前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

知的巨人の百歳学(138)-『六十,七十/ボーっと生きてんじゃねーよ(炸裂!)」九十、百歳・天才老人の勉強法を見習えよじゃ、大喝!』-儒学者・佐藤一斎(86歳)の『少(しよう)にして学べば、則(すなわ)ち 壮にして為(な)すこと有り。 壮(そう)にして学べば、則ち老いて衰えず。 老(お)いて学べば、則ち死して朽ちず』

   

      2018/04/15

  記事再録『百歳学入門』(222)

「学びつづけること」が心も身体も健康にする。 

「学ぶ人」は老いても衰えない

仕事と長寿との関係でいえば、芸術家でも僧侶でも学者でも文字どおり、息の長い″仕事をする人が多いように思われる。

 江戸後期の儒者・佐藤一斎(86)は、

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%90%E8%97%A4%E4%B8%80%E6%96%8E

数え年で八十八歳の長寿を得た高名な学者です。彼は当時としては隠居の年齢である六十歳を過ぎてから、語録『言志四録』に取組んでいる。

彼が、六十七歳から七十八歳までの十二年間に執筆した語録『言志晩録』(『言志四録(げんししろく)』の第三部)で、

 『少(しよう)にして学べば、則(すなわ)ち
壮にして為(な) すこと有り
壮(そう)にして学べば、則ち老いて衰えず
老(お)いて学べば、則ち死して朽ちず
と記している。

この最後の「老いて学べば、則ち死して朽ちず」は、紀元前六世紀の中国の思想家・老子の「死して亡びざる者を寿という」や、一斎が私淑(ししゅく)した中国十二世紀の儒学の権威・朱喜の「壮にして学ばざれば、則ち老いて衰う」といった言葉が出典と言われる。(松原泰道「戒語、早起きすべし」三笠書房、1998年 43P)

この『言志晩録』のこの語録を現代訳すれば

「人は少年のときに学んでおくと、壮年になって必ずそれが役に立ち、なにかをなすことができる。

壮年のときに学んでおくと、老年になっても、気力が衰えることはない。

老年になっても学ぶなら、それが人や社会の役に立つから、死んでもその名は朽ちることなく残る」

つまり、「若くして学べば、成人して何事か成し遂げるであろう、壮年にして学べば、年をとっても老いない、老いて学べば死んでも、その志は受け継がれていく」という意味ですが、まさに、このとおりではないでしょうか。

私は50歳になった頃、この語録を読み、心に電撃が走った。一挙に心に永久スイッチが入りこれを座右銘にして壁に掲げました。

思い立ったら吉日、 何か物事を始めようと思ったら、日を選ばずにただちに着手する、それこそが啐啄(そったく)の機である。求めている自分の気持ちと語録がピッタリ共鳴し心にスイッチオンが入り、「この道を行こう」と未来が明るくなりました。
50歳、60歳、70歳からでも一条の光(強い志)を持ってコツコツ学び、修行を続ければ、老いても衰えることなく、自分の人生をしっかりと歩むことが出来る。自力本願を確信したのです。
 

八十八歳で死ぬまで勉強をし続けた佐藤一斎の生涯

佐藤一斎は、江戸幕府が設立した儒学を中心に教える江戸湯島の昌平校(学校)の教授である。『言志四録』の第一部は 『言志録』で、彼が四十二歳から五十二歳までの約十年間の思索を綴っている。

第二部の『言志後録』は、一斎が五十七歳から約十年にわたって記した語録で、第三部は『言志晩録』で六十七歳から七十八歳にかけての十二年間に書きつづけた語録で、その晩年の人生論、養生訓、政治から経済、生活まで幅広くエッセイ風に書いたもので『講談社学術文庫』に全巻収録されています。

四部作の最終は八十歳のときに筆を起こし三年後の八十三歳のときに刊行された、いわば絶筆ともいうべき『言志耋録(てつろく)』 です。「耋」(てつ)とは「このうえない年齢までいった年寄り」といった意味の解説があります。具体的には八十歳の高齢者のことを指している。

102歳「忙しいよ」現役で畑仕事 沖縄・名護の新崎康信さん
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/235813

知的巨人の百歳学(100)ーギネスブック世界最長寿の彫刻家・平櫛田中(107歳)の長寿の秘訣は!『70、80、洟垂れ小僧、洟垂れ娘、人間盛りは100から、100から』★『今やらねばいつできる、わしがやらねば、だれがやる」』

http://www.maesaka-toshiyuki.com/longlife/31584.html

   

夢に年齢制限なし! 79歳の新入生、胸に秘めてきた美容師の夢へ一歩
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/164379?yahoo=y&utm_source=yahoo&utm_medium=http&utm_campaign=link_back&utm_content=related

 – 人物

 - 人物研究, 健康長寿, 現代史研究, 湘南海山ぶらぶら日記

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

「Z世代のための日中外交敗戦10年史の研究(上)」★「2010年9月の尖閣諸島周辺での中国漁船衝突をめぐる日中対立問題で、中国側が繰り出すジャブに日本側はノックアウトされた。」★「 明治のリーダー養成法とは ーリーダーは優秀な若手を抜擢し、10年、20年かけて長期的に育てよ」

日本リーダーパワー史(96)名将・川上操六⑭日露戦争勝利の忘れられた最大の功労者 …

no image
『100年目となったブラジル日系移民の歴史』

新橋演舞場上演          2007,11月       「ナツひとり」パ …

no image
★<人気リクエスト記事再録 2009/02/10>昭和戦後最大の冤罪事件の真犯人が語る『全告白・八海事件-これが真相だ(中)』(サンデー毎日1977年9月11日掲載>

2009/02/10   <サンデー毎日1977年9月11日掲載> 八海事件の真 …

『リモート京都観光動画』/心にしみる京都古寺百景ー足利尊氏の菩提寺『等持院」(右京区)の全記録

    心にしみる京都古寺百景ー足利尊氏の菩提寺『 …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(176)記事再録/★「国難日本史の歴史復習問題」-「日清、日露戦争に勝利」した明治人のインテリジェンス⑥」 ◎「ロシアの無法に対し開戦準備を始めた陸軍参謀本部』★「早期開戦論唱えた外務、陸海軍人のグループが『湖月会』を結成」●『田村参謀次長は「湖月会の寄合など、茶飲み話の書生論に過ぎぬ」と一喝』

   2017/05/11 /日本リーダーパワー史(805) …

『Z世代への百歳学入門』ー「最後の元老・西園寺公望(92歳)-フランス留学10年の歴代宰相では最高のコスモポリタン、晩年長寿の達人の健康十訓」★『 まあ生きてはいるがね、涙が出る、はなが出る、いくじがなくなって、 これも自然でしかだがない』

     2013/08/16 百歳学入 …

『オンライン講座/日本興亡史の研究 ⑩』★『児玉源太郎の電光石火の解決力➅』★『児玉は日露外交交渉は不成立の見通しを誤った』★『ロシア外交の常套手段である恫喝、武力行使と同時に、プロパガンダ、メディアコントロールの三枚舌外交に、みごとに騙されたれた』』

 2017/05/31  日本リーダーパワー史(818)記事 …

no image
日本リーダーパワー史(97)川上操六⑮ 日露戦争勝利の参謀本部スタッフ-勝つと断言する

日本リーダーパワー史(97) 川上操六⑮ 日露戦争のための参謀本部スタッフ    …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(314)★『戦略眼からみた世界サッカー戦国史』①ー『W杯ロシア大会と日露戦争(1904)の戦略を比較する。西野監督は名将か、凡将か➀-8回連載公開

                   前坂 俊之(ジャーナリスト) & …

no image
速報(311)『野田さんは国民生活理由で再稼動する 異常な人たち 』『政治の中枢は原子力から足を洗う気は無い小出裕章』

速報(311)『日本のメルトダウン』   ●『6月14日 野田さんは国 …