前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『天才老人・禅の達人の鈴木大拙(95歳)の語録』 『わしは、過去のことは考えんな。いつも未来のことを考えておる』

   

『天才老人・禅の達人の鈴木大拙(95歳)の語録』
 
『わしは、過去のことは考えんな。いつも未来のことを考えておる
 
                  前坂 俊之
                (ジャーナリスト)
 
 
 
鈴木大拙(1870~1966、95歳、)
 
人間の生命は短い。何万光年という大宇宙の光の世界に比べればまさに一瞬にもならない。「あっ」という間にこの世は終わる。諸行無常。「今日一日」「現在一瞬」の生命。ゆえに「一日一生」である。
 
 中国禅の初祖達磨大師は嵩山の少林寺で面壁九年の歳月が流れた。ここで悟りの境地を開いた。536年10月に、この世を去ったが天寿150歳(?)と伝えられている。
達磨大師は、禅の道を以心伝心の心で門人に示した。万物唯心の一心に立ち、すべて、自心の観念、幻想と見た。
「貪欲に執着する心を離れれば、安心は直ちに得られるが、その安心にも執着してはならない」
 
達磨の悟りとは『緩(かん)・浄(じょう)・善(ぜん)』である。
 
 
①    ゆっくり行け。かたつむり、ゆっくり登れ、富士の山のごとく
②   清浄心でくらせ。貪欲をたち、清く、貧しく
   ―善意の心であたる、無心であれ。
       
 
東洋哲学に詳しいドイツの哲学者、シュプランガーは、「いま、世界に聖者が二人いる。アルベルト・シュバイツァーとダイセツ・スズキである」と言った。
                
 鈴木大拙は、北鎌倉の松ケ岡文庫に住み、あじさいを特に好んだ。90歳を過ぎても、その日常生活はかわらずかたつむりのごとし。毎朝6時前には起き庭に出て草花を愛でる。それから書斎で、朝のうちに四時間は、原稿の執筆を1日も欠かさない。
 
                             
 鈴木大拙はがアメリカで勉強していたころ、「ひじ、外に曲らず」という一語に出合って、電気が走った。
 「アメリカへ行って、ラサールで何か考えていたときに、(ひじ、外に曲らず)という一句を見て、ふっと何かわかったような気がした。うん、これでわかるわい。なあるほど、至極当り前のこと。なんの造作もない。そうだ、ひじは曲らんでもよいわけだ。不自由が自由なんだ」と悟った。
 
明日のことは明日、過去のことはすんだこと、現在のこの一瞬しか存在しない。あすのことをあれこれ心配しても仕方がないのじゃ。死ぬときが来ればだまってしねばよい。にっこり笑って死ねばよい。死を恐れるな。人類いまだかつて死ななかった人はいない。みんなが死んでいるのが、自分一人死ねない訳もない。全員死ぬようにできていることなどを思い煩うな。
 
 鈴木大拙は自然体で生き抜いた。
 
 「わしは、過去のことは考えんな。いつも未来のことを考えておる。あれをしなくてはならぬ。これをしなくてはならぬ - とな。わしは、死神と競争で仕事をする。やらねばならぬ、やらねばならぬ」
 
 

 - 健康長寿 , , , , , , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
『リーダーシップの世界日本近現代史』(292 )★『鈴木大拙は1945年『日本亡国の3つの『日本病』を上げた。そして、約70年後、大拙師のいう『日本病』を克服できなかったために、 3/11原発事故を引き起こし、日本は再び沈没中である。

  2012/06/19  日本リーダー …

no image
日本リーダーパワー史(717)(まとめ/イチロー伝説)「神となったイチロー」●『イチローは「1人ビートルズ」か「国宝」?」★「イチローは現代の「宮本武蔵」なり「鍛錬を怠るな<鍛とは千日(3年)、錬とは一万日(30年)の稽古なり>

 日本リーダーパワー史(717)   イチローはなぜキューバで「神」なのか マ軍 …

no image
『オンライン講座/ロケットの父・糸川英夫の加齢創造学』★『人間の能力は6,70歳がピーク』★『基礎体力と生産効率は関係がない』★『老人を食いものにする老人産業は日本だけ』 ★『若い内から継続的に自己啓発の習慣を身につける』★『若さの秘訣は自分に適当な負荷をかけること』★『人生の針をゼロに戻して、謙虚になること』

    2012/04/11 &nbsp …

no image
百歳学入門(99)『百歳挑戦・鎌倉バカ仙人のカヤック釣り日記』(9/15)60,70はなたれ小僧、生涯現役、カヤック人生」

       ★★『百歳挑戦・ …

[ Z世代のためのAI(人工知能)を上回る天才脳の作り方②」★『世界の発明王」エジソンは小学校で先生から「成績が悪い、劣等生だ」と叱られれ、以後、小学校には行かず、母親から「百科事典」(今でいうならGoogle)を基に教育を受けた。天才、リーダーは学校教育では作れない』★『秀才、優等生よりは、落ちこぼれ、落第生の方が天才になれるのよ』 

2018/02/03『オンライン講座/独学/独創力/創造力の研究➄』  …

『Z世代のための明治大発展の国家参謀・杉山茂丸の国難突破力講座⑬』★『杉山の「バカとアホウの壁」解説③」★『始皇帝の「バカ息子」の行動を学べというのではない。馬鹿阿房学の真の意味を理解せよ』

そこで、庵主(私)は諸君に勧めて辛棒や我慢や忍耐の好きになる方法の「馬鹿阿房学」 …

知的巨人たちの百歳学(143)世界の総理大臣、首相経験者の最長寿者としてギネスブックに登録された昭和天皇の叔父の東久邇稔彦(102歳)

知的巨人たちの百歳学(143) 世界の総理大臣、首相経験者の最長寿者として ギネ …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(52)記事再録/日本風狂人伝⑳日本最初の告別式である『中江兆民告別式』での大石正巳のあいさつ

『中江兆民告別式』での大石正巳のあいさつ      …

『リモートワーク/世界文化遺産/京都・東寺に参拝した観光動画(2017/12/28/30分)『京都・東寺の「五重の塔」を拝みに行く』★『境内に入り教王護国寺、毘沙門堂を見てまわる』★『庭園からの見事な「五重の塔(国宝)」の眺めに感動する』

     日本の代表的古寺百選(12/28)ー京都 …

no image
『 地球の未来/世界の明日はどうなる』ー『トランプ米大統領とホワイトハウスの内情を暴く『Fire and Fury』は全米でベストセラー1位に』★『ほら吹き、ナルシズム、攻撃的性格のトランプ氏の「精神状態」を専門家70人から「認知症検査」を求める声』

『 地球の未来/世界の明日はどうなる』 ドナルド・トランプ米大統領とホワイトハウ …