『オンライン講座・習近平中国の研究②』★『強中国夢』③(中華思想単独覇権主義)をめざす習近平共産党政権はー孫文の「覇道」「王道」 の認識を間違えており、習近平も 同じ誤りの道を暴走している。<孫文「大アジア主義」の演説全文を再録>③『 100年前に孫文は『今後日本が世界の文化に対して、西洋覇道の犬となるか、あるいは東洋王道の干城となるかは、日本国民の慎重に考慮すべき」と警告した。』
2016/07/31日本リーダーパワー史(722)
★『中華思想』の偽善(民主主義・自由・平等共生社会・情報公開、言論の自由を弾圧、国際主義秩序に大反対)
●中国共産党はいまでは世界に数少ない一党独裁古代国家、2000年来の皇帝支配の封建的国家体制が続き、2049年の『強中国夢』(世界覇権)を習近平は公言する。
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孫文の大アジア主義の演説全文②〔覇道文化と王道文化の相違〕
覇道の文化と王道の文化と結局何れが正義人道に有益であるか、私はこゝにー例を挙げて説明する。 今より百年前より二千年前まで二千年余の間、中国は世界における最強の国家であった。
現在における英国及び米国と同様の位置にあった。 英国も米国も現在の強盛は列強であるが、中国の昔の強盛は独強であった。然しながら独強時代の中国は、弱小民族及び弱小国家に対し如何なる態度を取ったか、当時の弱小民族及び弱小国家は中国に対し如何なる態度を執ったか。
当時弱小民族及び弱小国家は何れも中国を宗主国となし、中国に朝貢せんとするものは中国の属藩たらんと欲し、中国に朝貢することを以て光栄とし、朝貢し得ざることを恥辱とした。 当時中国に朝貢した国は、亜細亜各国のみならず、欧洲西方の各国まで、遠路を厭はず、朝貢した。 当時の中国はこれら多数の国家、遠方の民族の朝貢に対し如何なる方法を用ひたか。
陸海軍の覇道を用ゐ彼等の朝貢を強制したであらうか、否、中国は完全に王道を用ゐて彼等を感化した。 彼等は中国に対して徳を感じ、甘んじて其の朝貢を希ったのである。彼等が一度中国の王道の感化を受くるや、二代中国に朝貢したのみならず、子々孫々まで中国に朝貢せんとした。
これらの事実は、最近に至っても尚証拠がある。 例へば印度の北方に二つの小国がある。三はブータンであり一つはネパールである。この二つの国は小国ではあるが、其民族は非常に強く、又非常に精博で、勇敢に戦ふ。 中にもネパール民族は殊に勇敢である。現に英国は印度を治めるに当り、常にネパール民族を兵士に採用して印度を服従せしめてゐた。 又英国は印皮を滅して之を植民地とした程の力がありながら、ネパールに対しては容易にかゝる態度を取り得ず、毎年多額の補助金を送り、たゞ政治監察の官吏を駐在せしめてゐるに過ぎない。
英国の如き現在最強の国家が、尚且つネパールに対して、斯の如く愚慰な態度を取ってゐるのである。 即ちネパールも亦亜細亜における一の強国といへるであらう。 然るにネパールは今英国に対して如何なる態度を取ってゐるか、英国に朝貢せぬばかりでなく、却って英国から補助を取ってゐるのである。
然るにネパールは中国に対しては如何なる態度を取ってゐるか、中国の国際的地位は現在は失墜して、植民地にも及ばぬ有様であり、しかもネパールから極めて遠く且つ両国間に非常に大なる西蔵を挟んで居りながら、ネパールは今以て中国を宗主国としてゐるのだ。 即ち民国元年には西蔵を経由して朝貢した。その後、四川の辺、疆交通不便となった為め、遂に朝貢を見なくなったが、斯く中国及び英国に対するネパールの態度は異ってゐる。
諸君はこれを不思議と思はぬか。 単にネパールの態度を以てしても、中国の東方文明と英国の西方文明とを比較することが出来るであらう。中国は数百年来衰微してゐるが、文化は尚存在してゐる。 それ故にこそネパールは今以て中国を宗主国として崇拝してゐる。
然るに英国は今非常に強大で、且立派な物質文明を以てゐるに拘らず、ネパールは「同これに対して頓着しない。 中国の文化は真の文化であり、英国の物質文明は文化でなくして覇道であると見てゐることが解るのである。 今私が大亜細亜主義を講演するに当って述べたことは、これを簡単にいへば文化の問題である。
東洋文化と西洋文化との比較と衝突の問題である。東方の文化は王道であり、西方の文化は覇道である。王道は仁義道徳を主張し、覇道は功利強権を主張する。 仁義道徳は正義公道によって人を感化するものであり、功利強権は洋砲大砲を以て人を圧迫するものである。
感化を受けた国は仮令宗主国が衰微しても数百年の後まで其徳を忘るゝものでないことは、ネパールが今日尚中国の感化を庶幾ひ、中国を宗主国として崇拝せんとしてゐる事実に依って明かである。 之に反して、圧迫を受くれば、仮令圧迫した国が現在非常に強盛であつても、常にその国より離脱せんとするものであることは、英国に対する竣及及び印度の関係が之票してゐる。
彼等の独立運動は英国から大なる圧制を受けてをるから急には成功すまい。 然しながら、もしも英国が一度裳徹したら、印度は五年ならずして英国の勢力を駆逐し、独立の地位を恢復するであらう。 吾々は今斯る世界に立ってゐる。故にわが大亜細亜主義を実現するには、わが固有の文化を基礎とせねばならない。 固有の文化とは仁義道徳である。
仁義道徳こそは大亜細亜主義の基礎である。
斯の如き基礎を持つ書がなは欧洲の科学を学ばんとするは、以て工業を発達せしめ、武器を改良せんがために外ならない。欧洲に学ぶは決して他国を滅したり、他民族を圧迫することを学ぶのではないのである。
亜細亜の国家で欧洲の武力文化を学んで完全に これをコナしてゐるのは日本のみである。 日本は軍船の建造操縦、必ずしも欧洲人に頼るを要せず、陸軍の編成運用も亦自主的に行ふことが出来る。 日本は極東における完全なる独立国である。わが亜細亜には、欧洲大戦当時、同盟国の一方に加入し、敗戦するや忽ち分割されながら、現在では一個の独立国となった国がある。 それは土耳古(トルコ)である。現在では披斯、アフガニスタン、アラビア等も欧洲に学んで武力を備へて居り、欧洲人も敢てこれら民族を軽蔑しない
。中国は只今非常に多くの軍隊を有してゐるが、一度統一さるれば非常な勢力となるであらう。 アジア民族の地位を恢復するには、仁義道徳を基礎に各地の民族を適合し、亜細亜全体の民族が非常なる勢力を有するやうにせねばならぬ。
〔功利強権文化の粉砕〕
只欧洲人に単に仁義を以て感化を計ったり、亜細亜在住の欧洲人に平和裡に権利の返還を求めるのは、恰も虎に食物を与へて其皮を取らうとするもので、到底出来ない相談である。
故に吾々の権利を回収せんとするには之を武力に訴へなければならない。日本は早くより完全な武力を有してをり、土耳古、アフガニスタン、アラビア各民族も昔から戦争に強い民族である。
中国四億の民族は平和を愛する民族ではあるが、生死の境に立てば奮闘して大なる武力を発揮する。若し、全亜細亜民族が連合して固有の武力を以て欧洲人と戦ったならば、必ず勝ち、敗けることはない。 欧洲と亜細亜との人口を比較すれば、中国は四億、印度は三億5千万、タイ、安南(ベトナム)等は合計数千万、日本は一国で数千万、その他弱小民族を合すれば・亜細亜の人口は全世界の二分の一に当る。 最近少数ではあるが、英国米国等に仁義道徳を説く者が出て来た。
これは西洋の功利強権の文化が東洋の仁義道徳の文化に服従せんとする証拠である。(中略) 結局問題は、わが亜細亜民族は如何にせば欧洲の強盛民族に対抗し得るかである。 簡単に言へば、被圧迫民族のために其の不平等を除かうといふのである。被圧迫民族は亜細亜ばかりでなく、欧洲にも居る。
覇道を行ふ国は、他洲と外国の民族を圧迫するばかりでなく、白洲及び自国内の民族をも同様に圧迫してゐる。
大亜細亜主義が王道を基礎とせねばならぬといふのは、これらの不平等を撤廃せんが為である。
米国の学者は、民族の解放に関する一切の運動を文化に反逆するといふが、吾々の主張する不平等排除の文化は、覇道に背反する文化であり、民衆の平等と解放とを求むる文化である。 日本民族は既に一面、欧米の文化の覇道を取入れると共に、他面、亜細亜の王道文化の本質を有している。
今後日本が世界の文化に対して、西洋覇道の犬となるか、或は東洋王道の干城となるかは、日本国民の慎重に考慮すべきことである。
(参考―外務省調査部訳編『孫文全集. 第6巻』第一公論社 昭15年 「孫文選集」1966年)
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