『リーダーシップの日本近現代史』(103)記事再録/『日露戦争の勝利に驚愕したヨーロッパ各国』★『ナポレオンも負けた強国ロシアに勝った日本とはいったい何者か、パリで最高にモテた日本人』★『「あの強い日本人か」「記念にワイフにキスしください」と金髪の美女を客席まできてキスを求めたかと思うと、店内の全女性から次々にキスの総攻撃にあい、最後には胴上げされて、「ビーブ・ル・ジャポン」(日本バンザイ)の大合唱となった、これ本当の話だよ』
/日本リーダーパワー史(826)『明治裏面史』記事再録
『「日清、日露戦争に勝利」した明治人のリーダーパワー、インテリジェンス㊵』
以下の記事を再録する。
前坂 俊之(ジャーナリスト)
1・・パリで最高にもてた日本人
『明治裏面史』の中で、パットと明るい、自信のわいてくる話をしましょうかね。明治から、大正時代、1920年代にもフランス・パリにはたくさんの日本人が住んでいました。
そのパリで対仏輸出入組合理事長をしていた伴野文三郎著「パリ夜話」(昭和32年、教材社)という、大変愉快な思い出話があります。当時、世界の中で日本がどう見られていたのか、を考えるには絶好の材料です。
当時のヨーロッパ列強の間では軍事大国・ロシアは陸海軍とも世界一,二の戦力を有しており、「北の巨熊」として、恐れられていました。フランスの英雄で戦争の天才・ナポレオンもロシアに負けているほどです。
そんなロシアに、鎖国を解いて、やっと文明国に仲間入りしたばかりの地図上でその位置さえわからないアジアの無名の小国・日本が戦いを挑んだのです。
ヨーロッパ各国は「かわいそうにたちまちひねりつぶされてしまうぞ」と日本に同情していました。ロシアは初めから日本をなめてかかり、世界各国ともロシアの圧倒的な勝利を予想していました。当時、フランスはロシアと軍事同盟を結んでいました。
ところが、イザふたをあけると、陸戦でも連戦連勝し、日本海海戦では世界一のロシア・バルチック艦隊が日本についたら「ひと飲みにされるだろう」との世界の予想を覆して、東郷平八郎率いる連合艦隊が全滅させたのです。
しかも、日本側の損失はほぼゼロという完全勝利はスペインの無敵艦隊をやぶったネルソン率いる英国艦隊の勝利を上回るもので、世界中は2度びっくり。
ヨーロッパや長年ロシアに圧迫され,侵略されていたポーランド、フィンランド、北欧、トルコ、中央アジア各国は驚愕し、「日本人とは一体どんな国民なのか」と驚異の目で見られ、爆発的な日本ブームがおこったのです。
伴野にも「娘があったらぜひ、日本人にもらってもらいたいのに」との話しが舞い込んだり。
その年のクリスマスに伴野が一流レストランでフランス人家族と一緒に食事をしていると、超満員の店で酔った男が「あの強い日本人か」「記念にワイフにキスしください」と金髪の美女を客席まで連れてきて、キスを求めたかと思うと、そのうち店内の全女性が総立ちで、次々に伴野へのキスの総攻撃となったといいます。
それから客席をかたづけダンス場に早変わり、ダンスの相手をしてモテモテ、最後には胴上げされて、「ビーブ・ル・ジャポン」(日本バンザイ)の大合唱となったという次第。まるで夢心地だといいます。世界各国の人種が集まるパリでも、最高にモテたのが日本人だったとは、何ともうれしい、誇らしい話ではないでしょうか。
関連記事
-
-
「王の子供は王じゃない。王になるのは能力者」=南インド映画「数学の天才・アーナンド先生の教室」(2019年制作)をみて、いたく感動した。インド映画は哲学的、アクション、歌、ダンス、ラブコメディーあり、てんこ盛りで超楽しいよ。
「王の子供は王じゃない。王になるのは能力者」 このところ、インド映 …
-
-
『リモート京都観光動画』/『日本史大事件の現場を歩くー『敵は本能寺にあり』、織田信長死す(1582年6月21日)』★『★京都『本能寺』へぶらり散歩ー寺町界隈には歴史と伝統の『老舗』が並ぶ』
日本史大事件の現場を歩くー『敵は本能寺にあり』、織田信長死す(15 …
-
-
世界、日本メルトダウン(1029)ートランプ大統領、習近平の注目の米中会談が6日から始まった。『米国で北朝鮮攻撃が議論の的に、日本は備えを急げ ソウルは火の海に、日本も報復攻撃されることは確実』★『北朝鮮攻撃の日は近い?米国で崩れてきた前提とは 米中首脳会談は成果を出せるか(古森義久)。』
世界、日本メルトダウン(1029)ー トランプ大統領、習近平の注目の米中会談が …
-
-
東京理科大学・大庭三枝教授が著書『重層的地域としてのアジアー対立と共存の構図』について3/8日、日本記者クラブで講演動画(120分)
東京理科大学・大庭三枝教授が著書『重層的地域としてのアジアー対立と共存 の構図』 …
-
-
知的巨人たちの百歳学(175)記事再録/『一億総活躍社会』『100歳元気社会』のシンボル 「 医師・日野原重明(103)、漢字学者 白川静(96)に学ぶ」
2015/11/05知的巨人たちの百歳学( …
-
-
片野勧の衝撃レポート⑯『太平洋戦争<戦災>と<3・11>ー震災特別攻撃隊(特攻)とフクシマ(上)』
片野勧の衝撃レポート 太平洋戦争<戦災>と<3・11> …
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(97)記事再録/ 『中国/朝鮮行動学のルーツ⑥』『中国紙『申報』 からみた「中国が行っている冊封の儀と 属国の国力強化について」(1884(明治17) 年2月9日付)★『中国流のダブルスタンダード、言行不一致の典型で、南沙諸島での軍事基地の建設増設と同じパターン』
2016/03/18   …
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(63)記事再録/児玉源太郎伝(4)『日露戦争<黄禍論>に対し日本を高く評価した英国タイムズ』★『『黄禍論』に対して―日露戦争で国際法の慣例に従って戦争を遂行している徳性ある日本」 <英国タイムズ紙、1905(明治38)年1月7日記事>』
2016/03/05/日本リーダーパワ …
-
-
『オンライン/百歳学入門講座』★『日本超高齢社会の過去と現在ー(1)<70年前の昭和20年代【1945-55年)までは人生わずか50年だった日本(1)』
『日本超高齢社会の過去と現在ー(1) 前坂俊之(ジャーナリスト) …
- PREV
- 『リーダーシップの日本近現代史』(102)記事再録/『明治以降、日中韓(北朝鮮)の150年にわたる対立、紛争、戦争のルーツは『朝鮮を属国化した中国」対「朝鮮を独立国と待遇した日本(当時の西欧各国)」とのパーセプション、コミュニケーションギャップの衝突である』★『 明治9年の森有礼と李鴻章の『朝鮮属国論』の外交交渉の見事なすれ違いにルーツがある』
- NEXT
- 『リーダーシップの日本近現代史』(104)/★『記事再録/<まとめ>日本最強の外交官・金子堅太郎ーハーバード大同窓生ルーズベルト米大統領を説得して、 いかに日露戦争を有利に進めたか、その驚異のディベート・テクニック』★『『ルーズベルト大統領は「旅順陥落」に大喜びー黙っていると”Silence is Consent”。 どしどし反論せよ』⑤』