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『オンライン/ウクライナ戦争講座⑩』★『ウクライナ戦争勃発―第3次世界「見える化」SNS大戦へ(下)』★『チャップリンの「独裁者」とプーチン] 』★『ウクライナ戦争―ロシアは国家破産!』★『ロシアの戦費は1日200億ドル(2兆3千億円)』

   

『オンライン/ウクライナ戦争講座⑩』(下)

  • チャップリンの「独裁者」とプーチン

「映画「独裁者」(1940年公開)はチャップリンが、当時のナチスドイツのアドルフ・ヒトラーがオーストリアを併合(1938年)し、第2次世界大戦の開戦となるポーランド侵攻(1939年9月1日)し、ユダヤ人虐殺などを行った独裁政治を批判した作品ですね。この年のアカデミー賞の作品賞、主演男優賞など5部門を獲得した。この映画が製作していたのは1939年のことで、独裁者ヒトラーの蛮行と侵攻を大胆にコメディータッチで批判、風刺した反戦映画の傑作です。

私はプーチン大統領によるウクライナ無差別攻撃を毎日見ながら、この「独裁者」を思い出し、いまさらながらチャップリンの正義感、インテリジェンス(英知と時代洞察力)勇気ある行動発信力に尊敬の念をますます深めました。世界からの大非難にかかわらずプーチンロシアの侵攻は依然として続いている。国連安全保障理事会は4日、ロシア軍がウクライナ南東部のザポロジエ原子力発電所を攻撃し制圧したことを受け、緊急の公開会合を開いた。その中でアラブ首長国連邦(UAE)のヌセイベ国連大使は、「福島第1原発やチェルノブイリ原発の事故に言及し、人類への影響は計り知れず、そのような事故を二度と起こしてはならない」と主張。各国代表から「稼働中の原発を国家が攻撃するのは史上初めてだ」と非難の大合唱になった。これに対し、プーチン氏は「攻撃はウクライナ側の挑発行為でプロパガンダだ」と反発、原発施設の攻撃を続けるクレージーな無差別攻撃が止まらない」。

  •  プーチンの健康不安説が拡散!

 「その点について「ニューヨークタイムズ」「BBC」「英国テレグラフ」「英ガーディアン」など欧米メディアやロシア問題専門家らによると、プーチン大統領(70)の健康不安説が急速に拡散していますね。パーキンソン病、アスペルガー症候群、ヒューブリス(傲慢)症候群などで、その症状は認知能力の減退、判断力の低下、ステロイドの服用により新型コロナ、風邪の感染リスクを高めたり、性格や行動が変わってしまう。異常な妄想や強迫観念、異常行動にとりつかれたりする場合もある。

その兆候は1つは会談する場合の相手との距離で、部下は20mもあるテーブル先に座らせて命令したり2月末のプーチンとEUのマクロン仏大統領とショルツ独首相との首脳会談では長さ4mのテーブルの端に座らせた。これは「自分の権力を誇示し相手に侮辱感を与える物理的道具」と英紙ガーディアンは指摘する。チャップリンの「独裁者」にも似たような権力誇示のコミックシ-ンが数多く出てくる。

チャップリン演じるヒトラーとムッソリーニ(俳優)が会談の座ったイスを自分方が上だ下だと何メートルも上げ下げて、ムッソーニを見下ろすお笑いシーンや、地球儀の風船をヒトラーが足でけり上げてダンスを踊り、最後に破裂するシーンなど強く印象に残ったよ(笑)」

「産経新聞電子版(2022/2/28 )によると、米政策研究機関「ハドソン研究所」の上級研究員・アーサー・ハーマン氏(歴史家)は「プーチン氏が1939年のポーランド侵攻に踏み切ったヒトラーと「同じような侵略的な役割を演じている。この侵略行為を英仏米国は抑えられなかったが、今回もプーチン氏を制止するEUには「十分な戦略的影響力がなかった」と語っている。

また、「露のスパイ30年 元CIA諜報員が語るプーチン氏」(テレビ朝日(3/06 22:30)によると、

「彼の最終目標は、あらゆる独裁者と同じ。権力の座にとどまること。彼は権力を失うことを恐れている。プーチンはとても感情的になり、正気を失ったのではないかとの声が多く上がっているが、相手を脅して敵をしたがわせる彼の過去20年の行動と何も変わっていない、とコメントしている」

  • ウクライナ戦争―ロシアは国家破産!

 「ロシアのウクライナ侵略から3週間が経過したが、戦争は長期化の様相を呈している。侵攻初日の2月24日、プーチン大統領は「ウクライナに干渉しようとする者は心得ておけ。ロシアは直ちに反撃し、かつて諸君が経験したことのないほどの結果をもたらす」とテレビで演説し、3日で陥落させると豪語した。

ところが、いざ蓋を開けるとウクライナ軍の予想以上の反撃で戦車部隊はぬかるみ道路に阻まれて進軍が停滞、ストップ。この間、第二次チェチェン紛争で、約二十万人の民間人を殺戮したといわれる「プーチンのシェフ」のチェチェンのラムザン・カディロフ首長の特殊暗殺部隊を投入して、ゼレンスキー大統領の暗殺を狙ったが3度も失敗した。さらに、ロシア軍は制空権を奪えずウクライナ軍の猛反撃で、空挺部隊を乗せた輸送機やヘリコプターをミサイルで次々に撃ち落とされた。また、米国の対戦車ミサイルとトルコが開発した攻撃用ドローンを使ってロシア軍の戦車の車列を攻撃破壊し、進軍を防いだ。このため、CIAなどの発表ではロシア兵の犠牲者は3月7日時点で約3千人を超えた、という。

「激怒したプーチン、ロシア軍は早い段階でピンポイント攻撃を放棄し、ミサイル数千発を民間アパート、病院、学校施設、原子力発電所などに無差別攻撃し、その中にはクラスター爆弾、真空爆弾など非人道的兵器が多数含まれていた。退避しようとする民間人もこの攻撃で多数が犠牲になった。

こうした無差別攻撃、殺戮を「米ニューヨーク・タイム(3月11日付)」は「最終的にはウクライナ軍の8倍のロシア軍が制圧するだろう。ただし、退避する民間人を殺すような残忍な戦術で、ねじ伏せても血みどろの反乱を引き起こし、ロシアは泥沼にはまり込んで何年も身動きがとれなくなる」と指摘する。ジェノサイト」( 集団殺害、大量虐殺)をやればやるほど被害民族の怨念は永久に残るからね。

  • ロシアの戦費は1日200億ドル(2兆3千億円)

 「武力戦争は経済戦争でもある。戦闘はいつまで続のか。停戦はいつできるのか。戦争期間中のロシア側の戦費については英国の経済回復センターと一部の戦略コンサルティング会社がいち早く試算して3月3日に公表した。それによると「弾薬・補給品の拡大、戦死者の続出、ロケット(ミサイル)発射などの費用で一日約200億ドル(約2兆3千億円)以上がかかる」と計算している。これは日本の防衛費の5兆4000億円の3日分に相当する巨額である。

ロシアの年間の歳入費は約37兆円なのでその約20日分、ロシアの名目GDP約200兆円の100日分に相当する。2021年末のロシアの外貨準備高は約6,300億ドルなので、その30日分にというわけだ。戦争開始から15日現在までの20日間で戦費はすでに約4千億ドル(約80兆円)を超えている。戦闘が長引けば長引くほど、武力戦争に勝利したとしても、経済的にはデフォルト(債務超過)が近づいてくるわけだ。」

「国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は10日、「ロシアのデフォルトはもはや起こりそうもない事態ではない。ロシアは資金がないわけではなく、それを使うことができないからだ」と指摘している。

すでにルーブルは大暴落し、紙切れ同然となった。先進7か国(G7)は連携してロシア経済の核心である原油の輸出停止に乗り出した。昨年のロシアのエネルギー輸出額は2350億ドルと、GDP全体の14%にのぼりこれを絶つ戦略だ。」

「ルーブル大暴落のロシアは今世紀最大規模のインフレショックを受けているが、ブルームバーグ(3月16日)によると、「ロシアは16日は約1億1700万ドル(138億円)のドル建て国債の利払いが期限で債務不履行に陥る。利払い不能になれば、国債だけでなく、天然ガス独占企業ガスプロムや石油会社ルクオイル、銀行の社債も巻き込み、外貨建て債務総額約1500億ドル(約17兆7500億円)の連鎖的デフォルトが発生する悪夢が現実味を帯びてくる」と恐ろしい結果を指摘している。

これに対して、プーチン大統領はビデオ演説で「ロシアは今回の<経済的電撃戦>を欧米側を打ち負かしたと虚勢を張り「物価の上昇はが人々の生活に深刻な影響与えるが対策として年金の増額や、公務員の賃金を引き上を命じた」と呼びかけた、という。絶体絶命のプーチンの運命はどうなるか、目が離せない」

つづく

 

 - 人物研究, 戦争報道, 現代史研究, IT・マスコミ論

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