歴史張本人の<日中歴史認識>講義」➉袁世凱顧問の坂西利八郎 が「(支那(中国)を救う道」を語る➉
2015/01/01
日中両国民必読の歴史張本人が語る
「目からウロコの<日中歴史認識>講義」➉
袁世凱の政治・軍事顧問の坂西利八郎(在中国25年)
が「(100年前)支那(中国)を救う道」を語る➉
以下は坂西利八郎が1927年(昭和二)二月十八日に「大阪毎日新聞社講堂」
で行った講演の全文。<「日中友好の捨石、秘録 土肥原賢二」芙蓉書房
昭和47年」に収録>
他の一つの途は、先程から申しました日本国民、道徳の根本を同じゅうしている日本国民が支那を救う考えとなることである。
すなわち日本人は孔孟の教を支那から輸入して、道徳観念を養っているのであるから、善良なる多数の支那国民が窮状に陥っているならば、日本人自ら行って救わんでも、これを救うという考えをもって、すべての対支行動をとってしかるべしであろうと私は考えます。
もしこの日本国民八千万人の同情が、支那の善良なる国民に向って起されたならば、必ずや支那国民も大いに感に打たれて、恰度明治三十三年の北支事変(義和団の乱)の時に、わが軍の行動が頗る公明正大で、正義の軍であると礼讃されて、支那人から非常に日本親しむべしと叫ばれ、その結果日露の戦役の際、非常にわが国防作戦が授けられた如く、今後の国防作戦とはいいませんが、日本の経済発展の上に、殊に最も閏係の深い阪神地方との商業関係において、必ずや支那の国民も酬いることがあろうと、私は信じて疑わないの
ります。
それと同時に、日本人が支那人とよくつき合い、余裕のあるものはなるべく支部に行き、またなるべく長く滞在していただき、別して仕事のある人は、よく支那の言葉を研究し、支那事情を研究され、直接支那人と会うて話をし、先方の心が読める程度に、一人でも多くなっていただくならば、必ずやわが事情も彼等に諒解させることが出来ると信じて疑いません。
元来、日本国民と支那国民とは、国民性と申しますか、気質に余程遣いがあります。日本人はと角性急である。また日本では秩序が立っているから、性急にやっても好き結果を得られるのであります。
ところが支那では、最初に申上げた如く仕方がない、没有法子とか、不要緊とかいわなければならない周囲の状況であります。支那の人にも気短な人が決していないのではない。また成功を急がぬということが、支那人の特色ではない。
しかしながら、自然環境のいたすところ、そういう風な状況に余儀なくされている有様でありますから、日本人が向うの人は、のろいのろいといって、一緒に仕事をやる時にも焦ったり、成功を無暗に急いだりして、先方の事情を汲まないことがあっては、日本人と支那人との問がみっちり一緒になることが出来ない。
そこは双方持ちつもたれつ、思いやりをしてやらねばなりません。就中、先程申上げた如くこの教育の停滞ということにつき、もしお金を沢山持っている日本の方が、何か道楽に使うというならば、その金を向うに廻して、この未来の国民を、間違った道に行かないようにしてやることに、その金を投ずるということも一方法だろうと思います。
或は到るところに目安の社交倶楽部を作ることも一良法であります。日本と支那とが、かくの如く密接なるにも拘らず、北京にさえまだ完全な日支人の社交倶楽部というものが一つもない。
アメリカでも、イギリスでも、ドイツでもみなあるのに日本にはない。こうした事にかけても日本人は辛抱が足らないので作ってもすぐ壊れる。
が、内地には沢山の富をもって居られる方が多いと思いますから、一方には社交機関を設け、一方には教育機関を設ける。
そうして、善いものは善いものとし、悪いものは悪いものとして、善ければ誉める、悪ければ叱言がいえる資格を、日本国民が支那国民に対して出来たならば、日支親善が出来、日本国民の希望するところを支那人が容れ、支那人の要求するところを日本人が容れまして、ここに東洋永遠の平和が確立するということを私は確信するのであります。
おわり
関連記事
-
-
『オンライン講座/日本興亡史の研究⑧』★『児玉源太郎の電光石火の解決力④』★『明治32年1月、山本権兵衛海相は『陸主海従』の大本営条例の改正を申し出た』★『この「大本営条例改正」めぐって陸海軍対立が続いたが、児玉参謀次長は即座に解決した』
2017/06/01 日本リーダーパワー史(8 …
-
-
日本リーダーパワー史(839)(人気記事再録)-『権力対メディアの仁義なき戦い』★『5・15事件で敢然とテロを批判した 勇気あるジャーナリスト・菊竹六鼓から学ぶ②』★『菅官房長官を狼狽させた東京新聞女性記者/望月衣塑子氏の“質問力”(動画20分)』★『ペットドック新聞記者多数の中で痛快ウオッチドック記者出現!
日本リーダーパワー史(95) 5・15事件で敢然とテロを批判した 菊竹六鼓から学 …
-
-
日本リーダーパワー史(538)「FOREIGN AFFAIRS REPORT」(2015年1月号)からの『ゾンビ日本」への警告
[amazonjs asin=”4622078767″ …
-
-
『電子書籍 Kindle版』の新刊を出しました。★『トランプ対習近平: 貿易・テクノ・5G戦争 (22世紀アート) Kindle版』( 2019/09/23 )
2019/09/23 米中二大大国の覇権 …
-
-
日中北朝鮮150年戦争史(39)<歴史復習問題>『120年前の日清戦争の真実]』④中国側から見た清国軍の実態ー腐敗していたので北洋水師は 全滅したと結論。解放軍も全く同じ体質。
日中北朝鮮150年戦争史(39) <歴史復習問題> 『120年前の日清戦 …
-
-
『オンライン講座・日本はなぜ敗れたか、ベンチャーがなぜでないのかの研究』★『 日本の統一教育(文部省)の欠陥、「個性無視、型にはまった人間を粗製乱造した画一的な教育制度が日本を滅ぼした」★『いまも政府、文部省の中央直轄のダイバーシティー(多様性)無視の失敗教育を繰り返し、2度目の日本沈没寸前!』
2015/04/26/終戦70年・日本敗戦史(67) …
-
-
『明治維新から150年(2017年)』ー『世界史の中での日清、日露戦争』アジアで唯一、 西欧列強の植民地になるのを防げた理由とは?『イギリスの東洋侵略史の要点』
明治維新から150年(2017年) 『世界史の中での日清、日露戦争』アジアで唯一 …
-
-
日本のメルトダウン(532)◎「日本の年金基金:リスクを取り始めた巨大基金」「「中国外交とウクライナ:試される内政不干渉の原則
日本のメルトダウン(532) …
