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★『アジア近現代史復習問題』・福沢諭吉の「日清戦争開戦論」を読む] (5)「北朝鮮による金正男暗殺事件をみていると、約120年前の日清戦争の原因がよくわかる」●『他を頼みにして自らから安心す可らず  』 (「時事新報」明治27年5月3日付)★『支那帝国の中心は既に腐敗した朽木に異ならず、地方も各省もバラバラの施政で、日本の封建時代の末路と同様に亡国の状態だ』

      2017/02/27

 ★『アジア近現代史復習問題』・福沢諭吉の「日清戦争開戦論」を読む』(4)

ー「北朝鮮による金正男暗殺事件をみていると、約120年前の日清戦争の原因がよくわかる」●

➀ 『支那帝国の中心は既に腐敗して朽木に異ならざるのみか、地方政の如き、

各省互に施政を殊にして、国中の人心一に帰すること能はざる其有様は、

我封建時代の末路と同様』

②『 有事の場合の用意こそ肝要なのに、対朝鮮の方針さへも定まらず、

かえって蔭ながら支那のカを頼みにして安心している無策。

『他を頼みにして自らから安心す可らず  』 (「時事新報」明治27年5月3日付〕 

我輩が朝鮮政略を論ずるは、支那の保護を喜ばずして其干渉を脱せしめんがために非ず。

又我野心を逞しくしてその土地を蠢食せんがために非ず。目下の形勢より卜(うらなう)すれば朝鮮の地が他の強国の手に落ちるは必然の成行にして、若しも一衣帯水を隔つる対岸の連に強大なる軍港の設立を見るが如き場合もあらば、

  我立国のために容易ならざる次第にこそあれば、今日に当たりあらかじめ彼に対するの政略を一定し、若しも彼国にして独立し得べきものならばその独立を助けて、 以て他の窺狙を防ぐこと勿論なれども、いよく救う可らざるに於ては一旦の変に際して我国利を傷けざるの用意肝要なりとの趣旨に外ならず。

立国上の正常防禦に止むを得ざるの手段なれども、或は説をなすものあり、 日く、朝鮮の形勢は則ち然りといえども、支那は恰も之を属国視して、鋭意その保護に勉むるの最中、もしも我政略にして此方針に出るときは、衝突は見る可らず、

即ち東洋の平和を害するものにして、双方の利に非ざるのみか、朝鮮を彼保護に一任して、日本に於ても暗々裡に之を承認するときは、他の強国といえども之に手を出すこと容易ならず, 而して支那が東洋に大志なきは明白の事案なれば、この方針こそ寧ろ安心なれとの説もなきに非ずして、今日の実際を見れば恰、も此事を実ならしむるの趣あるが如し。抑も支部は東洋の大国にして容易に侮る可らず。

 

殊に朝鮮の存亡に関して利害を感ずることは我国と同様のみか、その歴史より云へば寧ろ一層密接な関係にあるが故に、之を保護するについては特に熱心ならざるを得ず。

  即ち之を属国視する所以にして、現に事の任に嘗る李鴻章の如き、最もその保護に注意して、或は本国南方の地方の如きは多少の紛争あるも強ひて意に介せざれども、 朝鮮の利害に至りては、これを視ることその直轄なる直隷省の事に於けると同様にして、内政の処分より外交の始末に至るまで、一として預り知らざるはなしと云ふ。

袁世凱が朝鮮に対する挙動のいかにも無遠慮にして憚る所なきが如きも、李の意中より出るものに外ならざれば、若しも李の勢力永く今日の如くにして、その方針も常に変ずることなく、然かも其背後には更に一大強国の隠然声援の地位に立つの事実ある以上は、他国が朝鮮に干渉を試るが如き、容易に許さゞる所にして、このところ先づ以て無事なるが如し。

  事情かくの如くなれば、今、日本が対朝鮮の方針を一定して着々これを励行するときは、勢、支那との衝突は免る可らず。平地に波を起すに異ならずして無益の沙汰なれば、無事一偏を旨として目下の成行のままに一任するこそ得策なれとて、引込思案に安心すれば安心す可きなれども、我輩は我立国の利害上より観察して決して斯る安心に安んずること能はざるものなり。

 

李氏の如きは成程有力の政治家にして、飽までも朝鮮を保護するの熱心はあることならん。

又その背後に一大強国の声援も事実ならんといえども

更に眼界を大にして支那帝国の有様を見れば、中央政府の政権は古来、全く満洲人の掌握する所にして、絶えそ新空気を容れざるが故に、制度文物依然たる古代の東洋流にして毫も改進々歩の実を見ず。

時として外に対しては無遠慮の挙動を演じて他の耳目を驚かすこともあれども、これは彼国に固有なる倣慢の気風より出るものにして驚くに足らず。

中心は既に腐敗して朽木に異ならざるのみか、地方政の如き、各省互に施政を殊にして、国中の人心一に帰すること能はざる其有様は、我封建時代の末路と同様にして、所謂尾大ふるわずの勢なきに非ず。

斯る国勢を以て今の列国競争の世界に永く独立を維持するは容易ならざる次第にして、現に西南辺隅の地方の如き、常に他国の窺ふ所と為りて、動もすれば蠢食を被るの患あるに非ずや。

若しも一旦、その中原に事あるに当たりて外より機会に乗ずるものあるときは、事態容易ならずと云う可し。

即ち今後の成行を想像すれば支那帝国は果して自家の安寧を永久に保つことを得るや否やも甚だ覚束なし

自家の自立なおかつ疑はしき者が隣国を保護せんと云ふ、頼むに足らざるなり。  

思ふに西洋の諸強国が東洋に志を懐くは一朝一夕の事に非ず。而して朝鮮半島の如き諸強国の共に着目する所なるは、彼巨文島の事件を見ても知る可し。

http://sinojapanesewar1894.com/370ktonghak.html

lhttp://www.maesaka-toshiyuki.com/war/337.html

http://www.maesaka-toshiyuki.com/history/372.html

事情切迫して必要の場合に至れば老大国の保護、果して何の用をなす可きや。

朝鮮八道は恰も無人の境にして、一朝の機会に諸強国の占領する所となる可きのみ。

本来、日本立国の利害より云へば、単に朝鮮政略のみならず、支那に対するの方針をも改め一定して、有事の場合には自から進んで大に為すの用意こそ肝要なる可きに、対朝鮮の方針さへも定むること能はずして、却て蔭ながら支那のカを頼みにして安心す可しと云ふ。

我輩の甚だ感服せざる所なり。                             〔五月四日〕

 - 人物研究, 戦争報道, 現代史研究

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