終戦70年・日本敗戦史(124)日清戦争(1993)から10年、「侵略をやめない」膨張ロシアと対決、日露戦争(明治37・1904)開戦へ踏み切った
2016/09/10
終戦70年・日本敗戦史(124)
<世田谷市民大学2015> 戦後70年 7月24日 前坂俊之
◎『太平洋戦争と新聞報道を考える』
<日本はなぜ無謀な戦争をしたのか、どこに問題が
あったのか、500年の世界戦争史の中で考える>⑧
日清戦争(1993)臥薪嘗胆から10年、「侵略をやめない」
膨張ロシアと対決、日露戦争(1904)開戦に踏み切った。
日露戦争(1904-1905)開戦までの経過
①日清戦争後、三国干渉(1895明治28)、義和団の乱、北清事変(1900、明治33)シベリア鉄道ウラジオストックまで開通(1904)、日英同盟締結(1902明治35)義和団終結後もロシアは満州から撤退せず、
1898年(明治31)日本は威海衛を撤兵し英国が租借、ロシアが旅順、大連を租借。児玉陸軍次官が台湾総督に。義和団事件勃発。
1900年(明治33)義和団事件に派兵を決定。ロシア満州を占領(8月)
1901年(明治34)桂内閣成立、日露戦争をにらんでの内閣。
1902年(明治35)シベリア鉄道開通(1月),日英同盟締結(2月)、露仏同盟締結(3月)
1903年(明治36)、戸水寛人ら7博士対ロシア開戦決議書提出。ロシア第2次満州撤兵不履行(4月)、日露談判開始(6月)、ロシア・クロパトキン陸相来日(6/12)、東郷平八郎を連合艦隊司令長官に抜擢。対露同志会(頭山満ら)は対ロ宣戦布告を求める(10/5)
②英米日の圧力で、ロシアは満州からの第一段階の撤兵は行ったが、第二段階の1903年4月8日の撤兵は行わなかった。
③日本はロシアと直接交渉し、「朝鮮では日本が、満州ではロシアが優越権、特殊利益をもつ」とする日本側協定案を示したが、ロシア側は「韓国の北緯39度以北を中立地帯とし、満州はロシアが全権を握る」と拒否し、交渉は不調に。
④ロシアは1903年10月28日に奉天を占領し軍隊を南満州から鴨緑江方面に集中し、極東、シベリアにある軍隊に動員令を下した。
1904(明治37)年2月6日、日本はロシアと国交を断絶。宣戦布告したのは、2月10日である。
1904年(明治37)御前会議(2/4),日露交渉打ち切り(2/6),宣戦布告(2/10)、金子堅太郎がルーズベルト工作へ(2/24),山県有朋が参謀総長に、児玉は満州軍総参謀長
1905年(明治38) 明石元二郎による「血の日曜日」ロシア革命の発端)起きる(1/22),
奉天会戦(3/10)児玉参謀長が密かに帰京、山県と打ち合わせて停戦、講和に向かう。日本海海戦(5/28)、ポーツマス講和会議締結(9/5)
日比谷焼打ち事件(9/5),日韓条約締結、韓国は日本の保護国になる。玄洋社らによって日本に亡命、匿われていた孫文が東京で「中国革命同期会」を結成、辛亥革命に向けて動く。近代中国誕生の辛亥革命は1911年(明治44)に成功する。
日清戦争10年後に「日露戦争」ついに勃発。-
準備万端した川上操六陸軍参謀総長のインテリジェンス戦争の勝利
日本リーダーパワー史(547)<日本スーパーマン>明治の奇跡「坂の上の雲」忘れられた主人公・川上操六伝(陸軍参謀総長、インテリジェンスの父)とは何者か①(1回→21回)
http://www.maesaka-toshiyuki.com/person/4749.html
日本リーダーパワー史(548)<日本のスーパーマン>明治の奇跡「坂の上の雲」の忘れられた主人公・川上操六伝(陸軍参謀総長、インテリジェンスの父)②ー連載22回から36回までhttp://www.maesaka-toshiyuki.com/person/4749.html
日本リーダーパワー史(549)<日本のスーパーマン>川上操六伝(陸軍参謀総長、インテリジェンスの父)③http://www.maesaka-toshiyuki.com/person/4975.html
日本リーダーパワー史(225)『上海でロシア情報を収集し、バルチック艦隊を偵察・発見させた商社政治家―山本条太郎②
http://www.maesaka-toshiyuki.com/person/2650.html
-日露戦争はなぜ勝てたのか①
①日露戦争の「国家戦略」プロジクトに成功(日清戦争ー臥薪嘗胆後、想定しての戦争)太平洋戦争・失われた20年・原発事故は想定外としてリスク管理せず敗北した)
②長期的なトップリーダー養成に成功。陸軍は川上操六、桂太郎、児玉源太郎、海軍は西郷従道、山本権兵衛、東郷平八郎、秋山真之のコンビ
③インテリジェンス(情報戦略、調査研究、諜報)の成功、明石工作の例、 日英軍事秘密協定での情報交換、入手情報が非常に大きい)
④ 「戦争とは外交の一手段」日英同盟など外交の勝利(金子堅太郎のルーズベルト工作、ルーズベルトの日本びいき)。外交とはインテリジェンスの結晶、外交音痴が国を潰す。今もって国家戦略・インテリジェンス機関がない日本
⑤ 日本海海戦は当時の最新無線・T技術を駆使した情報力の勝利。あらゆるリスク想定して、IT技術を使いこなしたインテリジェンス(情報戦略)の成功
興亡の原則―「勝ち」はおごりを生じ、『負け』に通じ、
歴史は繰り返す、
日露戦争勝因は60年後の太平洋戦争敗北につながり、
昭和戦後の経済成功は70年後の3/11,原発事故の敗北へ。②
すべては、リスク管理の有無できまる。
①太平洋戦争(第2の敗戦)は日露戦争(日本躍進)の全く逆。
②勝ちに奢り、負けに通ずる日本病(日露戦争後のおごり、日中戦争は「暴支膺懲」、太平洋戦争でも真珠湾攻撃の成功で「聖戦」「無敵皇軍」と奢る、1990年にはバブルの絶頂で、米国を抜いて世界一とうぬぼれた。福島原発事故では「原発のクリーン・安全神話」を強調した「原子村」「政官財学』癒着の罪。
②国家戦略なし、長期ビジョンなし、インテジェンスなしの無責任体制(日露戦争の総括をせず、戦史を偽造。太平洋戦争では暗号を解読され山本五十六撃墜、太平洋戦争の敗因も研究せず、「バブルと失った20年」の総括もせず、福島原発事故の総括、事故責任追及もせず)
④外交失敗(日中戦争での近衛文麿の『中国政府を相手にせず』、日米戦争では最後まで和平、停戦協議をせず、昭和戦後は一国平和主義に閉じこもり、外交・防衛はアメリカまかせ)、
㉓-- 日露戦争勝因③90年代以降3/11の敗因
①戦後の世界第2の経済大国、膨大な公共土木事業、農業バラマキ、景気対策
の箱モノ行政(戦艦大和の大艦巨砲主義、)の大敗、国の借金が1千兆円を突破
②20世紀の画一的な大量生産、大量消費モノづくり製造大国(中央集権・ピラミッド・垂直型・大きな政府)から21世紀のIT情報国家(グローバル・フラット・分散型・小さな政府)にパラダイムシフト(転換)できず、IT後進国に転落に転落、少子超高齢化財政破たん国家に転落、
③国際技術競争力も低下の一途で24位に(米国1、香港3、シンガポール5台湾11、マレーシア15、中国20、韓国21とアジア最下位)2013年度の数字
④国民1人り当たりの名目GDPは13位(ルクセンブルグ1、オーストラリア5、シンガポール10 米国11)=2013年度の数字
⑤ 3/11も日本の原発技術は世界一という思い上がり、想定外という思考停止、科学的合理精神の欠如、異論を排する原子力村体質+自然災害+政治災害の複合要因による「第3の敗戦」となった。
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