知的巨人の百歳学(157)/記事再録/鉄道王・根津嘉一郎(79歳)の「克己心」ー「己に克つ」ことこそが健康長寿法
知的巨人たちの百歳学(116)
根津嘉一郎(79歳)の「克己心」ー「己に克つ」ことこそが健康長寿法
根津嘉一郎 (初代)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%B9%E6%B4%A5%E5%98%89%E4%B8%80%E9%83%8E_(%E5%88%9D%E4%BB%A3)
「克己心」
人間も7、80まで生きたらいいだろうという人がある。私は意気地のないことをいうものだと大反対である。せっかく、この世に生まれてきたのに、それではあまりに情ない。人間はできるだけ養生をして、元気で働きつづけていれば、90 や100はむろん、130までは大丈夫と私は考えている。
少なくとも、それぐらいの意気ごみでなくちや長生きはできん。
私は別に健康法といったものはやっておらぬが、強いて申せば「己に克つ」ことがつまりは健康長生法の第一ではあるまいか。
たとえば、うまい物があればウンと食いたい。好きな酒ならウンと飲みたい。煙草もやめられぬ。また遊びたいだけ遊びたい。朝寝もしたければナマケもしたい。
そんなことで、どうして健康が保てよう。長生きができよう。私は若いころから弱く、婦人科以外の病気は何から何までやってきたのだが、すべて、己に克つことで、病気に勝ちぬいてきた。80をすぎていよいよの元気が自覚される。
「大欲と小欲」
あるところで、「人間も90まで生きられたらいいだろう」という話が出て、席上の大部分は、それは望んでもなかなか達せられまい、いや、70、80で大満足だという意見だった。
私はそれに大反対で・「80や90で死んではつまらぬ、どうでも100まで生きなきゃウソだ」といった。
みんなはそれは欲が深すぎると笑った。私は笑われようと、なんで
あろうと、100まで生きる欲をはって、せいぜい養生につとめている。
人間の養生は克己心を第一とする。なんでもしたい放題をしていては養生にならぬ。つまり長生をしようという大欲のためには、日常生活での小さな欲を制しなければならぬのである。じつをいうと、私は40ころまではあらゆる小欲に負けて、病気という病気は婦人病以外なんでもやって、人の見る目にもヒョロヒョロしていた。
やがて湧いてきたのが長生きの大欲、それで救われたのだ。
「心配ごと」
いろいろ心配事が相ついで起こってくることがある。その心配事に負けては、ついつい体がもたなくなる。食事がうまくない、胃腸のはたらきが弱く神経がたかぶる。むやみに怒りっぽくなる。
こんな場合、人は何か散歩をこころみたり、芝居や映画をみたり、ときには酒をあおることもあるようだが、とにかく静かに気を落ちつかせるのがいちばんよい。
私は心配事に対しては、その問題と真正面から取り組んで、少しでもそれから逃げるような態度はしない。
ぐっと丹田(下腹)にカを入れて、その際の最善最適の手段を考える。思わず深呼吸をすることもあるし、にきりこぶしをかためることもある。
いわば土俵の上の立ち合いで、その場で何もかもきめてしまう。自分でもこれがいちばんよい方法だと確信するので、あとへだらだら持ち越すことがない。そうして心配事は一切忘れさって、さっとまた別な事にうつる。食事も進まぬことはなく、夜もぐっすりよく眠られる。
関連記事
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(262)/ 『明治陸軍の空前絶後の名将・川上操六参謀総長④『徳富蘇峰による人物評「細かいことに気のつく人は、大きいことには気がつかぬが、川上大将はよく大方針(日清戦争の勝利、日露戦争の準備)を定め、有能な人物を適材適所に用いて縦横無尽に活躍させて<坂の上の雲>を達成したリーダーパワーは傑出していた』
・ 2010/02/04 記事再録<クイズ『坂の上の雲』 明治陸軍の空 …
-
-
日本の最先端技術「見える化』チャンネル『CEATEC JAPAN 2017』★『muRata(村田製作所)の「チアーリーダー部の応援ロボット」は可愛いいね』★『OKI(沖電気)の交通・防災・製造などの各種ソリューションを紹介』
日本の最先端技術「見える化』チャンネル 「CEATEC JAPAN 2017」( …
-
-
速報「日本のメルトダウン」(520)東京都知事選に細川元首相が出馬(1/14)「原発の問題は国の存亡に関わる問題」
速報「日本のメルトダウン」(520) &nb …
-
-
日本リーダーパワー史(599)『安倍・歴史外交への教訓(6)「世界史の中での朝鮮の保護国化(その後の日韓併合)のパーセプションギャップ①」
日本リーダーパワー史(599) 『安倍・歴史外交への教訓(6) 「世界史の中で …
-
-
★5日本リーダーパワー史(780)―『明治以降、日中韓(北朝鮮)の150年にわたる対立、紛争、戦争のルーツは『朝鮮を属国化した中国」対「朝鮮を独立国と待遇した日本(当時の西欧各国)」とのパーセプション、コミュニケーションギャップの衝突である』★『 明治9年の森有礼と李鴻章の『朝鮮属国論』の外交交渉の見事なすれ違いにルーツがある』
★5日本リーダーパワー史(780) 明治以降、日中韓(北朝鮮)の150年にわた …
-
-
日本メルトダウン(905)『老害・暴走老人が日本をつぶす』●『舛添以上の石原慎太郎』『二世三世/世襲議員が日本を潰す』★★「古館氏「政治的圧力」演出していた!」
日本メルトダウン(906) ①『老害・暴走老人が日本をつぶす』- 『読売・ナベツ …
-
-
知的巨人の百歳学(113)ー徳富蘇峰(94歳)ー『生涯現役500冊以上、日本一の思想家、歴史家、ジャーナリストの健康長寿、創作、ウオーキング!』
徳富蘇峰(94歳)ー『生涯現役500冊以上、日本一の思想家、歴史家、ジャーナリス …
-
-
日本経営巨人伝⑥・広瀬宰平 – 明治初期の住友財閥の『中興の祖』広瀬宰平
日本経営巨人伝⑥・広瀬宰平 明治初期の住友財閥の『中興の祖』広瀬宰平 <『宰平遺 …
-
-
『Z世代の日本ための日本インド友好史②』★『インド独立を助けた頭山満<ジャパン・タイムス(頭山翁号特集記事)>★『超人としての頭山翁』
2019/11/17 日本リーダーパワー史( …