FOX テレビの偏向報道?を英独立テレビ委員会(ITC)が調査
1
03,08
イラク戦争報道については、米FOX テレビが米政権支持を鮮明に打ち出して、その
報道のあり方に疑問が出ていたが、このほど英独立テレビ委員会(ITC)が調査に乗
り出した。「民間放送」2003年6月3日付で次のように報じられている。
米FOX ニュース対象にイラク戦争で米政権支持の立場を鮮明にした米大手ケーブ
ルテレビ(CATV)、FOX ニュースの番組に閲し、英独立テレビ委員会(ITC)はこの
ほど、偏向報道だったとする視聴者などからの苦情に伴い、調査を開始した。
メディア王ルパート・マードック氏率いる豪メディア・娯楽大手ニューズ・コーポレーシ
ョン傘下のFOX ニュースは、米政権寄りとの批判を受ける一方、イラク戦をめぐる視
聴率競争では米CNN を上回るなど商業的には成功を収めている。
今回の調査をきっかけに英国内では「偏向報道」の定義付けが改めて問われること
になるが、同時に公正な報道と商業的成功をめぐっても議論が活発化するとみられる。
英ガーディアン紀(電子版)によると、ITC は、FOX ニュース番組を放映したニュー
ズ・コーポレーション系列の英衛星放送スカイ・デジタルに対し、視聴者などから寄せ
られた合計9 件の偏向報道に関する苦情について調査を進めており、同委員会の設
定した「真の公平に関する規則」に違反していると判断した場合、スカイ・デジタルは
英国内での放送免許をはく奪される可能性もある。
公平報道をめぐっては1999 年、クルド人向けテレビ局、MedTV が度重なるITC の
警告にもかかわらず、公平規則を順守しなかったとして免許はく奪処分を受けた例が
ある。
公平報道を求める英組織『出版・放送の自由運動』のジュリアン・ぺトリー会長は
「ITC はMedTV の免許をはく奪した経験を持つ。(スカイ・デジタルについても)同様
の措置が取れない理由は考えられない」とし、FOX ニュースの番組内容を理由にス
カイ・デジタルを処分するよう要求した。
同会長は「当局による報道監視を支持するものではない。しかし、マードック氏は新
2
聞分野で行ったのと同様、英テレビニュースを自分の望み通りの条件で競争可能な
状態に持ち込もうとしている」とし、マードック氏のメディア戦略がもたらす弊害に懸念
を示した。
同会長によれば、FOX ニュースに代表されるジャーナリズムが英国に持ち込まれた
場合、「視野の狭さと論争水準の低俗化」により、事実上の規制枠がメディアにはめら
れる恐れがある。
ただし、ITC はこうした批判の動きに対し、マードック氏と対立することを懸念してい
るとされる。ITC筋はガーディアン紙に対し、FOXニュースに対する苦情は、他のメデ
ィアに対する苦情と同様のやり方で処理されると述べ、FOXニュースに対する調査が
大きな意味を持つものではないとの見方を示した。
一方、今回の調査開始を受け、
① 公平規則を引き続き大小すべての放送局に連用すべきかどうか。
② 偏向報道の有無を各番組ごとに判断するのではなく、放送局全体の番組から判
断する現行方式の是非-などについても今後議論される可能性がある。
③
その「米FOX テレビがイラク戦争報道で愛国心に訴えて高視聴率を上げて、大幅に
躍進している」との記事が『新聞協会報』(2003,7,15付)に掲載された。
『オーストラリア生まれのルパート・マードック氏が率いるメディア大手ニューズ・コー
ポレーションが、「第四のネットワーク」FOX テレビや、後発勢力だったケーブルニュ
ース専門局FOX ニュースなど米テレビ事業で躍進を続けている。
米中枢同時テロからイラク戦争に至る激動期に米国人の愛国心に訴える徹底した保
守論調を打ち出す一方、スポーツ、娯楽番組の相次ぐ成功が高視聴率と広告収入の
伸びに結び付いた。
しかし「ニューズ帝国」の膨張は米メディア勢力地図を塗り替えつつあり、ライバル企
業や報道の右傾化に危機感を募らせるリベラル派は抑え込みに躍起だ。
ニューズ社が計画中の、衛星テレビ最大手で千二百万の加入世帯数を誇るディレク
TV 買収が成功すれば、地上波ネットワークと多チャンネル(ケーブル・衛星)テレビ、
有力ケーブル局などを一社で兼営する、米テレビ業界初の「完全垂直統合」が実現。
3
一段の勢力拡大に対し、一部の米議員らも警戒感を強めている。
「この男がアメリカのニュースを支配しようとしている」。五月禾、「メディア改革ネット
ワーク」など三つの市民団体はニューヨーク・タイムズ紙に、威圧的な表情のマードッ
ク氏の写真四枚を大写しにした全面広告を出し巨大メディアの膨張に警鐘を鳴らした。
オーストラリアの地方紙経営から出発したマードック氏が、米国市場の本格攻略に着
手したのは一九八〇年半ば以降だ。グループ企業の豊富な番組供給力を背景に全
米の地上波テレビ局の系列化を推進。
人気ドラマ「アリー・my ラブ」、タレント発掘番組「アメリカンアイドル」や、大リーグ「ワ
ールドシリーズ」の独占中継など娯楽面でも勢いに乗るFOX は、ABC など旧三大ネ
ッ
トワークを特定年齢層の視聴率や世帯カバー率で追い付き追い越した。
ニューズ社は九六年にはニクソン、レーガン、ブッシュと共和党元大統領三人の選挙
戦でメディア対策の助言役を務めた大物プロデューサー、ロジャー・エイルズ氏を招き
入れた。同氏の指揮で躍進したのがニュース専門のケーブルテレビ局FOX ニュース
だ。開局から六年目の二〇〇二年、CNN から視聴率トップの座を奪い取った。
「報道内容の信頼度は依然ナンバーワン」と評価されるCNN も今や競合他社とのさ
まざまな合併説が流れるほどだ。
『新聞協会報』(2003,7,15付)
関連記事
-
-
『Z世代のための大谷イズムの研究』★『ドジャース地区優勝決定翌日のロッキーズ戦』『大谷は特大54号3ランで「54-57」を達成』★『地元TV局は「タイタニックな一発」と驚嘆』★『大谷の父親は「真美子さんがいなければ、今の翔平はない」』
ドジャースが地区優勝を果たした翌日の一戦で、大谷翔平投手は27日、敵地・ロッキー …
-
-
<F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(216)>『このところ、中国のシリコンバレーとして深圳が注目されているが、改めてその実力を実感した』★『日本を脅かすIT大国・中国の急成長…圧倒的な先進性、ユーザー規模は数億人』
<F国際ビジネスマンのワールド・ITニュース・ ウオッチ(216)> <F氏のコ …
-
-
世界一人気の世界文化遺産『マチュピチュ』旅行記(2015 /10/10-18>「朝霧の中から神秘に包まれた『マチュピチュ』がこつ然と現れてきた」陸野国男(カメラマン)⓶
★<世界一人気の世界文化遺産『マチュピチュ』旅行記 (201 …
-
-
人気記事再録/『世界が尊敬した日本人⑧『地球を彫ったイサムノグチ』(2008年5月)★『世界から尊敬された日本人ではなく、日本主義と戦い、それを乗り越えることでコスモポ リタンとなった。』
2009/02/10 /『世界が尊敬した日本人⑧』 前坂 俊之 ( …
-
-
『健康ならば死んでもいい患者』の『百歳ムリムリ入門』-『日本初!海上バカ説法を聞け! 鎌倉座禅カヤックー筋肉バトル1万回は<快楽、爽快、 苦役、悦楽、苦多苦多>大喝じゃ!,ああシンドいわ!』
2012年11月20日『百歳学実践入門』(223『釣りバカ・カヤック日記』番外編 …
-
-
鎌倉カヤック釣りバカ日記(2022年5月24日)忍者・カワハギ君と久さしぶり決闘、逗子マリーナ沖の魚クンにもご挨拶しましたよ.
24日午前5時半、川越名人とスタート。快晴、無風、ブルースカーイ、富士山がかすん …
-
-
新刊『明治お雇い外国人とその弟子たち―日本の近代化を支えた25人のプロフェッショナル』(片野勧著)
新刊 『明治お雇い外国人とその弟子たち―日本の近代化を支えた25人のプロフェッシ …
-
-
日本メルトダウン(918)『扇動政治家の論調、実はファシズムと同じだ』●『英国EU離脱が示した「グローバル化の終わり」(池田信夫) 「世界が1つ」になる日は来ない』●『 愚かな英国と賢いドイツ、この差はどこで生じたか ブレグジット以降の成長戦略』●『中国が東シナ海で日本を威嚇する本当の理由』●『人工知能:機械の進化 (英エコノミスト誌)』
日本メルトダウン(918) 扇動政治家の論調、実はファシズムと同 …
-
-
池田龍夫のマスコミ時評(102)『米上下両院、14年度グアム移転予算を認可(12/16』『疑問だらけの「エネルギー基本計画」(12/13)』
池田龍夫のマスコミ時評(102) ◎『米 …
-
-
日本メルトダウン(1006)―『惨敗!プーチンに授業料3000億円を払って安倍首相が学んだこと』●『 困難は自明の北方領土交渉、過去の約束を突きつけよ ソ連だけでなくアメリカにも翻弄されてきた北方領土』★『北方領土はこうしてソ連に奪われた 日本の歴史的領土は千島列島全体だった』●『 習近平主席の改革が成功し得ない理由 中国危機は時間の問題、レーニン主義が強すぎる一党制国家の宿命(英FT紙)』●『アメリカの「核の傘」がなくなったら…を想像できない困った人たち』●『 安倍首相「真珠湾訪問」は、中国ロシアを牽制する絶妙の一手 日米ハワイ会談の正しい読み方』
日本メルトダウン(1006) 惨敗!プーチンに授業料3000億円を払って安 …
- PREV
- 正木ひろしの思想と行動('03.03)
- NEXT
- 「センテナリアン」の研究