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日本リーダーパワー史(156)「小沢一郎と明治のリーダーを比較すー不言実行・縁の下の力持ち・太っ腹・秘密厳守・恩讐を超る」

   

 日本リーダーパワー史(156)
小沢一郎と明治のリーダーを比較する
ー不言実行・縁の下の力持ち・太っ腹・秘密厳守・恩讐を超えるー
前坂 俊之(ジャーナリスト)
 
 

●『民主党の小沢元代表、菅首相と対決姿勢鮮明―原発危機対応で』
(動画ビデオ付)

<ウオール・ストリート・ジャーナル>2011年 5月 27日  8:40 JST

コメント『日本の新聞、メディアからは逃げ回り、外国のメディアで、総理大臣の悪口をいっている政治家がいるとはあきれたものだ。この記事を読んで本当に情けなくおもった。夫婦喧嘩は犬もくわぬ。ましてや、よその家に行って夫の悪口をいいふらすみっともなさ。理性のある大人のやることではないし、ましてや見識のある政治家のすることではない。
 
小沢が日本の何よりダメな政治家を代表している。自民党ともども日本を国家沈没させた張本人の1人が小沢ではないか。過去20年、日本の長期低落政治を作ってきた自らの責任に目をつぶって、相変わらず、この外国紙インタビュー批判は下の下である。菅のやり方が間違っているのなら、官邸に乗り込んでいって、徹底して菅とやり合い、論破し、説得して力ずくでもやらせるのが政治的実力であり、リーダーシップではないのか。政治家は有言実行のリーダーシップでなければならない。いったん口にしたことは必ず実行する。男子の1言、武士に2言がないというではないか。
 
その民主党の最大実力者として、3・11国難に対して敢然と立ち上がってリーダーシップを発揮すべき時に、小沢は一体どれだけのことをやってきたのか。ソフトバンクの孫正義が1000億円をポンと出し、脱原発、自然エネルギーへの転換を指示したのは、危機に出てくる真の指導者の姿であり、誠に尊敬に値する。イチローは1億円を黙って義援金を出し、ジャーナリスト/久米ひろしも2億円を出した。すごいじゃないの、男は黙って勝負する、態度で示す、まことにさわやかな姿であるとおもう。

政治家で態度を示した人があれば教えてほしい。かつて、安政の大地震、大津波で和歌山の村が全滅したとき、私財を投げ出して大堤防を築いて次の大津波ではすべて助かったという浜口ご稜まではいかなくても、政治家としてやれることはたくさんあるはずである。明治の青年の中には「末は博士か、大臣か」などと理想を語り、世界から知識を求めて留学して猛勉強し、末は政治家、大臣になって、世のため、人のために尽くそうという気概、大いなる精神が宿っていた。それが『坂の上の雲」を達成した原動力となった。
明治の政治家にも「われに道理があるならば、100万人ともわれいかん」の気概があった人が多く、大いなる理想と、ビジョンを示し、それを実現、実行する行動力を発揮したのだ。
  

その点で、メディアに登場する小沢の行動をチエックしていたが、その姿は見えなかった。縁の下の力持ちで、真っ先に駆けつけてその剛腕と言われた(?)実力、リーダーシップこそ陣頭指揮で発揮すべきではないのか。常在戦場、危機突破のリーダーシップはみえなかった。鳩山と同罪である。他はおして知るべし。政治家ではなく、鵜合の政治屋集団である。
 
またぞろ、自民党(自分党)などの菅降ろしの永田小学校学芸会が始まっているが、『自滅国家日本の悲劇』の3幕のはじまりで、国民はうんざりを通りこして、怒り心頭である。
明治のリーダーの日清・日露戦争での行動について、最近の古書を買い込んで読んでいるが、
 
1. 伊藤博文、山県有朋、西郷従道、山本権兵衛らはボス同士の派閥対立、犬猿の仲ではあっても、太っ腹で、国難に対しては徹底して論議し、激しくけんかしても、一旦、国家戦略の方針が決まれれば、あとは一致結束し、犬馬の労をとり、恩讐を超えて協力し、下働き、調整役、縁の下の力持ちを発揮して危機を超えていた。とくに西郷従道を見直すべきだ。
2. また、日露戦争の開戦までの経緯をみると、このトップリーダーたちの口の堅いこと、一切情報をもらさないことは驚くばかりで、リーダーのこれこそ真の条件であると合点した。ロシアとの開戦については一切、その態度を微塵も明らかにしていない。不言実行、口の軽いリーダーは1人もいなかったのである。
 
3. その点で、今はテレビの前で政治を批判する、チャラチャラ語る、『有言不実行』の口軽男、政治評論家ばかりで、真の政治家がいないのが日本悲劇であり、こんなマニアル、応用問題ができない人間ばかりを大量生産してきた大学、教育制度が問われているのだ。
 
4. 菅首相を引きずり降ろしても、そのあとに政治評論家はいても、真の政治家も総理大臣もがいないことこそが、日本の悲劇なのである。
 
●「海外からの投資減少を危惧する日本」
<ウオール・ストリート・ジャーナル>2011年 5月 30日  11:02 JST
http://jp.wsj.com/Japan/Economy/node_243185
 
コメント『海外の日本への目は、「人口減少・超高齢、巨額の財政赤字」の衰退国家であり、それなのに改革もできず、政争に明けくれている破綻寸前の3流国家と言う評価であり、日本への関心はすでになくなっていた。
3・11で今度はチエルノブイリとなり、無関心な国から、今度は放射能に汚染された危険な国となってしまった。もともと少なかった海外からの投資が今後増えるはずはどう見てもあり得ない。このきびしい現実に、さらに長期的な放射能汚染が追い打ちをかけており、投資などとんでもないということなのだ』
 

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