世界/日本リーダーパワー史(958)『ファーウェイ幹部逮捕で本格化、米国の対中防諜戦米国と諜報活動協定を結ぶ国が増加中』★『 AIの軍事利用で世界最先端を進み始めた中国』★『狙われる東京五輪とサイバーセキュリティー』
世界/日本リーダーパワー史(958)
『狙われる東京五輪とサイバーセキュリティー』
「PCを使わない」桜田五輪相(68)の国会珍問答が11月22日に再び繰り返された。桜田五輪相は「パソコンと違ってスマホは1日何回も使っている。みんなの能力を総結集してジャッジするのがわたしの仕事。私の判断力は抜群だ! 能力に疑いは持っておりません!」と大声で自画自賛し、ガッツポーズまでしていたのを私はTVでみて、思わずあきれ返った。
https://news.nicovideo.jp/watch/nw4231318
このコメディーにタイミングを合わせたかのように「ニューズウイーク日本版」(11月27日号)は「東京五輪を襲う中国ダークウエーブー無防備な日本を狙う中国のサーバー攻撃がネット奥深くですでに始まっている」「五輪ハッキング計画―無知な大臣が率いる五輪を狙う中国」の特集を組んでいる。
「危うし、東京オリンピック」というわけだ。
同誌によると、今夏に在米と国内の日本人を狙ってパソコンのメール、パスワード、個人情報を詐取する「東京2020ゲーム無料チケットとギフトの提供」という「スピアフィッシング・メール」のサイバー攻撃が17万4000人に送りつけられ、このうち9258人が引っ掛かってリンクをクリック、パソコンを乗っ取られた、という。この犯行は中国の政府系ハッカーグループの仕業とわかった。
こうした東京五輪を狙った中国系のサイバー攻撃グループは5種類あり、個人、テレコム、企業、プロバイダーなどをターゲットにして日本の信用の失墜と多国籍企業の日本への投資妨害を狙っているという。これに、ロシアのハッカー集団も協力して中国側にサイバー攻撃のツール(武器)を提供していることも判明している。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/11/post-11353.php
すでに、習近平主席は中国のAI(人工知能)産業を2030年に世界トップ水準に向上させる軍民融合の国家戦略を発表している。このため、昨年9月、中国の政府系機関「中国サイバースペース管理局」は「サイバーセキュリティ―と情報化における軍民統合推進計画」をまとめ、サイバー空間での民間の力を積極的に活用するため中国初の「サイバーセキュリティー・イノベーションセンター」を発足させた。中国でも屈指のサイバーセキュリティー企業「360企業安全集団」がこの運営に当たり「人民軍が未来のサイバー戦争に勝つための民間の協力分担」をになった。
人民解放軍は通信機器大手の中興通訊(ZTE)や華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)のような企業とのパートナーシップを強化し、大学との連携も推進しているが、米政府はこれに対抗し米政府機関での両社の製品使用を禁止、オーストラリア政府も第5世代(5G)移動通信整備事業への参入を禁止、日本政府も同調する方針で、中国からのサイバー攻撃への対策に足並みをそろえた。
これに対して、人民解放軍、企業や大学は、中国の「サイバー民兵」の増強に努めており、20年前に初めて登場した中国のサイバー民兵は、今では1000万人を突破している、という。
http://www.maesaka-toshiyuki.com/person/31938.html
中国政府は、毛沢東の「人海戦術」「人民戦争論」を引き継いで「情報戦争では軍民の統合が必要である」との認識から「サイバー民兵」「電子的民兵」を大量育成、動員する戦略なのだ。
一方、ロシアはどうなのか。旧ソ連諸国の情報機関とハッカーの「同盟関係」は以前から継続しており、大学の数学、工学、コンピューター科学の分野では世界最高水準にあり、高度なスキルを持つ人材が数多くいる。
ロシアでは21世紀初めの時点で、すでに数百人規模のハッキング大会が開催され、ハッカー雑誌は毎月数万部も発行し、2011年までにロシアのサイバー犯罪の市場規模は23億ドルにのぼったという(同ニューズウイーク)。
ハッカーたちは旧ソ連圏を避け、欧米を攻撃対象に暴れ回わっているが、ロシアの取締機関に逮捕されることはほとんどない。
方、北朝鮮についてはサイバー攻撃の脅威は、同国の核の脅威に匹敵するといわれている。 政府が有能な人材を選んで訓練し、最強のハッカー集団を育成する。彼らはサイバー空間で自国の攻撃力を誇示し経済制裁にあえぐ自国に貴重な外貨をもたらす。世界中にサイバー攻撃を加えており、今年4月末時点では17カ国が攻撃され、防衛関連施設や金融機関、通信、医療、娯楽などの産業、ライフラインなどに甚大な損害を与えた、などなど。
同誌は水面下で火花を散らしている見えない戦争、サイバー戦争の恐怖の実態を暴いている。
さて、あと1年半後に迫った東京オリンピック、パラリンピックンのセキュリティー対策は桜田大臣に任せておいて、本当に大丈夫なのか心配になってくる。
そういえば。1940年(昭和15)に決まっていたアジアで初の東京オリンピック大会は日中戦争の泥沼化、欧州各国の政治情勢の対立、紛争などが原因で当時の近衛内閣は1938年6月に大会返上を決定し、「幻の東京オリンピック」と化した。
現在のトランプ米大統領の「米国一国主義」の独走で、米中貿易戦争、サイバー戦争が勃発し、英国のEU離脱問題、EU各国の移民受け入れによる極右政党の躍進による混乱分裂、これに中東問題の泥沼化が重なって、第2次世界大戦前夜の雰囲気に似てきた点が気にかかる。
分解したら“余計なもの”が見つかった!?日本政府も「ファーウェイ排除」へ
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E5%88%86%E8%A7%A3%E3%81%97%E3%81%9F%E3%82%89%E2%80%9C%E4%BD%99%E8%A8%88%E3%81%AA%E3%82%82%E3%81%AE%E2%80%9D%E3%81%8C%E8%A6%8B%E3%81%A4%E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%9F%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%94%BF%E5%BA%9C%E3%82%82%E3%80%8C%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A4%E6%8E%92%E9%99%A4%E3%80%8D%E3%81%B8/ar-BBQCXR5#page=2
ファーウェイ幹部逮捕で本格化、米国の対中防諜戦米国と諜報活動協定を結ぶ国が足並みそろえる中、日本はどうする
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54888
T
ファーウェイとZTEが米国市場から排除される理由中国の電気通信企業が国家の手先となりあの手この手のサイバー攻撃
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54857
AIの軍事利用で世界最先端を進み始めた中国
アルファ碁の勝利をきっかけに一気呵成、お粗末すぎる日本の対応
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54839
PC使えぬ桜田サイバー担当相が更迭必至な理由
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54772
関連記事
-
-
終戦70年・日本敗戦史(130―1)「1930年(昭和5年)のロンドン海軍軍縮会議と統帥権干犯問題」政党政治を終局させ、軍部独裁から戦争への道をスピードアップさせる転換点となった。
終戦70年・日本敗戦史(130―1) <世田谷市民大学2015> 戦後70年 …
-
-
『リモートワーク/外国人観光客への京都大徳寺動画ガイド』(2014 /04/01)★『京都大徳寺』ー龍源院の石庭、枯山水の名勝庭園を参観する』★『The Beautiful Garden京都大徳寺ー興臨院の禅庭の春の特別公開を参観』★『織田信長創建の黄梅院の禅庭の特別参観』★『大友宗麟の瑞峯寺の禅庭を参観』
2014年4月1日 前坂俊之チャンネル再録 Wikiによると、 大徳 …
-
-
日本リーダーパワー史(197)『明治天皇のリーダーシップ』(2)『大津事件で対ロシアの国難を未然に防いだ』(下)
日本リーダーパワー史(197) 『明治 …
-
-
『日本戦争外交史の研究』/『世界史の中の日露戦争』⑯『開戦4ゕ月前の「仏ル・タン」の報道』- 『極東の紛争』『露仏同盟のフランスはシベリア鉄道によると特権をもつロシアの満州占領を擁護』『アレクセイ提督の極東総督府を創設した段階で,それを放棄する意向があると見なすのは的外れというものだろう』
『日本戦争外交史の研究』/『世界史の中の日露戦争』⑯ 1903( …
-
-
『湘南海山ぶらぶら日記『 ★『鎌倉カヤック釣りバカ動画日記『★『忍者カワハギとの決闘編ー爆釣はレッドソックス・上原クローザーの「瞬殺」法の秘伝を公開』(2013/11/03 )
2013/11/03   …
-
-
『オンライン/明治外交軍事史/読書講座』★『森部真由美・同顕彰会著「威風凛々(りんりん)烈士鐘崎三郎」(花乱社』 を読む④』★『川上操六は日清戦争は避けがたいと予測、荒尾精の日清貿易研究所を設立しで情報部員を多数養成して開戦に備えた』
2015/12/23 2015/12/27日本リーダー …
-
-
『オンライン講座/日本をチェンジする方法論の研究』★『3・11直後に書いた日本復活は可能か?の論考を再掲載』★『明治維新の志士はいずれも20歳の若者たちで、そのリーダーシップに学ぶ』』★『今こそ、「ゲームチェンジャー」(時代を変える若者) こそ出でよ、日本老害社会をぶち壊せ』
2011、6,14に書いた< 日本リーダーパワー史(160)記事再録 『3・11 …
-
-
★『2017年は世界大乱、アジア激震の幕開け』-『トランプ大統領誕生で『日本沈没は加速されるか』、「しぶとく生き抜くか」の瀬戸際』(上)
トランプ大統領誕生で『日本沈没は加速されるか』「しぶとく生き抜くか」の瀬戸際 …
-
-
速報(263)『米国を真似て財政破綻したがる日本』(田中 宇)●『製造業:安い中国の終焉』(英エコノミスト誌』
速報(263)『日本のメルトダウン』 ◎『米国を真似て財政破綻した …
-
-
「英タイムズ」「ニューヨーク・タイムズ」など 外国紙は「日韓併合への道』をどう報道したか⑫『いとしく,やさしい朝鮮』(「仏ル・タン」)
「英タイムズ」「ニューヨーク・タイムズ」など 外国紙は「日韓併合への道』をどう報 …
- PREV
- 知的巨人の百歳学(118)ー『米雑誌「ライフ」は1999年の特集企画で「過去1000年で最も偉大な功績をあげた世界の100人」の1人に葛飾北斎(90歳)』(下)★『北斎の生き方を尊敬し、「Silver Yutuber」となってビデオ片手に鎌倉、全国をぶらり散歩しながら1日1万歩目標に「現代版富嶽百景」を撮影、創造力アップ、長寿力アップに努力』
- NEXT
- 世界/日本リーダーパワー史(959)ー『明治大発展の基礎を作った史上最高の戦略家、影の黒幕は『法螺(ほら)丸』、『モグラ』を自称し、宰相・元老、将軍たちを人形遣いのように自由自在に操り「日露戦争」を勝利に導いた。この稀代の戦略家は一体誰でしょうか?。答えは・・・忘れられた杉山茂丸だよ、彼はスーパーマンだよ!』★『孫の杉山満丸氏の語る「杉山家三代の系譜』(講演動画30分付)