『オンライン/新型コロナパンデミックの研究』ー『「withコロナ宣言」でポストコロナの世界はどうなるか』★『GAFAを生み出した「デジタル・ネーティブ/パソコン第一世代」(ミレ二アル(Y)世代(25ー40歳))とすれば,「スマホ第2世代」(Z世代)がwithコロナ社会の未来を拓く』(5月27日)
「withコロナ宣言」―Z世代が未来を拓く
前坂 俊之(ジャーナリスト)
東京都の小池知事は5月25日に緊急事態宣言を解除したが、「今後は新型コロナウイルスとともに生きていく。その『新日常』をみんなで作っていく」との「withコロナ宣言」を発表した。6月1日から休業要請の段階的緩和を示したロードマップのステップ2へ移行し、学習塾、映画館、劇場、商業施設、スポーツジムなどの営業を再開する方針を示した。
その解除の途端、それまでひとケタだった感染者が29日は22人、30日は14人、31日は5人と増え、北九州市では合計約97人の「第2波クラスター」が発生し、再び「クラスター発生の危険度が上がっている」と専門家は警告を発した。
世界のパンデミックの状況を見ると、31日現在で感染者は約600万人を突破、死亡者も40万人に上り、その増加ペースは一向に衰えていない。
日本はさらなる「第二波」や「第三波」を防ぐために①3密主義②マスク常用③換気の徹底③人の間の1~2mの距離確保④近距離での会話回避。テレワークの増進を徹底して、感染予防を怠ってはならない。
では、ポストコロナの世界は一体どうなるのか。
今のところ、WHOも、トランプ大統領も、習近平主席も誰も彼もが予測できない状態といってよい。人類にとって全く未知,未見の物質、新型コロナとの戦いは始まったばかりなので、先行きはまだまだ不透明で不確実性は一層高まっている。
世界保健機関(WHO)は5月中旬、「コロナウイルスはパンデミックからエンデミック(風土病)になり、今後も世界各地で存在し続ける可能性が強い」と発表している。
「2022年冬までに起こりうる3つのシナリオ」-と題して米ミネソタ大学感染学研究政策センターとハーバード大学公衆衛生大学院の共同研究(コンピューター・シミュレーション)を5月22日に発表した。
それによると、
- 第一シナリオは今後も2〜3ヵ月おきに南北半球で夏冬も関係ない感染の波が「山や谷」のように、各地で起こり続ける。
- 第二シナリオは「1918年のスペイン風邪」と同じで今秋冬にさらに大きな第2波がきて、致死率が上がる。同時に冬のインフルエンザの流行と重なり、多くの国々で医療制度が崩壊するという最悪のケース。
- 第三のシナリオはこの数ヵ月で各国政府が感染者の急増に対処する術を学んだので、今後は感染が激増することはないが、常にどこかで一定の感染が起きる。
以上3例だが、治療薬やワクチン開発、人口の半分以の集団免疫ができる時期によって3ケースのどれかに決まり、犠牲者の数も左右される、という内容だ。
「ポストコロナ」の経済社会はどうなるのか。その予測については,私見を述べると「ロックダウン」の1ヵ月間で見えてきたものは「テレワーク世界同時革命」の進行であろう。人類はこれまで都市に人、モノ、カネ、情報、商店、交通網を集中する「3密主義経済」を実現し、20世紀の「大量生産・大量消費の工業社会」を発展させてきた。
この最大の成功例が地震列島リスクの上に築かれた日本型「東京一極集中・アナログ垂直ピラミッド型システム」で、万一東京コケたら皆コケる脆弱なシステムである。
今回、新型コロナの猛攻撃で、人々は仕方なく、ステイホーム(在宅)で、テレワークで仕事をやってみると、意外に仕事の効率性は上がり、移動の時間も通勤代も削減できる。時間の余裕が生まれ、家庭を大切にして毎日、チャットやLINE動画でこどもを見守り、オンライン飲み会をやっていると、毎月の会食代は何分の1までに節約でき、会社も個人もその有効性に初めて気がついたといえる。新型コロナによる「働き方改革実践」のケガの功名といえるだろう。3月末時点でテレワークを実施した企業120社以上にのぼった。
ところが、1人10万円の給付金の申し込みをオンラインで行うと、各自治体ではシステム障害で支給遅れが続出し、「ハンコ、FAX行政経済」から脱皮できていない日本の現状が浮き彫りになった。
ポストコロナで先進国として生き残るためには、現在の「アナログ・ガラパゴス・ジャパン」から21世紀の「スマホ・IoT・AI・ジャパン」に改革しなければ「明日の日本」はないといえる。
では未来の日本を担う人材は一体だれなのか。
これについては日経新聞(5月26日付)で中山淳史コメンテータによる「Z世代とつくるコロナ像」のオピニオン欄の記事に示唆を受けた。
中山氏によると、Z世代(現在10~24歳。国連人口推計では前のミレ二アル(Y)世代(25ー40歳)を上回る消費や文化への絶大な影響力をもつ世代)。GAFAを生み出したのが「デジタル・ネーティブパソコン第一世代」とすればZ世代は「そのスマホ第2世代」といえるだろう。
「Z世代はSNSという道具を存分に使いこなし、Y世代やその前の世代とは人生観も価値観も異なるが故に、他の世代に見えない課題が見えている。小学生を対象にしたプログラミングコンテストでも「問題解決」という条件を出さなくてもIT検索とSNSの協同作業でA1を駆使して創造的なアプリを次々に作り上げてくる、信じ難い技術と技能をもった子供が多いという。
いわゆる天才少年プログラマ―というわけだが、明治以来100年続く小中高大一貫単線教育のガラパゴスジャパンシステムこそ日本停滞、沈没の象徴といえるだろう。
関連記事
-
世界/日本リーダーパワー史(897)『米朝会談は5月に迫る、トランプの仕掛ける貿易戦争では日本もターゲットにされた。 トランプ大統領と蜜月の安倍首相は、寝耳に水の窮地に立たされている。
世界/日本リーダーパワー史(897)- 安倍首相が森友学園をめぐる財務省の公文 …
-
日本リーダーパワー史(775)『 明治史の謎を解く』-『 日英同盟前史ー北清事変(義和団の乱)で見せた日本軍 のモラルの高さ、柴五郎の活躍が『日英同盟』締結の きっかけになった』
日本リーダーパワー史(775) 明治史の謎を解く 日英同盟前史ー北清事変( …
-
『オンライン/ベンチャービジネス講座』★『日本一の戦略的経営者・出光佐三(95歳)の長寿逆転突破力、独創力はスゴイよ④』★ 『国難に対してトップリーダーの明確な態度とは・・』★『終戦の『玉音を拝してー➀愚痴を止めよ。愚痴は泣き声である②三千年の歴史を見直せ➂そして今から建設にかかれ』★『人間尊重の出光は終戦であわてて首切りなどしない。千人が乞食になるなら、私もなる。一人たりとも首を切らない」と宣言』
国難に対してトップリーダーはいかにあるべきか。 1945年(昭和2 …
-
『Z世代のための日本近現代興亡史講座』★『米週刊誌「タイム」の表紙を飾った最初の日本人は東郷平八郎』★『日清戦争の英国商船撃沈事件「高陞号事件」で世界デビューした東郷平八郎』
2009/06/27 「日本リーダーパワー史②」記事再録 「タイム」 …
-
新刊です・申元東 著, 前坂俊之監修『ソニー、パナソニックが束になってもかなわない サムスンの最強マネジメント』徳間書店 (1600円)
新刊刊行・申元東 著, 前坂俊之監修『ソニー、パナソニックが束になってもかなわな …
-
速報(458)『日本のメルトダウン』●「アウシュヴィッツで考える、麻生発言(上)』●【社説】日本は税制改革に取り組む必要」
速報(458)『日本のメルトダウン』 ●「 …
-
『リーダーシップの日本近現代史』(140 )再録/日米の歴史パーセプションギャップ・誤解の原因は②・・ダンスは野蛮・国会は魚市場のセリと同じ日米の歴史パーセプションギャップ・誤解の原因は②・・ダンスは野蛮・国会は魚市場のセリと同じ
2010/06/10   …
-
日本メルトダウン脱出法(882)『米、監視対象に日本初指定=為替介入をけん制』●『恐怖と怒り招いた日銀マイナス金利、4月会合打つ手なし-早川元理事』●『広島宣言に「誤訳」を忍び込ませた外務省―英語では「非人間的」とは書かれていない(古森義久)』●『日本の「報道の自由」は香港や韓国より下なのかー国連を利用して「醜い日本人」を世界に売り込む活動家(池田信夫)』
日本メルトダウン脱出法(882) 米、監視対象に日本初指定=為替介入をけん …
-
『Z世代のための日本最初の民主主義者・中江兆民講座③』★『中江兆民(53)の死に方の美学』★『医者から悪性の食道ガンと宣告され「余命一年半・・」と告げられた』★『兆民いわく、一年半、諸君は短促なりといわん。余は極めて悠久なりという。 もし短といわんと欲せば、十年も短なり、五十年も短なり。百年も短なり。 それ生時限りありて、死後限り無し」(『1年半有』)』
2023/11/22 『Z世代のための死生学入門』記事再 …
-
日本メルトダウン脱出法(606)◎「世界経済:過去と未来の相似」(英エコノミスト誌)◎『ノーベル賞 中村修二氏が語る-日本の イノベーション」
日本メルトダウン脱出法(606) ◎「世 …