『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(133)』『 EUはVWに2年前にデバイスの欠陥を警告していた」(FT紙9/25) -「米国車、日本車に対抗する EU自動車業界の至上命題により、規制遵守や消費者保護よりも業界保護と世界シェアアップを重視した国家的犯罪!?」
『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(133)』
『独 フォルクスワーゲン の排ガスデータ捏造問題ー
『EU warned of defeat devices two years ago – 』
『 EUはVWに2年前に不正デバイスを警告していた」(FT紙9/25)
環境対策車としてのディーゼル車の生産拡大は、米国車、日本車に対抗する
EU自動車業界の至上命題であり、規制遵守や消費者保護
よりも業界保護やEU製品の世界シェアのアップを重視したと思われる。
http://thenewsontime.com/?p=173678
<F氏のコメント>
この記事の内容は、FT(9/25付け)のものです。
ご承知と思いますが、問題の試験時のみ排ガス規制値をクリアさせる
ソフトウエアをディフィートデバイス(Defeat Device:無効化装置)と
呼び、この不正ソフトは、アクセルの動きやスロットル開度などの情報か
ら「排ガス試験中」であることを検知して、浄化システムにより排出ガス
中の有害物質「NOx窒素酸化物」を低減させるもので、逆に走行時は燃費
向上のため浄化機能を稼働させない仕組み(その際は排出基準の40倍の
NOx値になる)となっている。
EUの規制当局は、このDefeat Deviceの存在と、実走行時と試験時のNOx
値の差が大きいことを、2年以上前から知っており、自動車業界に注意を
喚起していたが、業界は言うことを聞かず、逆に自動車業界から当局や政
治家に圧力をかけてきたという。(NPO等の民間の試験機関でも、実走
行では規制値が守られていない事が頻繁に指摘されていたと言う)
環境対策車としてのディーゼル車の生産拡大は、米国車、日本車に対抗す
るEU自動車業界の至上命題であり、規制遵守や消費者保護よりも業界保
護やEU製品の世界シェアのアップを重視したと思われる。
EUの自動車業界は、環境対策車の本命を昔からディーゼルに絞ってお
り、日米のハイブリッドや電気自動車に最後は勝てると豪語していまし
た。この様な事態が実際の内実であった事が分かり、絶句です。
http://thenewsontime.com/?p=173678
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ここからは、私見ですが、
EU各国の環境規制当局、政治家の自動車関係者の多くはこのデバイスの
存在を知っていたと思います。EU自動車産業の保護と世界シェアの拡大
を大義名分として、この詐欺行為に目を瞑っていたと思います。自動車業
界に時間を与えればいずれ規制値をクリアできる技術が完成すると。
今度の事態は、国ぐるみ業界ぐるみの犯罪ではないでしょうか。詐欺行為
の当事者だけでなく、見て見ぬ振りをしていた関係セクターも共犯です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
もう一つですが、
ECONOMIST誌他は、VWの新会長がポルシェ出身のマティアス・ミュラ
ー氏である事に失望しています。
大手術をして、企業統治ガバナンスの機能が全く働かなかったVWを新た
に作り変えるには、インサイダーではしがらみが多くて上手く行かないの
では?なぜ思い切ってアウトサイダーを起用しないのか?と厳しく指摘し
ています。
EUのドイツのドイツ人によるドイツのためと言う企業カルチャーでは、
グローバルにダイバシティを実行して、企業統治の向上に腐心し透明性の
ある経営を実践している米日の企業にはいつまでも敵わないよ、と指摘し
ています。村社会の顔触れのたらい回しでは、いずれまた不祥事が起きる
よ、と。
http://www.economist.com/news/21668232-its-deepening-crisis-
volkswagen-has-stuck-tradition-has-not-served-it-well-can
関連記事
-
日本の最先端技術「見える化」チャンネル-『最新の3次元CADがよくわかる動画』★『KODAMA CORPORATIONの「先進の3次元CAD Top Solid”7」のプレゼン』
設計・製造ソリューション展2018(6/21、東京ビッグサイト) -KODAMA …
-
『リーダーシップの日本近現代史』(183)記事再録/★「英タイムズ」「ニューヨーク・タイムズ」など外国紙が報道した「日韓併合への道』⑯「伊藤博文統監はどう行動したか」(小松緑『明治史実外交秘話』昭和2年刊)①
2015/09/03   …
-
『リーダーシップの日本近現代史』(61)記事再録/国難の研究― 日露戦争開戦までの外交交渉の経過と政府の対応①『児玉源太郎が2階級降下して参謀次長に就任、全軍を指揮、病気静養中の桂太郎総理の決意、参内し上奏、旨趣
―国難の研究― 日露戦争開戦の外交交渉の経過と政府の対応① &nb …
-
日本の「戦略思想不在の歴史⑮」ペリー来航45年前に起きたイギリス東洋艦隊の「フェートン号」の長崎港への不法入港事件」★『ヨーロッパでのナポレオンの戦争の余波が<鎖国日本>にも及んできた』
「 日本外交史➀(幕末外交)」などによると、 1808年10月4日(文化5年8月 …
-
速報(96)『日本のメルトダウン』●(小出裕章動画情報2本)『菅総理の「脱原発依存」会見』『『食品安全について』
速報(96)『日本のメルトダウン』 ●(小出裕章動画情報2本)『菅 …
-
日本メルダウン脱出法(671)「安倍訪米は成功だったー歴史問題では明確な“ジェスチャー”が必要」●「世界最大の機関投資家が支えるー日本の株式市場に未来はあるか?」など9本
日本メルダウン脱出法(671) 安倍訪米は成功だったーー歴史問題で …
-
日本リーダーパワー史(972)ー初代ベンチャー企業の「真珠王」御木本幸吉(97歳)★『「資源もない」「金もない」「情報もない」「技術もない」「学歴もない」「ないないづくし」の田舎で、独創力で真珠養殖に成功した不屈の発明魂』★『エジソンも「わたしもできなかった」と絶賛』★『『スタートアップ企業は御木本幸吉の戦略から学べ』
日本リーダーパワー史(972) 世界史を変えた『ミキモト真珠』ー『スタートアップ …
-
記事再録/世界を魅了した日本人ー『エ・コールド・パリ』・パリ画壇の寵児となった『世界のフジタ』藤田嗣治②
2010/01/01   …
-
日本メルトダウン脱出は不可能か!?(719)『東芝不正会計事件は上げ底、水増し日本経済の実態を暴露」
日本メルトダウン脱出は不可能か?(719) 「東芝ショック」がアベノミ …
-
『池田知隆の原発事故ウオッチ⑦』ー『最悪のシナリオから考えるー汚染水の処理策はどこに』
『池田知隆の原発事故ウオッチ⑦』 『最悪のシナリオから考えるー汚染 …