鎌倉散歩通『約800年前の鎌倉時代をしのぶ唯一のやぐら群(墓地)ー曼陀羅堂は「強者(つわもの)どもの夢のあと」
『さわやか新緑5月から,梅雨6月も、鎌倉散歩はステキ!約800年前の鎌倉時代をしのぶ唯一のやぐら群
(墓地)-曼陀羅堂のやぐら(墓地)は
「強者(つわもの)どもの夢のあと」だよ』
前坂 俊之(ジャーナリスト)
鎌倉時代をしのぶ唯1のやぐら群ー約800年前の曼陀羅堂のやぐら(墓地)①
「国史跡・名越切通」は『玉舟和尚鎌倉記』が「名越坂三浦口」と書いているように、この切通は鎌倉から三浦へ通じる重要な道で、名越トンネル上に昔の古道の姿をとどめている。名越は古くは「なごし」とよばれたが、その由来は"難越〟にあったといわれるほど、文字どおり険路であったことが、現況からもよくわかる。「鎌倉志」も「名越切通は三浦へ行道也、此峠、鎌倉と三浦との境也、甚(はなはだ)瞼峻(けんしゅん)にして道狭、左右より覆たる岸二所あり、里俗大空洞・小空洞と云ふ、峠より東を久野谷村と云、三浦の内也、西は名越、鎌倉の内なり、」とつたえている。峠は、いま鎌倉市と逗子市との界になっている。
名越切通が開かれた時期は未詳だが、巨福呂坂や朝夷奈切通の新道造営が北条泰時の仁治元年{(1240)で、いわゆる鎌倉七口の開整整備は、ほぼこの時期とあい前後して行なわれたであろうと思われる。
当時、北条氏が最も恐れた勢力は、源頼朝いらいの旧臣で三浦半島の雄、三浦一族の存在であった。名越峠の整備と防禦施設の強化・完備は、鎌倉防衛を名目として大勢の武士たちが動員され、多くの期日を要して着々と進められたことであろう。かくして名越峠は鎌倉の他の切通と比較して、最も厳重に防備されたのは、ひとえに北条氏が三浦一族を牽制し生きのびようとした証左にはかならない。
宝治元年{1247}6月、北条氏は永年の宿敵三浦一族をついに滅亡することに成功した。これを宝治合戦とも三浦の乱ともいう。
三浦一族ら五百余人とともに頼朝の法華堂にこもって自害し、ここに三浦一族が滅亡したのであった。
これによって名越峠とその周辺の性格は徐々に変化していったと思われる。厳重に防備された砦としての機能よりも鎌倉・三浦往還の要路としてのイメージを濃厚にしたにちがいない。あわせて「まんだらどう(曼荼羅堂)」なる地名の存在とそ意味するところを考えると、もう1つの機能-葬地と化した名越山が想定される。現状のおびただしいやぐら群や五輪塔群から推察しても、明らかに鎌倉時代を中心とした一大葬地であったことがわかる。
関連記事
-
-
『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ウオッチ (109)』「パリ・ぶらぶら散歩/ピカソ美術館編」(5/3日)⑦ピカソが愛した女たち「マリ=テレーズ・ワルテル」
『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ウオッチ(108)』 「パ …
-
-
『岡山県倉敷市の歴史文化観光の街並みー白壁、土蔵、なまこ壁、黒石瓦の蔵屋敷群ー観光立国日本のシンボル都市』
『日本<歴史絶景の町>ぶらりぶらり』 『岡山県倉敷市の歴史文化観光 …
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(308)★関 牧翁の言葉「よく生きることは、よく死ぬこと」★『一休さんの遣偈は勇ましい』★『明治の三舟とよばれた勝海舟、高橋泥舟、山岡鉄舟の坐禅』
関 牧翁のことば「よく生きることは、よく死ぬこと」 関牧翁(せき ぼくおう、19 …
-
-
『F国際ビジネスマンのカメラ・ウオッチ(93)』3/30日、満開初日の上野公園はサクラ一色、大勢の外国人観光客の笑顔と嬌声に圧倒された①
『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ウオッチ(93)』 3/3 …
-
-
『オンライン講座/独学/独創力/創造力の研究③』★『「鎖につながれた知の巨人」南方熊楠の全貌がやっと明らかに。今こそ地球環境問題/エコロジー思想の元祖・南方熊楠に学ぼう(下)
前坂 俊之(静岡県立大学名誉教授) ●[宮武外骨と奇 …
-
-
2015/1/10、新春・葉山シーカヤック・ショートツアー海上スイスイ散歩は超快適(平田カヤッキスト)
2015/1/10、新春・葉山シーカヤック・ショートツアー 海上スイ …
-
-
『鎌倉通!』「流鏑馬」(やぶさめ)はサムライ武士道の真髄。流麗、勇壮な流鏑馬イベント(鶴岡八幡宮』(4/21)
『鎌倉通―とっておきのネタを紹介!』 「流鏑馬」(やぶさめ)を見ずし …
-
-
『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ウオッチ(112)「ピカソ美術館編」(5/3日)⑩その多種多様、創造的インスピ レーションには圧倒される
『F国際ビジネスマンのワールド・カメラ・ウオッチ(112)』 「パリ・ぶらぶら散 …
-
-
『鎌倉通―鎌倉花火大会を見る』『絢爛豪華・壮大華麗な色彩のペイジェント<花火は輝く、一瞬永遠の命の芸術>
『鎌倉通―鎌倉花火大会を見に行く』 ●『由比 …