知的巨人たちの百歳学(176)記事再録/「東洋のビール王」「大日本麦酒創業者」(アサヒ、サッポロビールの前身)・馬越恭平【88歳) 「健康10ヵ条」ー「2つの養生<体の養生と財布の養生とは怠るな>」 「四気の保持を忘れぬこと―元気、勇気、長生き(気長の意味) 、腹の落付き(沈静)の四つ」
/記事再録/知的巨人たちの百歳学(124)
「東洋のビール王」「大日本麦酒創業者」・馬越恭平【88歳)の「健康10ヵ条」ー
馬越 恭平(1844(弘化)-1933(昭和8) 88歳
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A6%AC%E8%B6%8A%E6%81%AD%E5%B9%B3
日本経営巨人伝⑪馬越恭平ーーー東洋一のビール王、宣伝王・馬越恭平『心配しても心痛するな』
http://www.maesaka-toshiyuki.com/person/3317.html
宿屋の養子から三井物産で名をあげビール業界を大合同させて君臨する。
馬越恭平は「東洋のビール王」といわれた。ビールの発祥は横浜だが、彼もまた横浜の三井物産支店長として世に出た。彼はここで物産の生糸輸出を手掛け、天性の商才に磨きをかけ、早くも横浜商界で頭角を現している。
彼は岡山の医家に生まれ、十三歳で大阪へ出、親類の播磨屋の世話になり、二十四歳で養子となってその家業の公事宿を継いだ。世が変わって明治三年、この宿に泊った益田孝
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%8A%E7%94%B0%E5%AD%9D
と出会い「西国立志編」一巻を与えられ、発奮して上京。
井上馨の先収会社と三井物産で冷遇にもめげず働き、明治十年抜擢されて前記の横浜支店長として大活躍した。
二十五年、重役に昇進した彼は、破産寸前にあった日本麦酒(エビスビール)を立て直すため派遣され、見事に再建させ、ビール事業家として天下に名をとどろくかせた。
同二十九年、五十三歳で三井をやめ、有名な四時間睡眠主義で社業に専念、陣頭に立って販路を開拓し、銀座にビアホールを開設して世間をアッといわせた。
こうして同三十九年、彼は札幌麦酒と大阪麦酒(アサヒビール)を誘い、3社の大合同を実現、大日本麦酒株式会社をつくり、自ら社長となり国産ビールの約七〇%を制した。
大正期には中国への工場進出、製ビン会社の増設等を進め、ついに東洋一の大会社たらしめた。彼は死ぬまで社長の座に君臨し、財界の元老として百を超える会社事業や公共事業に関係した。そして趣味の茶道の上にもその名を残し、八十八歳の高齢で長逝した。
健康10ヵ条
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、信仰心を養うこと。何宗教でもよろしいが、信仰心を養って、各自安心立命の生活に人らねばならぬ。
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心持を常に若くし、老成を気取らず、何事にも愉快に活動すべし
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心配すべし、心痛すべからず。
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、四気の保持を忘れぬこと。――
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、四気とは元気、勇気、長生き(気長の意味)、腹の落付き(沈静)の四つをいう。
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、毎朝早起きすること。但し、必ず適度の睡眠をとる。少時の居眠りもよし。
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毎日、適度の運動をすること。但し、何も特殊なものを必要としない。
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、飲食は控え目にし、また、つとめて美食の常用を避けること。
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禁煙。酒はよい。ことにビールはよい。
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、身体の養生と共に、身代(財布)の養生を怠らぬこと。
2つの養生<体の養生と財布の養生とは怠るな>
体の養生と財布の養生とは、けっして別々ではない。わたしはつねに体と共に財布の養生を心掛けてきたから、この年まで丈夫に働いてこられたというものだ。
この二つに、毎日気をくばって暮しておれば、無病息災、いつまでも元気で働きとおせるのである。
ところが、若い連中は(わたしとても同じであったが、)みんな体の養生も怠るし、財布の養生も忘れがちになる。
体をこわして財布をいためつけ、財布の腹くだりをさせては体の方までぐったりさせている。会社の出勤成績をよくしらべてみても、かぜ引きの多いものの財布は、いつもピーピーしていて、欠席の多い社員ほど、会計の前借り伝票が多いようだった。
体の養生をさせたいなら、財布の養生もさせなければならず、財布をふとらせたいなら、自分の体も病気せぬように注意しなければならぬら こいつは一方だけというわけに行かぬ。
健康の基本は、なんといっても二つの養生を心がけることにある。
lつは体の養生、2つは財布(さいふ)の養生である。
前者は入るを制し、後者は出ずるを制することで一応の養生は成り立つ。
財布のロを締めすぎても世渡りはできない、そこで、どちちもほどほどというケジメが大切で、これが上手にやれればおのずから健康は招来される。
体をいためては財布の養生もできにくいし、財布の不養生が体の不養生、心痛がいちばんこたえるーことにもなる。
物事はすべて「心配すべし・心痛すべからず」で、体の不養生で財布を心痛させ、財布の不養生で体の心痛を招くのがもっともよろしくない。
以下は、東大医学部教授・真鍋嘉一郎の話しである。
私は馬越恭平さんを戒めたことがある - 馬越さんは大茶人で、素人目には左程とも思われぬ茶さじや古茶碗を大切にされるが、そんなものを、どうし
てそうされるのですかと聞いたら、この竹べらや茶碗は、何百年前の大宗匠、大名人がこしらえた天下一品の物で、点茶手前の上にいろいろの法式を定めて、これを取り扱う際に万々粗略のないようにしておるのだとの返事、そこで私がすかさずいった。
お茶人さんが名器を丁重に取扱うわけは分かったが、およそ世の中に、人間は自分自身はど貴重なものはないはず、それだのに、古べらや古茶碗ばかり大事がって、自分の体を大事がらないのはどうしたものでしょうか。
あなたが大茶人なら、大茶人であるほど茶器同様、それ以上にも自分の体を大事にしてもらわなければ困る。医者のいうことを聞いて、老体を大事に取り扱ってこそほんとうの大茶人になれますよ、と。
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