<F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(211)>「6/8付『エルサレム・ポスト紙(6/8)のキャロライン・グリック女史副編集長の”カタール紛争を 取り巻く諸情勢”に関する分析記事は目からウロコ』★『現カタール首長に反旗を翻すどの様な動きも、イランとの開戦の公算を強める。 』●『エジプトとサウジアラビアがカタールを攻撃するならば、NATO同盟国のトルコとアラブの同盟国が戦争状態になる危険が増幅する』
<F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(211)>
。『Qatar, Trump and double games』
(カタールとトランプの表裏の違う行動)
2017/6/8 Jerusalem Post By Caroline B. Glick
http://www.jpost.com/Opinion/Column-One-Qatar-Trump-and-double-games-496332
<F氏のコメント>
6/8付けのエルサレム・ポスト紙、キャロライン・グリック女史副編集長の ”カタール紛争を
取り巻く諸情勢”に関する分析記事は目からウロコです。
彼女は、アメリカ生まれのイスラエル人ジャーナリストでワシントンにある安全保障政策に関する研究センターの中東問題担当シニア・フェローでもあります。コロンビア大学卒、1991年にイスラエルに移住しイスラエル国軍(IDF)に入隊、
1996年除隊後、ネタニャフ首相の海外政策アドバイザー助手を務め、2000年には米国ハーバード大学・ケネディスクールの学位を取得。
現在48才。IDF時代にはパレスチナ政府との交渉にも従事。豊富な実戦体験、アメリカ人の学者としての視点と、ユダヤ人としてアラブ、ペルシャと日常対峙する視点から、今回のカタールとサウジグループの衝突について、その解決と終息に向けて考慮すべき事柄は何か?がよく整理されている様に思います。
人口、高々二百数十万で二十数年前に突如として世界最大のガス田を入手、たちまち一人当たりの国民所得が世界一、ド派手な成金の典型、地続きでサウジと接しペルシャ湾対岸にはイランと、両大国から挟撃、多彩な外交力が問われるところではあります。
カタールがイランにすっかり取り込まれスンニ派国家への一層の侵食のための重要な橋頭堡と化している、サウジ・スンニ派グループの元にはカタールのアル・サーニー一族に政変でも無ければ戻りそうもない事、
オバマのサウジ軽視と対イラン軟化政策がカタールのイラン協調を促進し、クリントン財団が言わば私腹を肥やす副産物も生んでいる。
親イランのカタール現政権を死守するために、イラン革命防衛軍が即王宮警護に駆けつけ、一方ではドーハ郊外のアル・ウデイド米国空軍基地が何事もなく安定稼働している、
この敵対国同士の奇妙な無風均衡状態がカタールの対外的プレゼンスを高めているが、
サウジと湾岸同盟国によるカタール孤立化政策はイランやトルコのカタール支援も始まっており、放置すると失敗する可能性が高く、カタールの今以上の親イラン化を阻止するには米国の仲介と交渉が必須と筆者は言う。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『Qatar, Trump and double games』
(カタールとトランプの表裏の違う行動)
2017/6/8 Jerusalem Post By Caroline B. Glick
> http://www.jpost.com/Opinion/Column-One-Qatar-Trump-and-double-games-496332
以下、記事の概略です。
イスラム社会の安定を脅かすことにおいて、ほぼ疑いなくカタールの役割は、イランに次ぐ働きをしている。
1995年の初頭、パースガス田(世界最大のLNGガス田、が発見され、カタールを急速に世界有数の富裕国に押し上げた。カタール政権はアラブ世界のスンニ派体制に対して、宣伝戦を仕掛けたり、米国の同盟国だと誹謗中傷の宣伝をしたり、テロリズムへの巨額の資金提供をしたりして対抗し始めた。
カタール政府は1996年にアル・ジャジーラを設立した。
中東地域や世界中の何億という家族に放送を届ける汎アラブ民族主義のこの衛星放送局は、スンニ派アラブ世界におけるアメリカの同盟国に敵対し、ムスリム同胞団やそれが産み落とした全てのテロリストグループをサポートし、イランやヒズボラ(レバノン)を助けている。
アルジャジーラは徹底して反イスラエルであり、反ユダヤ人である。
カタールはアルカイダやハマスだけでなくイラクやシリアにおけるイスラム国(ISIS)に親しく関係する民兵に対しても主要な資金供給者となっている。ウィキリークスが発行する2009年からの米国務省情報の中で、米国外交官はカタールが世界最大のテロリズム支援の資金団体であると指摘している。
スンニ派各国は、カタールがイランとの戦略的な提携を放棄することを求めている。各国はカタールがテロリストグループへの財政的支援を打ち切り、自国に滞在するテロリストを追放することを要求している。
ウィキリークスはカタール首長がビル・クリントンに彼の65才の誕生日を祝う贈り物として、クリントン財団に100万ドルの小切手を渡したことを暴露する記録を公にした。カタール政府はクリントン財団に約600万ドルの献金をしたと公表している。
2002年ドーハにブランチを開設したブルッキングズ研究所は、カタール政府からの寄付金という形で、数百万ドルを受け取っていた。
2013年だけでも、カタール政府は1480万ドルをブルッキングズ研究所に寄付している。
国防総省もカタールの恩恵を受けていた。
1990年代に、カタール政府は、ドーハの郊外にアル・ウデイド(AL Udeid )空軍基地を10億ドル以上を投下して建設した。
この空軍基地は、この地域では最も技術的に進んだものである、これは2003年以来、サウジアラビアのプリンス・スルタン空軍基地の代替として、米軍の中央司令部となるもので、イラク、アフガニスタン、シリアにおける米軍の全ての作戦はこの基地からコントロールされている。
また火曜日には、エジプトメディアによれば、イランはカタール首長とその王宮を防護するためにドーハにイスラム革命防衛軍を派遣している。
水曜日にはトルコ議会は、エルドアン大統領がカタール政権を守るために軍隊を派遣できる様決定した。(トルコは2014年にカタールとの間で、軍事協力協定を締結)
現カタール首長に反旗を翻すどの様な動きも、イランとの開戦の公算を強める。
そして又、エジプトとサウジアラビアが、アメリカの協力が有っても無くてもカタールを侵略、又は攻撃するならば、NATO同盟国のトルコとアラブの同盟国が戦争状態になる危険が増幅する事になる。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
<F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(210)>
『カタールの天然ガス輸出先は第1位が日本で全体の約21%』★『イランシンパのカタールを、テロリスト支援国家の役割から全面的に手を引かせる事が今回の国交断絶の主目』
★『コラム:瀬戸際のカタール、事態収拾に元首交代も選択肢』
●『国交断絶、小国カタールがここまで目の敵にされる真の理由』
★『カタール、LNG契約交渉で日本側に強硬姿勢 権益排除も』
●『イラン、日本への液化石油ガス輸出を停止=通信社』
http://www.maesaka-toshiyuki.com/war/25202.html
関連記事
-
★『鎌倉で名庭園発見!』-鎌倉で『桂離宮!』を体験できる「一条恵観山荘」★『古都鎌倉とは対極の370年前の一条恵観山荘庭園(国指定重要文化財)ー京都のみやび(雅)を伝える庭園』
鎌倉で『桂離宮』を体験する「一条恵観山荘」 ーその『優美な姿に感動す」 11月1 …
-
日本リーダーパワー史(671) 日本国難史の『戦略思考の欠落』(53) 「インテリジェンスの父・川上操六参謀総長(50) の急死とその影響➁ー田村 怡与造が後継するが、日露戦開戦4ヵ月前にこれまた過労死する。
日本リーダーパワー史(671) 日本国難史にみる『戦略思考の欠落』(53) …
-
『リーダーシップの日本近現代史』(197)『日本戦争外交史の研究』/『世界史の中の日露戦争』㉘『開戦1ゕ月前の「独フランクフルター・ツワイトゥング」の報道』ー「ドイツの日露戦争の見方』●『露日間の朝鮮をめぐる争いがさらに大きな火をおこしてはいけない』●『ヨーロッパ列強のダブルスタンダードー自国のアジアでの利権(植民地の権益)に関係なければ、他国の戦争には関与せず』★『フランスは80年代の中東に,中国に対する軍事行動を公式の宣戦布告なしで行ったし,ヨーロッパのすべての列強は,3年前,中国の首都北京を占領したとき(北支事変)に,一緒に同じことをしてきた』
2017/01/09   …
-
『リーダーシップの日本近現代史』(61)記事再録/国難の研究― 日露戦争開戦までの外交交渉の経過と政府の対応①『児玉源太郎が2階級降下して参謀次長に就任、全軍を指揮、病気静養中の桂太郎総理の決意、参内し上奏、旨趣
―国難の研究― 日露戦争開戦の外交交渉の経過と政府の対応① &nb …
-
「オンライン・日本史決定的瞬間講座➄」★「日本史最大の国難をわずか4ヵ月で解決した救国のスーパートップリーダー・鈴木貫太郎首相(78歳)を支援して、終戦を実現させた昭和傑僧、山本玄峰(95歳)とは一体何者か?(下)』 ★「禅坊主の死に方を見せてやる」(遷化(せんげ)」★『遺書には「正法(しょうぼう)興るときは国栄え、正法廃るときは国滅ぶ」』
1890年(明治23)に25歳で出家 玄峰は郷里へ帰 …
-
『Z世代のための日本戦争史講座』★『「ハーグ、ジュネーブ条約」を無視して捕虜を虐待、 死刑を指示した東条首相の『武士道は地に墜たりー目には目、歯には歯を』★『陸軍反逆児・田中隆吉の証言』②
●米ドーリットル部隊の東京初空襲(1942 年4月18日)ー真珠湾攻撃から4ヵ月 …
-
記事再録/日韓歴史認識ギャップの本人「伊藤博文」について、ドイツ人医師・ベルツの証言『伊藤公の個人的な思い出』
2010/12/05 の 日本リーダーパワー史(107) …
-
終戦70年・日本敗戦史(115)明治維新直後日本は清国、朝鮮との国交交渉に入るが難航、「中華思想」「華夷序列秩序」「小中華」『事大主義』対「天皇日本主義」の衝突②
終戦70年・日本敗戦史(115) …
-
『Z世代への<日本史難問クイズ?>『リンカーン米大統領が奴隷の解放宣言をしたのは1862年(文久2年)ですが、日本で中国人奴隷(苦力)を解放したのは一体誰でしょうか⑲』★『西郷隆盛(参議・実質総理大臣)です。横浜港に入港した『マリア・ルース号事件』(清国人苦力=奴隷230人をペルーに運ぶ途中)で人権尊重の観点から外務卿・副島種臣に命じて停船を指示・船長を告発させ、裁判後に清国に送り替えした』★『「国の本来の政治は軍備の不備を恐れず、一国の運命をかけても、正論を以てこれを貫くべし」』
2019/07/27 日本リーダーパワー史(858)/記事再録 &n …
-
日本リーダーパワー史(410)『安倍首相が消費税値上げ決断。東京五輪を成長戦略第4の矢に⑦短期国家戦略提言
日本リーダーパワー史(410) 『安倍首相が消費税値上 …
- PREV
- 日本リーダーパワー史(825)『明治裏面史』 ★『「日清、日露戦争に勝利」した明治人のリーダーパワー、 リスク管理 、 インテリジェンス㊴』戦争に勝つための必要条件は外交、軍事、財政の3本柱の協力一致である。』
- NEXT
- 日本リーダーパワー史(826)『明治裏面史』 ★『「日清、日露戦争に勝利」した明治人のリーダーパワー、 リスク管理 、 インテリジェンス㊵』★『ナポレオンも負けた強国ロシアに勝った日本とはいったい何者か、と世界各国の人種が集まるパリで最高にモテた日本人』★『レストランで「あの強い日本人か」「記念にワイフにキスしください」と金髪の美女を客席まで連れてきて、キスを求めたかと思うと、そのうち店内の全女性が総立ちで、次々にキスの総攻撃にあい、最後には胴上げされて、「ビーブ・ル・ジャポン」(日本バンザイ)の大合唱となった』これ本当の話ですよ。