世界/日本リーダーパワー史(903)-『米朝会談はどうなるか、米国はイラン問題を優先し、 東アジア情勢は先延ばしで日本ピンチか!』(下)『トランプへの片思いに過ぎなかったのか安倍首相!』★『欧米流のポーカーゲーム対日本流の「丁か半か」の外交戦!』★『習近平主席の「終身皇帝独裁者」の今後!』
2018/05/08
世界/日本リーダーパワー史(903)
トランプへの片思いに過ぎなかった安倍首相
『それにしても,日米同盟で強固に結ばれているとトランプとの親密さをアピールしていた安倍外交が実はトランプへの片思いに過ぎなかったことが、今回はっきりしたね。
トランプの外交術は「交渉相手には、アイツは本気でイカれていると思わせろ! そうすれば交渉は有利に進められる」というもので、「いいヤツ」安倍晋三首相は完全に手玉にとられた。
3月22日にトランプ米大統領は知的財産権侵害への制裁措置として中国製品への関税賦課を命じる大統領令をホワイトハウスで署名した。この時、「安倍晋三首相たちには言っておきたい。彼らはいつもほほ笑んでいる。その微笑みは『こんなに長い間、米国を出しぬくことが.できたとは信じられない』という意味だ。でも、そうした時代はもう終わりだ!」との爆弾発言をしたのです。
翌二十三日に発動された新たな高関税措置では日本は主要同盟国の中で唯
一適用除外にならなかった。トランプの本音が見えた瞬間でしたね。彼は大統領選の最中にも日本批判を繰り返していたが、そのリピート発言ですね。ところが、安倍首相は大統領に当選したトランプ氏のところに最初に駆け付けて、信頼を獲得したことに自信をもって,彼の本音を見抜けなかった。日本人の国民性である「甘えの構造」です。」
「世耕経産相の相手のロバート・ライトパイザー通商代表はレーガン政権時代に通商代表部の次席代表を務め、対日強硬派でした。日本に対しては、上から一発かませば、すぐグラグラする」と公言していたこわもてですよ」
「4月17、18日の2日間の予定の安倍トランプのゴルフ会談はこれまでのようなお願い外交、お遊び会談にしてはいけない。きちんと日本カードの出してのディール外交を展開すべきだが、安倍首相のそれだけの度胸があるかどうか、残念ながらトランプとケンカするほどの心臓(晋三)はない・・(笑)
外交とは国益をかけた刀(軍事力)のつばぜり合いであって、話し合いお願い外交、小切手外交では限度がある。」
「この欄でもよく言っているが、欧米流の駆け引き主体のポーカーゲームと日本流の「丁か半か」の1発勝負の単純なサイコロ賭博の勝負の違いです。ポーカーゲームは相手とのフェイスツーフェイスでダマし、自分の本音を隠す複雑な心理駆け引きのゲームです。一方、サイコロ賭博は偶数か奇数化かを競う偶然性と、運を競う単純すぎるゲームです。どちらが交渉に役立つかは言うまでもない。
安倍首相のいうトップ同士の信頼関係の醸成の積み上げる個人親密、友情外交は国益第一の外交には通用しない。安倍外交、日本外交の失敗はこの「甘えの体質」「おもてなし外交」に起因しているのです」
「1941年の日米戦争の真珠湾攻撃の作戦も一か八かの勝負でした。東条英機陸相が日米戦争を決意しない近衛文麿首相に対して、「清水(寺)の舞台から飛び降りる覚悟をもっての一か八かの決断をせよ』と激しく開戦を迫ったのは有名な話。日本外交はこの繰り返しで全く進歩していない。
腹立たしい限りですが、最貧国・北朝鮮の核を持っているぞと脅すやくざ外交、弱者の居直り、捨て身外交に振り回されているのは何とも情けない。今は武力は行使できないのでアメリカにお願いする一方の縋り付き外交しかできないのでは、日本のインテジェンスが問われます」
米中の貿易・関税戦争と習近平主席の「終身独裁者」の今後
「トランプがかねてから主張していた通り、米通商代表部(USTR)は4月3日、中国の知的財産権侵害を非難し、産業ロボットなど1300品目の中国製品に25%の関税を課す制裁リストを公表した。
これに対し、中国側も即座に反応し同4日、中国が大豆など106品目の米国製品に関税を課す対抗措置を発表した。これに激怒したトランプは5日、新たに1000億ドルの中国製品の関税を引き上げる対中追加制裁の検討を指示し、ツイッターで「米国は中国と貿易戦争は行っていない。
こうした争いは何年も前に米国を代表した愚かしく無能な人々が戦い、負けている」と述べた、という。中国も6日にさらに対抗措置の構えをみせており、お互いの報復合戦はエスカレートしている」
「相手の急所を突いて取引するのが、外交、交渉手口の決め手で中国は米国産の大豆をターゲットにした。
大豆は中国の対米報復制裁で最大の「武器」です。米国の昨年の中国向け大豆輸出は120億ドルにものぼり、対中農産物輸出では最大の品目。 中国は世界で取引される大豆の約60%を輸入し、主に家畜飼料用の大豆ミールに加工している。 専門家は「米国を除くと、世界には中国の需要を満たすのに十分な大豆はない」と指摘していますがが、米農家にとって大きな痛手であることは間違いない」
「早速、米農家は悲鳴を上げて、政府を突き上げている。農業が盛んな地域はトランプ大統領の地盤の州が多い。大豆は米国の主力の輸出品で、約6割が中国向け。ミシシッピー州などは輸出のほぼ全量が対中国向けのもの、といいます。(日経4月8日付)。
「しかし、一見すると、米中双方の激しい殴り合いの応酬に見えるが、米国の実際の制裁発動は即時ではなく、2ヵ月間の猶予期間があるのです。つまりこの間に、互いが話し合いで、決着をつけるので制裁発動までいかないケースが多い。トランプお得意のディール外交、恫喝外交ですよ。一発かまして、相手を動揺させて、有利に交渉する常套手段です。
そのためムニュシン財務長官は6日「中国との交渉を続ける」と表明し、知財対策や対中貿易の赤字削減の譲歩を引き出せれば制裁を見直す構えをみせた。結局、貿易戦争へ発展するかどうかは今後の米中間の話し合いと中間選挙をにらんだ共和党の対応に左右される」
「トランプ米大統領も8日「中国は貿易障壁を下げるだろう。そうすることが正しいからだ」とした上で、「税は相互的になり、知的財産権に関して取引が成立するだろう」とコメントした。中国の習近平国家主席との首脳同士の関係について、何が起ころうと「習国家主席と私は常に友人であるだろう」と述べた、ともいいます。これは安倍首相へリップサービスとお同じもので、トランプ氏はトランプゲーム(ポーカーゲーム)を楽しみながら、次の1手をツイートしている。
日本の国会の空転は見るも無残な状態
一方、日本の国会の空転は見るも無残な状態です。1950年の朝鮮戦争、約70年ぶり東アジアの地政学的な大変動が起こり、日本の安保問題を揺るがせているのに、2年以上にわたて『コップの嵐』の森加計問題などで「いった」「いわない」とエンドレスなあげ足取りに終始しているテイタラク。国際政治環境は猛烈にスピード変化しており、日本はすっかり置いてきぼりになっている。「死に至るガラパゴスジャパン病」に陥っている」。
「今後のトランプの関税貿易戦争に習近平主席がどう対応するか、注目されたが、4月10日、中国・海南省で開催中のボアオ・アジアフォーラムで基調演説し習近平氏は中国市場の対外開放を強力に推し進めると強調した。トランプ氏の対中批判に応えたもので
➀「中国は黒字を追い求めておらず、自動車の輸入関税などを引き下げる。
②市場開放策として、外資系企業に対する出資規制、銀行など金融分野の緩和などを行う。
③知財侵害の取り締まり強化に向け制度、体制の拡充をするーなど米国の保護貿易転向に対して、中国が国際的な自由貿易体制の守護神になると表明した。アメリカのお株を奪った形だね」
「中国の政治史をみると秦の始皇帝が中華統一を成し遂げたのはBC221年のこと。それから2千年余り。今回の全人代で習近平氏は国家主席の任期制限を撤廃し、毛沢東を上回る「終身独裁」の地位についた。習主席と王 岐山国家副主席による事実上の「習・王終身体制」に移行したのです。
その3月全人代の当日、北京では季節はずれの雪が舞った。春の雪は「瑞雪」(ずいせつ)と呼ばれる吉兆だが、北京当局がわざわざ降雪機を使って降らせた人工雪で権威づけをはかった。
習主席は「党がすべてを指導する」毛沢東時代に戻ったことを宣言、国務院官僚の手から外交、経済の実権を奪い、中国中央テレビ(CCTV)など電波メディアを統合して党中央宣伝部直轄にした。年齢制限のあった党規約も変えて僚友の王岐山氏(70)を実力国家副主席に据えて、対米交渉をすべて任せる方針。また、中学校の同級生で政治局委員に昇格したばかりの劉鶴氏を副首相に抜擢し、習政権2期目の経済政策はこの王氏と劉氏のコンビに任せる独裁体制を気付いたのです」
習近平の唱える『中国の夢』(強中国夢)
「習近平氏の唱える『中国の夢』(強中国夢)「中華民族の偉大なる復興の実現」は19世紀の清朝末期に西欧各国に侵略された苦い歴史を教訓にして、それ以前の漢民族主体の超大国「明王朝」(1368年 – 1644年)の再来を目指している中華思想の再現です。
決して国際主義でも欧米の主導した国際秩序を守ることでもない。「世界の工場」として発展し、2030年代には米国の経済的覇権(GDP世界一)を凌駕し、世界最大の経済大国になって『一帯一路』(陸海のシルクロード)により中東、ヨーロッパ、アフリカなど世界各国に中国製品を輸出入して経済の覇権をにぎる。台湾、東シナ海、尖閣列島などの領有権、海洋権を核心的利益として主張し軍備を増強しているのです」
「習近平氏が国際主義、自由貿易を守る主張しも、基本政策の『中国の夢』は変わりません。その一国中国経済主義はトランプの「米国第一主義」と同じもので決してオープンシステムではない。周辺弱小国には強権的・札束外交で利権獲得する「植民地主義的行動」で「明王朝の復活」を夢見ているのです。
「独りよがりの素人大統領トランプ氏」は中国流の権謀術数に巧けた金正恩を上回る習近平氏の外交術にだまされる可能性が高いのではないか、と危惧する。日本はトランプ、習近平の暴君の独裁的政策に右顧左眄することなく「TPP」を堅持して、EUと協力して自由貿易体制を堅持する旗手に安倍首相にはなってもらいたいものです」。
「解任好き」トランプはロシア疑惑の特別検察官もクビにするのか
「ニューズウイーク(4月11日)によると、FBIがトランプ大統領の顧問弁護士の関係先を捜索したこと憤慨したトランプ氏は大統領はロシアゲート事件の担当者モラー特別検察官の解任を検討している、といわれる。
ホワイトハウス法律顧問の2人がモラー特別検察官を解任すれば司法妨害で起訴される可能性が高まる、ローゼンスタイン司法副長官にモラー氏解任を命じるためには「正当な理由」が必要だと説明しているものの、効果はほとんど見られないという」
『この件についてはすでに、3月22日にトランプ米大統領の個人弁護団のトップであるジョン・ダウド氏が辞任している。辞任の理由はトランプ氏が19日にトランプの疑惑否定のジョセフ・ディジェノバ氏を新たに弁護団に加えたことへの反発です。トランプ氏はもともとモラー特別検察官を解任したがっており、堪忍袋の緒を切って「お前はクビだ」と怒鳴りたいのでしょうが、そうすればいよいよ弾劾裁判を招き「自ら墓穴を掘る」ことがわからないのでしょう』。
(「モラーの捜査チームはフェアでプロフェッショナルな仕事ぶりだったととの評判です。与党の共和党にはもラー検察官を擁護する声が多い。トランプが本気でモラーを解任したら、政治的な泥仕合になり、中間選挙で共和党の敗北、自らの弾劾裁判への道のエスカレータに上ることになるのではないか」。
「それにしても国際ルールを破壊する無茶苦茶な暴走老人、認知症と疑われるトランプ米大統領と終身独裁者となった中華人民共和国皇帝の習近平国家主席、核をオモチャにして世界を脅す北朝鮮人民共和国の金正恩独裁者、ロシアのプーチン独裁者に囲まれて右往左往しているお坊ちゃん・丸腰し首相を「民主主義国家体制」を破壊する「独裁者」と呼んでいる野党の連中の国際認識は一体どうなっているのかね、全く井の中の蛙だね(嗤)」
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