★『 地球の未来/世界の明日はどうなる』 < チャイナ・メルトダウン(1057)>『劉暁波弾圧/獄死事件と、約120年前に日清戦争の原因となった「上海に連れ出して殺害した国事犯・金玉均暗殺事件」を比較する』★『中国・北朝鮮には<古代中華思想>による罪九等に及ぶ族誅(ぞくちゅう)刑罰観が未だに続いている』
2017/07/16
★『 地球の未来/世界の明日はどうなる』 < チャイナ・メルトダウン(1057)>
拘束中に肝臓がんで死去した中国の民主活動家・劉暁波(リュウ・ギョウハ)氏の追悼の動きが国際社会に広がる中、軟禁状態が続く妻・劉霞さんの解放を求める声が高まっている。
中国当局は家族らの声を無視して劉暁波氏を火葬にし、遺骨を海にまいた可能性が高いが、当局の監視下に置かれ外部との接触が禁じられて軟禁状態の劉氏の妻・劉霞さんも「体が非常に弱っている状態」で海外から解放する抗議の声が高まっている。
この劉暁波氏の死去をめぐる一連の中国の人権抑圧(罪九等に及ぶ)、言論の自由への近代国家以前の苛酷な弾圧ぶりをみていると、中国はこの千年間、ほとんど進歩していない野蛮国そのままであることを自ら証明している。
それと、同時に中国を見る日本をはじめ各国、マスコミのパーセプションギャップ(認識のズレ、思い違い)と中国の『張り子のトラ』『封建中国の実態』について、あまりの歴史的な無知さを痛感する。
劉暁波氏、統制下で火葬・散骨=妻の処遇焦点に-中国
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017071500411&g=int
劉暁波氏「危篤」 中国に人道の観点はないのか
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20170712-OYT1T50121.html
劉暁波氏死去
ノルウェー苦渋の沈黙、中国批判せず
https://mainichi.jp/articles/20170714/k00/00e/030/219000c
劉暁波の苦難は自業自得? 反体制派が冷笑を浴びる国
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/07/post-7990.php
ノーベル平和賞の劉暁波氏が書いた「中共による抗日戦争史の偽造」
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20151203-00052078/
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日清戦争の発火点となった金玉均暗殺事件
1894年(明治27)3月28日、日本に政治亡命中の金玉均が清国、朝鮮の謀略によって上海へと誘い出されて暗殺された。
金玉均は明治17年12月の甲申事変の失敗で、日本へ亡命、福沢宅に身を寄せ玄洋社の頭山満総帥や朝鮮独立党支持派、犬養毅らアジア主義者のひ護をうけて再起を期していた。
朝鮮国王、閔一派にとって、独立党の首領らが日本に亡命しているのは、まさに猛虎を野に放っているのに等しく、これ以上の危険はない。
翌18年1月10日、甲申事変後の日本との条約商議に際して朝鮮全権・金宏集(きん こうしゅう)は井上馨特派大使に対して、金玉均、朴泳孝らは逆賊なので引渡しを要求した。
これに対し、井上大使は日朝間は犯罪人引渡条約の締結がなく、金玉均、朴泳孝らは政治犯なので、国際法上、人道上の観点から拒絶した。その後、謝罪使兼全権大使・徐相雨が日本を訪れた際にも、再度、金らの引き渡し要求をしたが、井上外務卿は同じ理由で拒絶した。
このため、金玉均らの引渡しは絶望的とみて、朝鮮国王は従兄・李載元を囮にして金玉均を本国へつれ戻す謀略をめぐらせた。18年には宋乗畯(ソン・ビョンジュン)ら二人を日本に潜入させた。しかし、この計画も失敗すると、今度は日本で金玉均を暗殺しょうと、翌19年5月、刺客・池蓮永を日本へ送り込んだが、これまた失敗する。
明治19年4月、日清間で天津条約が締結されたが、日本は朝鮮に対する積極政策を断念したため、朝鮮独立党が日本政府からの援助も再起も絶望的となった。このため、同5月、朴泳孝、徐光範、徐載弼らはアメリカへ渡航し、金玉均だけが日本に一人残った。
その後、金の日本亡命は、日朝関係の大きなトゲと化し、日朝交渉の障害となったので、井上外務卿は金玉均を拘留して小笠原島や北海道に流罪人扱いで島流しにした。
それから約七年が過ぎた明治24年になって、金は日本政府から正式に拘束をとかれて、東京に舞い戻ってきた。
1892年(明治25)5月、朝鮮国王は再び金玉均と朴泳孝らの暗殺指令を出して刺客・李逸植を日本に潜入させた。
朴泳孝は拉致して大きな袋詰めにして、朝鮮に持ち帰る『金大中拉致事件」と同じ手口を仕掛けたが、朴に見破られて失敗した。
李逸植は金玉均へも接近し、金玉均は初めは警戒したが、そのうち付き合うよになった。李逸植は陰謀仲間の日本駐劉清国公使・李経芳(李鴻章の息子)に金玉均を紹介し、両者の付き合いもはじまった。後任公使・江鳳藻とも親しくなり、明治26年9月ごろから、しばしば清国公使館に出入りする仲となった。
朝鮮国王は第2の刺客としてパリ帰りの洪鐘宇を送り込んだ。洪は朝鮮国王から首尾よく目的をとげた際は外務大臣のポストを約束されていた。洪は神田の下宿に住んで、金玉均に接近を図った。洪は金玉均が困窮しているのに目をつけて多額の金を金に貢いで信用させた。
清国公使・汪鳳藻も公使館員を金玉均に接近させ、李径芳との間に密書のやりとりをさせていた。
明治27年初め、李径芳から金玉均へ「父李鴻章の力を借りて、あなたを再び朝鮮政府の要路につかせようと思う。必ず内政改革の志を達成させるので、一度上海まで出かけてきてほしい」との誘いの手紙を送られてきた。
金は早速、玄洋社総帥の頭山満に相談した。頭山は言下に「そんな誘いは全く信用できない、絶対に止めろ」と反対した。犬養毅も岡本柳之助(大陸浪人、陸軍少佐、朝鮮宮内府兼軍部顧問)、金玉均を知る人たちは「これはワナだ」と口を揃えて上海行に反対した。
しかし、金玉均の意志は固く「虎穴にいらずんば虎児を得ず。私は、決してあの刺客の連中に殺されるような男ではないから心配するな。」と書生の日本人和田延次郎と洪鐘宇を護衛に付けて、清国公使館通訳呉保仁を連れて、3月23日、神戸港から西京丸に乗り込み、上海に向かった。27日、上海に到着し、租界内にある日本旅館の『東和洋行』に投宿した。その翌日、洪鐘宇によってピストル3発を受けて金玉均は暗殺された。
金の遺体を清国軍艦で送り届けて、遺体をバラバラにして晒(さら)した。
事件発生と同時に上海工部局警察部は現場を臨検し捜査を始め、逃走していた洪鐘宇は翌29日未明に逮捕された。
この事件は共同租界内の日本旅館で発生したものだが、加害者、被害者ともに上海に駐在領事のいない朝鮮人であったため、上海警察はその処置に困り、江蘇海関道に報告し指揮を仰いだ。
海関道では駐劉朝鮮総理交渉通商事官・袁世凱に事件概要を打電すると、折り返し袁世凱から『洪鐘宇に適当な保護を与えるように』との返電が届いた。
暗殺された金の遺体は随行していた日本人の書生・和田延次郎が納棺して日本に送還するよう手続きしている最中に、清国官憲がきて、押収した。
朝鮮国王は31日に天津駐在督理通商事務・徐相喬に電命して、上海に急行して洪鐘宇の身柄と金玉均の遺体の引渡しを交渉するように命じた。同時に北洋大臣・李鴻章にも援助を懇請した。李鴻章は朝鮮国王に対して「暗殺成功を祝す」との電報を打っていた。
徐相喬は4月6日上海に到着、海関道より洪鐘宇と金玉均の遺体を引渡され、清国軍艦『威靖』で護送し12日、仁川に到着した。
このとき、朝鮮在住の金玉均に同情した日本人居留民は憤激して、仁川上陸の妨害行為を行うとの不穏な噂が流れた。
日本国内でも、金玉均に同情して、清国、朝鮮の態度と政府の軟弱姿勢へ非難が高まり、金玉均の遺体の引取り連動が起きた。尾崎行雄は門下生を遺体受取り委員として上海に派遣した。
岡本柳之助は大越上海領事に面会して、「各国領事の決議を以て、金玉均の死体に惨刑を加えぬよう希望する旨を清国・朝鮮両政府に通告してもらいたい」と要請した。東京では、大井憲太郎らが外務省に対して、「金玉均は日本の法権の保護下にあった者なので、その遺体は日本に送還すべき国際法上のルールがある」と抗議した。
その後、陸奥外相は金玉均の遺体が朝鮮本国へ送られた事実を確認すると、朝鮮国王、閔一族が旧慣習に従って死体に残虐な刑罰を加えると、①国際間の信用をなくす②日本国内の感情を刺激するとして、大鳥朝鮮公使を通じて、朝鮮駐在の各国公使と協力して『金玉均の遺体に刑罰を加えることを中止する』よう朝鮮政府に勧告させた。
3月14日、京城(ソウル)外交団の首席だった大鳥公使は外交団会議を招集し、日本政府よりの朝鮮国王に対する勧告に参加するよう要請した。しかし、ロシア代表のウェーベルは『金玉均は朝鮮国の重大犯人であるから、その処刑は朝鮮国王の権限に属し、外交団の勧告は内政干渉となる』として反対した。
結局、外交団では決議に至らず、各国公使が個人の資格で、罪人の死屍に斬刑にする朝鮮古来の慣習は、朝鮮の国際信用を著しく害する事実を、非公式に朝鮮国政府に説明するということになった。
会議が終了すると、大鳥公使は直ちに督弁交渉通商事務・趙秉稷に会見し、金玉均の死体に再び刑罰を加えることのないように勧告した。
しかし、趙督弁は朝鮮古来の刑律があることを主張して勧告を拒絶した。そしてこの日、楊花津において刑が執行された。金の遺体は、ばらばらに寸断され、首と四肢は、獄門台に梟(さらされ)た。その他の体は、寸断されたま漢江に捨てられた。
朝鮮政府は梟首(きようしゅ)の場所に、「謀殺大逆不道 罪人玉均ハ当日揚在津頭不得時凌処斬」と記した死刑宣告の高札を立てた。朝鮮では最高の惨刑で、日本ではすでに明治以降に廃止になった梟首刑が存続していた。
『日韓文化衝突、ギャップ』が日清戦争の発火点に
朝鮮国の習慣ではこのような大罪人の処分については、何人をも口を出すことは許されず、もし寛減すべしなどの議を唱えれば、たちまち同罪の刑に処せられた。
16日の夜、官吏が出張して来て現場を片付け、胴体は河中に投げ捨てられ、首は京畿道竹山に移して曝し、片手及び片足は慶尚道に回し、他の手足は咸鏡道に送り、各道各府各郡で曝すこととなった。
しかも、これだけでは済まない。その大逆罪は妻子供、親族、友人、親族9等に及ぶという残虐、苛烈なものであった。
金の実父は甲申事変以後10年の監禁刑を受けてたが、金の遺体が到着するや、銃殺刑となった。母と娘は毒をあおって自殺、弟は捕らえられ獄死した。
現在の北朝鮮はこの旧刑罰慣習をかたくなに守って、金正恩体制を維持するために粛清、残虐な処刑、大量虐殺を続けているのは、この中世から続けている『中国流の残虐非道な旧刑罰観』によるものである。
このため、杉村濬臨時代理公使は朝鮮外務督弁・趙秉稷に面会して、その残虐刑の現状を尋ね、屍体に加刑することに忠告しだが、趙督弁は反論した。
「およそ人を刑するのに、その罪親族まで及ぶ、は今の開明諸国では行わないことは、本官もよく知っている。しかし、わが国は五百年来、明律(中国明代の法律)を遵用して来ているので、大逆無道と名づけられた大罪人は、罪親族に及ぶことは法律上において動かすことができない。国民一般もこれを当然と信じている。故に寛大に取り扱うことはできない」と答えた。
杉村は「貴国の法律を曲げてもこれを寛大に処分されたいと希望するものではない。私がかつて取り調べたところでは、明律の謀反大逆の条に、妻女まで絞殺すべしということは見当たらない」と、重ねて申し入れた。
「本官は司法当局者ではないが、わが司法官は決して法に逆らって人を殺すことはないだろうと確信する。」と趙督弁 は答えた。
だが、日本側では、この金の遺体凌辱という無残な最期が報道され、『朝鮮、清国を撃て』との世論が爆発した。
玄洋社、大井憲太郎らの自由民権運動家、対外強硬論者は一致して「清朝同罪論」の国論が沸騰。5月20日、浅草本興寺で営まれた葬儀には、政治家の参列者も多く、一般参列者も含め大盛況の葬儀となった。
いったん青山の外人墓地に祀られた慰霊碑は玄洋社のメンバーが朝鮮にわたり、金のさらした刑台から遺髪を持ちかえり、本郷駒込の真浄寺に新たな墓を作った。
金玉均の暗殺と残虐刑は日本民衆の間にも広がっていた清国と朝鮮への敵意をさらに増幅し、長崎事件以来の清国の横暴に対する堪忍袋の緒が一挙に切れて、爆発したのである。
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