈辱を晴らすぞと決めていた。
堂安(フライブルク)も同じ。「ヨーロッパがアジアをなめているところがあるので、ふざけるな、と見返してやろうって思っていた。その屈辱をバネに「俺が決めるとみんなに公言して自分を鼓舞していた。そのイメージトレーニングをこの4、5日ずっとイメージを持ってホテルで過ごしていた、という。
中継していた英テレビ局ITVの解説者の元スコットランド代表FWのアリー・マッコイスト氏は「アンビリーバボー!! あぁ、なんてことだ。素晴らしいランに、素晴らしいトラップ、そして素晴らしいシュート。センセーショナルなゴールだ」と声をからしながら絶叫し浅野をたたえた。
また同TVでの別の解説者の元アイルランド代表の“闘将”ロイ・キーン氏も、「日本の森保監督の采配は称賛に値する。後半頭にシステムを4バックから3バックに変更して試合の流れを変えた。彼らは知性と素晴らしいクオリティーを見せた。森保監督は8点と採点」し絶賛した。
● 第2戦のコスタリカ戦では1-0で敗北
世界情勢は時々刻々とかわる。私はコスタリカ戦の敗北で悔し涙で眠ったあと、11月28日午前6時に目が覚めてドイツ勝利を予想してスペイン戦を見ると、何と1-1のドローではないか。モロッコ(世界ランキング22位)がベルギー(同2位)に2-0で勝っており、サウジ、日本に次いで3度目の「ドーハの奇跡」をおこしていた。
予想(よそう)は反対から読むと「うそよ」だ。
「Hit or miss」(当たるも八卦当たらぬも八卦)の世界だが、今回の「カタール杯」はなんともエキサイティング(番狂わせ)でスリリングな「アラビアンナイト」物語の連続である。
コスタリカ戦(11月27日)では森保監督の采配は空転した。日本チームの守備型の悪い点が一挙に出た。コスタリカのように引いた固く守るチーム相手には、アジア予選(ベトナム、オーストラリア戦など)でも苦戦していたというのに,ㇲローな横パス、後パスばかりで時間を空費する。「パスは前に出さなければ未来は開かぬ」とのサッカー第一原則に反する。
14本のシュートを打ったが点が取れない。逆に1本のコスタリカはたった1本のシュートで決めた。フィジカル、テクニックでのスピード、ドリブル、突破力、シュート力、自分が決めるという積極果敢な決定力のある選手が少ないという永遠の課題を30年たっても克服できていない。改めてこの「日本病」を痛感した。
日本は12月2日午前4時開始のスペインに勝つか、引き分ければ決勝リーグ進出できる。絶体絶命の総力戦、決戦となる。
関連記事
-
-
「英タイムズ」「ニューヨーク・タイムズ」など外国紙が報道した「日韓併合への道』㉒「伊藤博文統監の言動」(小松緑『明治史実外交秘話』)⑦『前代未聞の退位と即位』
「 英タイムズ」「ニューヨーク・タイムズ」など外国紙が 報道した「 …
-
-
『Z世代のための日本戦争史講座』★『陸軍の内幕を暴露して東京裁判で検事側の証人に立ったリ陸軍の反逆児・田中隆吉の証言⑥』★『『紛糾せる大東亜省問題――東條内閣終に崩壊せず』』
終戦70年・日本敗戦史(86)「敗因を衝くー軍閥専横の実相』の記事再録 http …
-
-
世界を変えた大谷翔平「三刀流(投打走)物語➅」★『2018年渡米してオープン戦で大スランプに陥った大谷にイチローがアドバイスした言葉とは』★『自分の才能、自分の持っているポテンシャルにもっと自信をもて!』『イチローは現代の「宮本武蔵」なり「鍛錬を怠るな<鍛とは千日、錬とは一万日(30年)の稽古なり>
2021年11月27日、前坂 俊之(ジャーナリスト) …
-
-
有事法制とジャーナリズム(下)
有事法制とジャーナリズム(下) 前坂 俊之(静岡県立大学国際関係学部教授) 北朝 …
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(105)/★『記事再録/ 『日本国憲法公布70年』『吉田茂と憲法誕生秘話①ー『東西冷戦の産物 として生まれた現行憲法』『わずか1週間でGHQが作った憲法草案』①
2016/02/28/日本リーダーパワー史 …
-
-
八海事件の真相(中)
1 <サンデー毎日1977年9月11日掲載> 八海事件の真相(中) 前坂 俊之( …
-
-
『クイズ『坂の上の雲』>明治陸軍の空前絶後の名将とは・・・児玉源太郎ではない参謀総長・川上操六②
『クイズ『坂の上の雲』>明治陸軍の空前絶後の名将とは・・児玉源太郎ではない参謀総 …
-
-
片野勧の衝撃レポート『太平洋戦争<戦災>と<3・11>震災⑱』 『なぜ、同じ過ちを繰り返すか』 原町空襲と原発<上>
片野勧の衝撃レポート 太平洋戦争<戦災>と …
-
-
★(動画)☆錦織圭が世界ランク1位ジョコビッチを破る大金星ー男子テニスのスイス室内(11月5日)
錦織圭が世界ランク1位ジョコビッチを破る大金星 男子テニスのスイス …
-
-
『F国際ビジネスマンのワールド・ウオッチ(76)』英国BBCが『笹井氏死去を「世界の分子生物学会の一大損失、研究開発は遅滞しこの空白は埋められない」と報道
『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウ …