日中北朝鮮150年戦争史(10) 日清戦争の発端ー陸奥宗光の『蹇々録』で読む④日清戦争の原因の1つとなった『東学党の乱の実態と朝鮮事情』〔明治26年6月4日 時事新報』(朝鮮内政の悪政、無法、混乱と財政の紊乱は極まれり)ー現在の北朝鮮と全く同じ
2016/07/12
日中北朝鮮150年戦争史(10)
日清戦争の発端ー陸奥宗光の『蹇々録』で読む。
日本最強の陸奥外交力③ー
日清戦争の原因の1つとなった東学党の乱』
朝鮮内政の悪政、無法、混乱と財政の紊乱は極まれり
『東学党の乱の実態と朝鮮事情、〔明治26年6月4日 時事新報』 .
朝鮮の東学党は一時解散したが、その勢いすこぶる猖獗にして.決して軽視すべからざるものあるがごとし。
目下同党は主に忠清道報恩の辺に在るよしなれどもども、慶尚道の聞慶にして、その党に入るものはいずれも頭に青巾をもて目印となし、既に間慶付近の地方に於いては、官府の倉を破りて兵器を奪いたることもあるよし。
勿論、その兵器とは弓箭(ゆみや)、錆刀の類なれば、実際の用には適すべからす、何も恐れるに足らざるも、ひとたびその仲間に投じて青巾の目印を付くるときは、役人輩はこれをは近寄らず、下がって納税を促される事もなく、
至極気楽なる故に、地方の豪家などにもこれに入るものありて、次第に四方に蔓延し、既に幾万人の多くに及びたりという。
これよりさき、朝鮮政府は状況視察のために魚允中氏を,暗行御史に任じて同地方に出発せしめたり、そもそも暗行御史は一種、特別の役目にして国王殿下より直かに命令を受けて国内の州郡を微行し、地方政のいかんを窺い、民間の苦楽を察して国王に報告するのみならず、実際に生殺与奪の権を育して、その処置に就いては政府の大臣と雖も嘴(くちばし)を容れることあたわざるものなり。
かくて魚允中は視察の上、東学党は力を以って威服すべからず、恩を施して。これせ懐(なず)くべしとの意見を上申せしに、韓延の廟議は強硬を主として、允中の軟論を容れざのみか、或いは允中はひそかに賊に通ぜり、之が疑いを懐くものさえもなきにあらずして、断然討賊の令を下し、1大隊400人の兵は既に京城を発して賊地に向かいた由なるが、
さて、その400人の兵はいかな者なりやと云うに、その名こそ堂々たる官兵なれども、平生の衣服さえ十分ではない上に、本来、一定の規律さえなきが故に
ひとたび地方に出ずれば、脅迫、掠奪到らざる所なきの常態なり。
青巾の賊はそね勢い猖獗なりと云うも、ただ空手にて横行するのみなれども
官兵はこれに反し、相応の武器を所持して乱暴を逞しうすることなれば、人民のこれを怖れること賊よりもはなはだしく、およそ官兵の過ぐる所は老幼婦女ことごとく荷担して逃るるの有様なりと云う。
人民の難渋想い見るべし。こうして東学党の実相はいかんと云うに、今を距ること32年、白巾の賊なるもの起り、あたかも今回の騒動と同様にして一時猖獗を極めたれども、元来烏合の衆にして、統率の首領なかりしが故に、官兵のために破られ直ちに鎮静したることあり。
今度の青巾の賊も果して烏合の衆なれば深く患うに足らざれども、一概にしかりとのみ見るべからざるものあるは外ならず、その
党より政府に差し出だしたる請願書の中に、京城在住の日清商人を
開港場の居留地に退去せしめたし云々の個条を掲げたるの1事なり。
もしも真実に事理を解せざる頑民輩の集合体ならんには、ただ一途、
外人の排斥を唱うはずなかりしに、しからずして-開港揚に退去せ
しむべしなど、その輩に似合わざる穏当の口気あるより見れば、
或いはこれが謀主たるものありて、ひそかそかに策を授けるにあらざるやずとの疑いもなきにしもあらず。
兎に角に注目すべきは、退去云々の1事にして、もしも果して、今回の青巾賊は前年の白巾賊と同視すべからずして、今の韓延のため容易ならざる大患と云わざるを得ず、我輩は今後の挙動に就いてはこれをトせんとするものなり。
一方には東学党の形勢容易ならざるその上に、現政府の内情をいかんというに、財政の困難は既に極点に達して、困難というよりもむしろ紊乱と称して可なるがごとし。
造幣局の無茶苦茶ぶり、国王の所得になる
その例を申せば、京城に典嚢局なるものあり、これは国王殿下直轄
の造幣局にして、国内に通用せしむべき銅銭の鋳造に従事し、この収益は国王の所得に帰するものの由なるが、
ここにまた平安道の平壌に一の鋳銭所あり、もっぱら粗悪なる銅銭を鋳造するの場所にして、政府にては何故にかかる怪しき所行を許すやと尋ぬるに、
なんぞ図らん右の鋳銭所は、王妃殿下の所有にして、同所の監司閔丙爽氏がこれを司り、改造のために利す収益は王妃の手許に納むるものなりと云う。
驚き入りたる次第なれども、朝鮮人はこれを怪しまず、白日青天にあたかも政府の特権を以って悪銭を造るが故に、正当なる旧銅銭は次第に隠れて国中ただ悪銭の蔓延を見るのみ。
或る外国の商人などは、旧銅銭を潰して地金の姿となし、右の鋳銭所に売却して非常の利を得るものもあるよしなるが、当局者は悪銭の改造に満足せず、更に鉄銭を鋳造せんとの計画がありて、既に日本に銑鉄の注文をなしたりと風聞するものあり。
通貨の性質かくのごとく粗悪なるに至れば物価の騰貴するは自然の勢いにていかんともすべからざるものなるに、政府は威力を以ってその騰貴を禁じ、また悪銭の授受を嫌うものは罰に処する等、圧制到らざる所なきを以って、人民の困難苦痛一方ならず、商売取引もほとんど行われざるの姿なりと云う。
財政の紊乱極まれりというべし、国内の始束既にかくのごとし。
朝鮮立国の未来を想像すれば、はなはだ覚束なき次第なれど.未来の事は兎も角として、差し当り我が国人の注意すべきは日本人民の安全を保護するの一事なり。
かの同の事情、右の通りの次第なれば、イツ何時いかなる事変を生じて、我が人民の生命財産に危険を及ぼすやも図るべかからず予め保護の手段を講ずること必要なるべし。
兵隊を京城に置いて不虞に傭うるは最も安全の計なれども、天津条約の存する以上致し方なし。
或いは多数の巡査を派遣するも可なれども、こしれにも自ら員数の限りありたれば、警備艦の数を増もて有力なる軍艦一、三隻を常に仁川.その他に碇泊せしむることともなれば.いささか意を強うするに足らんか。
兎に角に不虞の備は、決して怠るべからざるなり。
北朝鮮ミサイル開発問題
http://news.yahoo.co.jp/list?t=north_korean_missiles
北朝鮮ミサイル、空中爆発か 潜水艦発射に注力
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/world/article/257772
北朝鮮の金正恩氏ら11人を人権侵害で制裁対象に、米国
http://www.afpbb.com/articles/-/3093174
米国が北の人権問題報告書を相次ぎ発行、圧力を強化
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/07/08/2016070801000.html
関連記事
-
-
記事再録/日本恋愛史における阿部定事件ー「私は猟奇的な女」ですか「純愛の女」ですか
2015/10/10 /日本恋愛史における阿部定事件ー「 …
-
-
終戦70年・日本敗戦史(73)『支那事変も含め「大東亜戦争」と呼称』朝日〕「国民大会で東條首相、長期戦の決意強調」(毎日)
終戦70年・日本敗戦史(73) 大東亜戦争開戦の「朝日,毎日などの新聞紙面か …
-
-
日本リーダーパワー史(941)~「ノーベル賞とジャーナリズム」★『社会を根本的に変えるのは科学技術の進歩とイノベーション』★『最も必要な教育とは科学教育であり、論理的な思考力である』
日本リーダーパワー史(941) ノーベル賞とジャーナリズム 今年のノーベル生理学 …
-
-
明治150年歴史の再検証『世界史を変えた北清事変⑧』-服部宇之吉著『北京龍城日記』(大正15年)より④』★『服部の目からウロコの中国論』●『科学的知識は皆無で迷信/虚説を盲信して夜郎自大となった清国。一方、西洋人は支那を未開の野蛮国として、暴虐をくわえて義和団の乱、北清事変に爆発した』
明治150年歴史の再検証『世界史を変えた北清事変⑧』 ここにおいて、また例の …
-
-
『Z世代のための<日本政治がなぜダメになったのか、真の民主主義国家になれないのか>の講義④『憲政の神様/尾崎行雄の遺言/『太平洋戦争敗戦で政治家は何をすべきなのか』<1946年(昭和21)8月24日の尾崎愕堂(96歳)の議会演説ー新憲法、民主主義についてのすばらしいスピーチ>』
『オンライン/日本興亡史サイクルは77年間という講座②』★『明治維新から77年目 …
-
-
新刊「日本史有名人の晩年」新人物往来社編 新人物文庫(667円)を出版しました。
新刊「日本史有名人の晩年」新人物往来社編 新人物文庫(667円)を出版しました。 …
-
-
日本リーダーパワー史(291)原敬のリーダーシップ「富と名誉は諸君の取るに任せる。困難と面倒は自分に一任せよ」③
日本リーダーパワー史(291) 「日本最強の宰相・原敬のリーダーシ …
-
-
日本メルトダウン( 983)『トランプ次期米大統領の波紋!』●『トランプが米軍を撤退させても日本の防衛に穴は開かない(田岡俊次)』★『なぜTPPが挫折すると日本は大ピンチなのか』●『中国がトランプ当選で自国の政治に自信を深める根拠』●『TPPへの米国参加は「不可欠」日本など7カ国貿易相会合で一致』★『 TPP代わる枠組み必要、元外務審議官・田中均氏』◎『TPP発効しない場合、首相「東アジア連携が軸に」』
日本メルトダウン( 983) —トランプ次期米大統領の波紋 …
-
-
片野勧の衝撃レポート(69)戦後70年-原発と国家<1957~60> 封印された核の真実 「戦後も大政翼賛会は生きていた」-「逆コース」へ方向転換(下)
片野勧の衝撃レポート(69) 戦後70年-原発と国家<1957~60> 封印され …
-
-
<イラク戦争とメディア> 『グローバルメディアとしてのアラブ衛星放送の影響』―アルジャジーラを中心に(下)ー
静岡県立大学国際関係学部紀要「国際関係・比較文化研究第2巻第2号」〈2004年3 …