前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

日本リーダーパワー史(951)-「ジャパンサッカー『新旧交代の大変身』★『パスは未来(前)へ出せ、過去(後)でも、現在(横)でもなく・』(ベンゲル監督)★『老兵死なず、ただ消え去るのみ、未来のために』(マッカーサー元帥)

      2018/10/31

日本リーダーパワー史(951)

ジャパンサッカー大変身―「「パスは未来(前)へ出せ、過去(後)でも、現在(横)でもなく・・」」(ベンゲル監督)

 

もうとっくに古希を過ぎた私に若死した父は子供の時に「文武両道になれ、読書とスポーツを続けろ」と教えた。そのせいで野球、ボクシングなどに熱中し、50歳を過ぎてはサッカーにはまった。1998年のW杯カップフランス大会に日本代表が初出場(岡田武史監督)した時から、約20年間、サムライブルーの国際マッチはほぼ毎回欠かさず見てきたオールドサッカーマニアである。

ハリルホジッチ元監督の下で低迷を続けて来た。日本代表だけに今年のロシア大会は一次リーグ敗退を覚悟していたが、急きょ登場した西野監督の見事な采配で大健闘した。特にベルギー戦は手に汗握る息づまる名勝負となり、惜敗したものの私のサッカー熱は再び昂じてきた。

森保伸監督率いる新生ジャパンの国際マッチは強豪相手に3戦連勝で10得点する脅威的なスタートダッシュとなった。特に10月16日のウルグアイ(FIFAランキング5位)戦では終始攻めまくり4-3この強豪ねじ伏せて私のサッカー観戦史上でも最高に興奮した素晴らしい熱戦となった。まさしく日本サッカー史上で「最強のチーム」の誕生をみせつけた。。まったく恐ろしい世代が出現したものだ。

この試合ぶりを海外のメディアも「日本代表史上、最強のスペクタクル!、圧巻4発の森保ジャパン」と英国のサッカー雑誌でイギリス人記者が大絶賛し、「ここまで攻撃がストロングポイントとして浮かび上がったチームを私は知らない。四半世紀以上、日本代表を取材してきて、初めての感覚である。森保ジャパンはすさまじい勢いで成長している」と。私も同感である。

ウルグアイ監督は「我々は日本アタッカー陣のスピードとコンビネーションに屈した」といえば、ライバルの韓国メディアは「恐ろしい力を見せた。世代交代がスムーズに進んでいる。今後は難しい相手となる」と警戒をあらわにしていた。

この大躍進の原動力になった若手3人組は3戦連発で4ゴールを叩き出した南野拓実(23)、ポストメッシといわれる中島翔哉(24)、浪速のメッシこと堂安律(20)らである。南野はブンデスリーガ(オーストリア)のザルツブルクに所属。現在リーグ5連覇中と国内に敵なしの状態のチームで、過去4年在籍で2季にわたり、12,14点をたたき出した逸材。

中島翔哉(24)はポルトガルのポルティモネンセに所属。164 cm、64 kgと小柄ながら、ワールドクラスのスピードと華麗なテクニックで「メッシ2世」「小さな天才」とうたわれている。

移籍1年目の昨季には10得点12アシス。今季も7試合で4得点3アシストと大活躍。森保監督の下ではエースナンバー10をつけている。
中島には世界中からオファーが殺到、その市場価値は51億、それ以上とうなぎ上りハネ上がっている。「浪速のメッシ」こと堂安律(20)はオランダ1部リーグFCフローニンゲン所属、2017年には9得点を挙げ、今最も注目を浴びている若手選手である。

これまでの日本代表は、ロシア大会での乾貴士選手(2得点1アシスト)以外にドリブルで仕掛ける選手はいなかった。後ろパス主体で攻めが遅い守備型のチームが長年続いた。

ところが、メッシ2世といわれる中島や堂安はドリブルが得意で中盤からドリブルで相手陣内にあっという間に突入し、カットインして(内側に切れ込んで)からのシュートがうまい。相手をほんろうする、また通しやフェイントにも抜群のテクニックがある。この中島、堂安が両サイドから一斉に攻め入り、大男相手にひらりひらりと体を交わしながら何度も突破するシーンはいまや世界的な人気の「ニンジャ戦法」を見ている感じである。

今後どこまで、この忍者軍団が勝ち続けるか、次の試合が楽しみだ。

サッカーのほかに、この秋のスポーツ選手の活躍ぶりは目を見張るものがある。これまで、日本人のスポーツ能力は世界的レベルに到達するものは少なかった。ところが、女子テニスで全米ツアーで優勝した大坂直美選手といい、ボクシングWBA世界バンタム級王者井上尚弥(25)は10月7日のワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)1回戦でフアンカルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)をなんとボクシング史上に残る1回1分10秒でKOした。新たな天才選手が次々にあらわあれている。

このスーパー選手に共通するものは子供の時から日本を飛び出し、世界一を目指して、海外のチームで活躍していることだ。

「パスは未来(前)へ出せ、過去(後)でも、現在(横)でもなく・・」」とはあのベンゲル監督が名古屋グランパス時代に低迷する選手にむけて言った言葉だ

。これはサッカーだけではなく、すべての人生に通じる。人生の目標を定めて、パスを出し、バトンタッチしながら、ゴールを目指しチームで結果を出していく。「新旧交代」「若手の躍進を阻害していないか」、改めてわが「老害ぶり」を自戒した。

 

 - 人物研究, 現代史研究, IT・マスコミ論

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
明治裏面史②―『明治の黒幕』三浦梧楼とは何者かー『外国新聞による人物評『ジャパン・ウィークリー・メイル』

明治裏面史②――『明治の黒幕』三浦梧楼 とは何者かー『外国新聞による人物評『ジャ …

no image
『オンライン/バガボンド講座』★『永井荷風のシングルライフと孤独死願望 』★『「世をいといつつも 生きて行く矛盾こそ、人の世の常ならめ。」言いがたき此よに酔わされて、われ病みつつも死なで在るなり。死を迎えながらも猶死をおそる、枯れもせで雨に打るる草の花』(76歳の心境)』

『バガボンド』(放浪者、漂泊者、さすらい人)の作家・永井荷風のシングルライフ 前 …

no image
世界最先端技術『見える化』チャンネルー大前研一の特別講義「狭い日本はクオリティ型農業で勝負せよ」●『 AI革命で日本株は復活する(藤田勉) 日本戦略総研社長』●『世界的にまだ新しい手法「コ・クリエイション」の5つの原則』●『日産の可変圧縮比エンジンは100年に1度の大発明!? そのすごさを理解する』

大前研一の特別講義「狭い日本はクオリティ型農業で勝負せよ」 http://jbp

no image
日本リーダーパワー史(861)ー記事再録『リーダーをどうやって子供の時から育てるかー 福沢諭吉の教えー『英才教育は必要なし』(下)『西欧の三千年の歴史の中で天才の学校生活を調べると、天才、トップリーダーは学校教育ではつくれないことを証明している』

 日本リーダーパワー史(861) 『天才の通信簿』では西欧の3千年の歴史の中での …

no image
速報(47)『日本のメルトダウンを止める』<◎敗戦を自覚し、将来の日本の30年後をにらみリーダーを子供の時から養成する>

速報(47)『日本のメルトダウンを止める』 <◎敗戦を自覚し、将来の日本の20年 …

no image
終戦70年・日本敗戦史(72)「新聞界一致で「米英撃滅国民大会」開催」「米英撃滅・屠れ米英、我等の敵・進め一億火の玉だ」

 終戦70年・日本敗戦史(72)  大東亜戦争開戦の「朝日, …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(79)記事再録/ ★『日本史を変えた大事件前夜・組閣前夜の東條英機』★『近衛文麿首相は「戦争は私には自信がない。自信のある人にやってもらいたい」と発言。東條は「(中国からの)撤兵は絶対にしない」と答え、「人間、たまには清水の舞台から目をつむって飛び降りることも必要だ」と優柔不断な近衛首相を皮肉った。

  2004年5月 /「別冊歴史読本89号』に掲載 近衛文麿首相は「戦 …

「Z世代のための日本リーダーパワー史研究』★『電力の鬼」松永安左エ門(95歳)の75歳からの長寿逆転突破力②』★『戦時下は「渇しても盗泉の水をのまず 独立自尊の心証を知らんや」と隠棲し茶道三昧に徹する』★『雌雄10年、75歳で「電気事業再編成審議会会長」に復帰』★『池田勇人と松永安左エ門の「一期一会」』★『地獄で仏のGHQのケネディ顧問』』

   2021/10/06/日本史決定的瞬間講座⑪」記事再録 …

no image
知的巨人たちの百歳学(176)記事再録/「東洋のビール王」「大日本麦酒創業者」(アサヒ、サッポロビールの前身)・馬越恭平【88歳) 「健康10ヵ条」ー「2つの養生<体の養生と財布の養生とは怠るな>」 「四気の保持を忘れぬこと―元気、勇気、長生き(気長の意味) 、腹の落付き(沈静)の四つ」

  2015/09/16   &nbsp …

no image
東海大学国際教育センターのアブドーラ准教授の「イスラム社会からみた日本人人質事件」などについての記者会見90分動画(2/4)、

  <東海大学国際教育センターのアルモーメン・アブドーラ准教授(日本語日本文学博 …