日本リーダーパワー史⑱ 1億のインド不可触民を救う仏教最高指導者・佐々井秀嶺
前坂 俊之
この「奇跡の男」こそ佐々井秀嶺
(74歳)である。
夢に中で白髪白髭の老人があらわれ「
南天竜宮へ行け。なんじの法城はわが法城なり」と。 南天竜とはインド中央部のナグプール(龍宮)のことであり、出かけてみると夢の老人は「アンベードカル博士」(1891年―1956年、インド憲法の父で、ガンジーと並び称される人物、不可触民出身で仏教再興運動の創設者)と分かった。1968年、33歳の時である。ヒンズー教から改宗する信者が数千万人もの大勢力になるにつれ、内外の宗教組織からの強烈な反発が訪れた。
1987年7月、佐々井は不法滞在で逮捕されたが、「釈放し、国籍を与えよ」とナグプールでは大規模な市民抗議集会が起こり、1ヵ月で60万人もの署名が集まった。
仏教徒の強烈な抗議でラジブ・ガンジー首相は88年4月、正式に市民権を与え「アーリヤ・ナーガルジュナ」(聖樹の意味)のインド僧名を送り、名実ともにインド仏教界最高指導者に。
1992年から佐々井は『殺されてもよい』の覚悟のもとに陣頭指揮でトラックに分乗して中央、州政府、各都市を数千キロにわたってデモ行進し、各地で激しい奪回運動を展開した。
そのせいもあってか、大菩薩寺跡は2002年に世界文化遺産に登録された。2003年、佐々井は政府の「インド少数宗教委員会仏教代表」(副大臣級)に指名され、仏教布教と「シュリーマン」のように発掘に両車輪で取組んでいる。
「私は求道者。寺などいらぬ。最後はとぼとぼ歩いて、道端で石にけつまずいて草の中で死ねれば本望です」という。
関連記事
-
-
『オンライン/ウクライナ戦争講座』★『日本興亡史サイクルは77年間.明治維新(1868)から77年目の太平洋戦争敗戦(1945 )が第一回目の敗戦。それから77年目の今年(2021、2年)が2回目の経済敗戦』★『この国難を突破するためには明治のトップリーダ―たちのインテリジェンスとAIデジタルZ世代のタッグ「チームジャパン結成しかない』
『日露インテリジェンス戦争を制した天才参謀・明石元二郎大佐』(前坂俊之著、新人物 …
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(331 )記事再録★『2016年7月の南シナ海裁定で完敗した中国の強硬姿勢の背景にある『China2049―秘密裏に遂行される世界覇権100年戦略』①『中国の夢』の恐るべき陰謀とはー 中国が世界の覇権を握った「帝国」は「自由より秩序、 法より倫理、民主主義と人権よりエリート による共産主義独裁帝国の実現」①
2016/07/30 &nbs …
-
-
日本メルトダウン( 985)『トランプ次期米大統領の波紋 』―『トランポノミクスが招くかもしれない悪性インフレ』●『安倍トランプ会談、トランプは本当に「信頼できる指導者」か』●『トランプ政権に“史上最強”の海軍長官が誕生か? 海軍を中心に「強い米軍」の復活を誓うトランプ新大統領』●『当選後の会見開かぬトランプ氏、76年以降で最長の日数に』●『土壇場のトランプが打ち出した「350隻海軍」計画 「偉大なアメリカ海軍」は復活できるのか?』
日本メルトダウン( 985) —トランプ次期米大統領の波紋 &n …
-
-
『オンライン/死生学講座』『日本最初の民主主義者・中江兆民(53歳)の死の美学』★『悪性の食道ガンで「余命一年半・・」と宣告された』★『一年半、諸君は短命という。私は極めて長命と思う。 もし短いと思えば、十年も、五十年も短い。百年も短なり。 人生は短く、死後は永久なり」(『1年半有』)』★『(遺言)「戒名は無用、葬式も無用、灰は海に投棄して魚のエサにせよ」』
2015/03/19/『中江兆民(53歳)の死生学』記事転 …
-
-
『オンライン講座/真珠湾攻撃から80年➄』★『 国難突破法の研究➄』★『ハワイ・真珠湾攻撃は山本五十六連合艦隊司令長官の発案だった②」
2010/06/28 日本リーダー …
-
-
『オンライン/新型コロナパンデミックの研究』-『 トランプ大統領、習近平主席の内憂外患』★『世論調査でバイデンに水をあけられてトランプ再選に赤ランプ点滅』★『一方、中国でも習近平体制も派閥抗争で揺らいできた』(6月20日)
トランプ大統領、習近平主席の内憂外患 …
-
-
日本リーダーパワー史(175)『辛亥革命百年の真実』『孫文を助けた大アジア主義者・犬養毅らの熱血支援』
日本リーダーパワー史(175) 『辛亥革命百年の真実』 『孫文を助けた大アジア主 …
-
-
『ウクライナ戦争の終わらせ方の研究①★『独裁者・プーチンが核兵器発射で脅している戦争を終わらせるのはなお難しい』★『太平洋戦争を鈴木貫太郎首相と昭和天皇の<阿吽の呼吸>で玉音放送で終結させた国難突破力は世界史にも例がない』
日本リーダーパワー史(746)歴代宰相で最強のリーダーシップを発揮したのは第2次 …
-
-
『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(146)』「水木しげるのラバウル戦記」読後感ー「生へ健全な執着」の表現と 『「人間を虫けらの様に扱う」軍隊組織を嘲笑する』距離感は天才的です。
『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(146)』 「水木しげる …
-
-
最高に面白い人物史⑧人気記事再録★日本風狂人伝⑩ 尾崎士郎-「人生劇場」を書いた男の中の男
日本風狂人伝⑩ 尾崎士郎-「人生劇場」を書いた男の中の男   …