百歳学入門(95)「史上最高の天才老人<エジソン(84)の秘密>10ヵ条③ー「天才は1%の霊感と99%が汗である」
2018/02/03
百歳学入門(95)
「史上最高の天才老人<エジソン(84)の秘密>③
⑤「天才は1%が霊感(インスピレーション)、99%が汗(パースピレーション)」
⑥「何事もやり遂げられる方法は、忍耐強い観察を続ける努力である」
⑦世界中から材料を探し、何でも顕微鏡で調べて、実験を繰り返せ。
前坂俊之(ジャーナリスト)
<以下の出典は雑誌『サライ』1991年9月19日号、特集・エジソン流学問のすすめ>
第5条―「天才は1%が霊感(インスピレーション)と99%が汗(パースピレーション)である」は最も有名である。
第6条ー秘書のインサルが天才について質問した時、「99%はうまく行かないことを知ることで、他の1%が天才かも知れない。何事もやり遂げられと思う唯一の方法は、忍耐強い観察を続ける努力である」
トーマス・エジソン(1847-1931)。アメリカの発明家。
オハイオ州ミラン生。父は木材・穀物商。十二歳のとき列車の新聞売り子になり、一八六三年から五年間、電信技手として全国を旅した。六九年にニューヨークに出て、発明家として成功し、七六年にメンローパーク、八七年にはウエストオレンジに研究所を作って、世界中を驚かす発明を次々に発表し。蓄音機・白熱電灯・映画をはじめ、電信・電話、送配電、化学工業など発明は多方面にわたり、生涯にとった特許は空前絶後の1093点にものぼり、「世界の発明王」をうたわれた。
エピソードが多すぎる
以下の『エピソード』は、すべてマシュウ/ジョセフソン著/矢野徹ほか訳『エジソンの生涯』新潮社、1963年)による。
エジソンはあふれる好奇心と思い立つとすぐやる性格、いたずら好きは子供の時分からで、よく大人を困らせた。5歳のころ母に、「ガチョウはなぜ卵の上に坐っているの?」ときき、「暖めるとひなが生まれるのよ」と教えられた。その後、数時間、彼の姿が消えて、母が心配してさがしたところ、納屋の一隅に卵をいっぱい集め、上にうずくまってあたためていた、という微笑ましいエピソードが残されている。
また、近所の人が風船に水素を詰めて飛ばすのを見た少年エジソンは、人のからだの中にガスをみたせば浮き上がるかもしれないと考え、遊び友達をおだてて、泡の出る粉ぐすりを大量にのませた。
そのため友達はひどく胃をこわし、エジソンは母から鞭打ちのお仕置を受けた。
◇八歳のとき、牧師夫妻の経営する小学校へ入ったが、教師は頭ごなしに教え
たことを覚えこませ、きかないとムチをふるう怖い先生だったので、エジソンは反抗して、成績もビリまで落ちた。教師が「あいつの頭は腐っている」と言ったのを耳にして、泣いてとんで帰り、もうあの学校へは行かないと言い
張った。母も教師のやり方に怒って息子を退学させ、以前、教師をしていた体験を生かして自分で教育したという。
◇十二歳のとき列車の新聞売り子になり、一八六二年の夏、マウントークレメソトの駅で、駅長の三歳の男の子が線路の上で遊んでいたところ、入れ替え操作中の貨車が無人のまま走ってきた。間一髪でエジソンが子どもをつかんで向こう側へ倒れこみ、命を救った。感激した駅長はお礼のしるに、エジソンに電信の技術を仕込んでくれた。
◇一八六九年。22歳となったエジソンは発明家を志してニューヨークに乗りこんだが、まったくの一文なしだったので、金相場会社の友人のところにころがりこみ、内緒で会社の電池室のベッドで寝泊まりした。
当時は金の投機が過熱状態にあり、時々刻々に変る金の相場を知らせるため、
電気表示機が大活躍していた。
エジソンが泊まりこんで3日目に、表示機が故障した。仲買人たちが直接情報を得ようと会社に使いを出し、数百人が入り口で押し合いへしあい大混乱になった。エジソンは冷静に二時間足らずで修理した。社長は即座にエジソンを高給で社員に雇った。
一八七一年にエジソンは十六歳のメアリーと結婚した。式のあと彼は夕食までには帰るといって工場へでかけたが、仕事に夢中になって花嫁のことはすっかり忘れてしまった。
夜中の十二時になって友人がかけこんできて、「トム、こんな遅くまで、何をしているんだ?」ときいた。エジソンは、「今何時だ?」ときき返し、もう十二時だといわれて、夢から覚めたように「帰らにゃならんな、今日は結婚したんだから」と言った。その間、花嫁は、はじめての新居の中にひとりぼっちで、こわくて涙を流しながら待っていた。
第7条-しらみつぶしに世界中から材料を探す。そして、何でも顕微鏡で調べて、実験を繰り返した。
エジソンの発明の中でも【白熱電球】は、そのもっとも大きいものの1つである。
エジソンが白熱電球のフィラメントの材料に、日本の竹を使って成功したことは有名である。彼は世界中から6000種以上の植物を採集し、実験したというから、「天才は1%が霊感(インスピレーション)、99%が汗(パースピレーション)である」という格言のねばりの実行そのものである。
当初、綿糸を使ったフィラメントで40時間の持続に成功するが、これだと時間が短く実用にならない。白金を使った実験では50時間。さらにその灰を練り直し、最終的に200時間まで持続させた。しかし、白金では経済的に採算が合わない。
手当たり次第に実験を重ねていたが、自宅にあったヤシの葉で作ったウチワに、細長く切った竹のふち取りがあり、これをフィラメント用に炭化させると、それまでのものより数倍も効果があった。エジソンは直ちに竹を探しに日本へ人を派遣し、京都・八幡市のものを手に入れて、実験を繰り返した。
エジソンはその京都産の竹を使い、1881年1月4日、2450時間の持続時間を持つ電球を作ることに成功した。 1881年、エジソンは電灯関係の特許を57件も取得。その中には、ソケットの発明も含まれていた。
1887年の末に、エジソンが最初の白熱電灯の実験に成功した時、「電気発生の機械を持つ以上、私は好きな実験ができる。ここメロンパークには、発電機や実験用設備を数多く持っているので、他の発明家に勝てると思う」と語った。
結局アメリカではタングステンに取って代わられるまでに12年間にわたり、
竹のフィラメントが使用された。
つづく
関連記事
-
-
『Z世代のため百歳学入門』★『世界最長寿のギネス彫刻家は平櫛田中(107歳)です」★『世界最悪の日本超高齢・少子減少社会』の逆転突破力・彫刻家・平櫛田中翁の気魄に学ぶー『今やらねばいつできる、わしがやらねばだれがやる』★『50,60洟垂れ小僧、70,80人間盛り、100歳わしもこれからこれから!』
2019/03/02 「知的巨人の百歳学」(144)の記事 …
-
-
日本世界史応用問題/日本リーダーパワー史(273)-『ユーロ、欧州連合(EU)の生みの親の親は明治のクーデンホーフ光子(青山光子)①』
記事再録/2012/07/01 / 日本リーダーパワー史 …
-
-
「今、日本が最も必要とする人物史研究④」★『日本の007は一体だれか』★『日露戦争での戦略情報の開祖」福島安正中佐➄』★『三国干渉』後に川上操六はスパイ大作戦をどう組み立てたか『日英同盟締結に向けての情報収集にエース福島安正大佐 をアジア、中近東、アフリカに1年半に及ぶ秘密偵察旅行に派遣した』
2019/09/29 日本リーダーパワー史(673) 『三国干渉』と …
-
-
(まとめ記事再録)『現代史の復習問題』★『ガラパゴス国家・日本敗戦史➀』150回連載の1回~15回まで』★『近衛文麿、東條英機の手先をつとめたのは誰か』●『「近衛内閣、東條内閣はどうして日米開戦に突入したか」』★『野田に決まった民主党総裁選の無惨、じり貧』★『(リーダーシップの欠如で2度あることは3度ある。 日本人の 精神的な構造欠陥!」』●『「 ロジスティックで敗れた太平洋戦争」『1千兆円の債務を抱いて10年後の展望は?」』●『大東亜戦争下の毎日新聞の言論抵抗・竹ヤリ事件の真相③ ―東條首相は「毎日」の廃刊を命令』
(まとめ記事再録)『現代史の復習問題』★ 『ガラパゴス国家・日本敗戦史➀』150 …
-
-
日本メルトダウン脱出法(877)『支援物資が届かない!熊本が陥った「悪循環」 』●『熊本地震で、善意が「第二の災害」を引き起こさないために』●『「コンビニ3強」の覇権争い激化で 日本のライフラインが壊れる理由』●『「IoT」とは何か、今さら聞けない基本中の基本 モノのインターネットで何がどう変わるのか』
日本メルトダウン脱出法(877) 支援物資が届かない!熊本が陥った「悪循環」 …
-
-
速報(207)『日本のメルトダウン』『レヴィ・ストロースで読解くー日本にリーダーがいない理由』『ユーロ危機、三十年戦争の教訓』
速報(207)『日本のメルトダウン』 ●『レヴィ・ストロースで読み解くー日本にリ …
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(183)記事再録/★「英タイムズ」「ニューヨーク・タイムズ」など外国紙が報道した「日韓併合への道』⑯「伊藤博文統監はどう行動したか」(小松緑『明治史実外交秘話』昭和2年刊)①
2015/09/03   …
-
-
日本メルトダウン(1002)-ー [FT]トランプ政権の陣容は大いに疑問(社説)」●『米中関係:嵐の前の静けさ? (英エコノミスト誌)』●『トランプ経済で大打撃を受ける2つの国 通商・貿易政策を見ていくと』●『トランプ政権誕生という「逆説的外圧」は日本を変える大チャンスだ』●『中国一の富豪、トランプに先制口撃「2万人の米国人が失業する」』●『「2025年問題」をご存知ですか?~「人口減少」「プア・ジャパニーズ急増」 …9年後この国に起こること』
日本メルトダウン(1002) [FT]トランプ政権の陣容 …
-
-
国際コミュニケーションにおける通訳の役割>日本の通訳者の第一人者・小松達也サイマル・インターナショナル顧問の会見
<国際コミュニケーションにおける通訳の役割> 日本の通訳者の第一人者・小松達也サ …
-
-
日本リーダーパワー史(746)歴代宰相で最強のリーダーシップを発揮したのは第2次世界大戦で、終戦を決然と実行した鈴木貫太郎であるー山本勝之進の講話『 兵を興すは易く、兵を引くのは難しい。』★『プロジェクトも興すのは易く、成功させ軟着陸させるのは難しい』
●『アベノミクスも、クロダミクスも先延ばしを続ければ、 ハードランニング、亡国し …