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百歳学入門(15) <日本超高齢社会>の歴史とは⑤…<徳川歴代将軍の年齢、実力調べ・・・・・>

   

百歳学入門(15)
 <日本超高齢社会>の過去とは⑤…
         <徳川歴代将軍の年齢、実力調べ・・・・・>
   前坂 俊之
                        (静岡県立大学名誉教授)
 
 
Q>・・ じゃー徳川時代に飛びましょう。

秦の始皇帝は不老不死を求めて世界中から妙薬、秘薬を集めました。北朝鮮・金王朝のように将軍さま専用の「不老不死病院」を作って、あの手この手での延命策を弄しているように、世界各国の歴代王朝は不老不死作戦もあまり変わりません。徳川将軍たちはどうだったんでしょうか。
 
「徳川幕府約270年間。家康が天下を統一して1603〔慶長8〕年に60才で、幕府を開いて以来、二代秀忠 三代家光でほぼ幕府の基礎を固めて、以後計15人の将軍たちが世襲で、次々に幕府を統括して、世界の歴史にも珍しい長期の鎖国体制を築きました。           
 将軍の中で、最も長生きしたのは“最後の将軍”十五代慶喜で76歳、喜寿にあたる歳ですが、将軍在職期間はわずか一年であり、他の将軍との寿命の比較はできません。次いで、家康以下8人が50歳以上、それ以下は6人ですが、七代家継はわずか6歳で亡くなっていますよね。 
 
秀忠は寄生虫による内臓疾患、家光は腎臓疾患。お犬将軍綱吉はハシカ。家宣は風邪をこじらせ肺炎で亡くなっていますし、吉宗は玄米と菜食主義に徹し、67歳まで名将軍ぶりを発揮しています。
将軍たちの平均寿命は四十九歳で、今で言えば働き盛りの年になくなっているのです。当時の人々の平均寿命は3,40歳ほどですので、当時の最高の医療技術のバックアップをうけていた将軍は決して長寿とはいえません。最年少で将軍についたのは7代家継で、なんと2歳でつきましたが、生来の虚弱体質で、四年後に6歳で病死。この幼児将軍・家継はパパ代わりの御用人(間部詮房)を出迎えて抱きついていたといいます。
 
もっとも長く将軍職をつとめたのは、11代目の家斉(いえなり)で、在位期間は50年に及びます。この家斉は精力絶倫でオットセイ将軍というあだ名を付けられた。妻妾が40人ほどいて、その腹からなんと50人以上の子供を生ませたというから、これは日本一のハーレムですね。

27人の女子たちは各大名におしつけて結婚させましたが、この子供たちの膨大な養育費が幕府財政を窮迫させることとなります。家斉は67歳で亡くなるが、病気らしい病気は一度もなく、ヨーグルトと生姜(しょうが)が大好物で、毎日のように飲食していたといわれます。

歴代将軍の長寿順位は
<在職期間>
    15代 、徳川慶喜   76歳、  〔1年〕
    初代   徳川家康   74歳   (2年)
    11代  徳川家斉   68歳、 〔50年〕
    8代   徳川吉宗   67歳  〔29年〕、
    5代   徳川綱吉   63歳  (29年)
    12代  徳川家慶   60歳  〔16年〕
    2代   徳川秀忠   53歳  〔18年〕
    6代   徳川家宣   50歳  〔3年〕
     9代   徳川家重  50歳  〔15年〕
    10代  徳川家治   49歳  〔26年〕
    3代  徳川家光    47歳  「28年〕
⑫ 4代   徳川家綱   39歳  〔29年〕
⑬13代   徳川家定   35歳  (5年)
14代   徳川家茂   20歳  (8年)
7代   徳川家継    4歳   〔3年〕
 
 
次いで子供が多かったのは13代の家茂で、23人です。それぞれ女の子は各藩主にあてがって嫁がせており、将軍だとてわが娘のことなので親としての苦労は変わりない。世継ぎは実力による選択でなく、血筋による、どれだけ近いかという選択なので、側近政治が行われ、将軍に指導力は求むるべきもない。
 
天海大僧正107歳?こそ徳川幕府の盤石な体制を築いたのじゃな
 
「徳川家康と秀忠、家光の三代将軍の指南役となった天台宗・南光坊天海(1536年? – 1643年11月13日)は徳川時代ではもっと長寿を保った人物です。上野寛永寺、日光東照宮などをつくり、107歳から138歳まで生きたという説もある。

天海は長寿は「気は長く 勤めは固く 色うすく 食は細うして 心ひろかれ」と心得を述べ、長命は『粗食 正直 日湯(ひゆ) 陀羅尼(だらに) おりおりご下風(かふう) あそばさるべし』とも言っているよね。

 
つまり、「あせらず気を長く持って、仕事はしっかりこなして、色欲をおさえて、食事はほそく腹8分におさえて、心はゆったり保つ」ということであり、長生きには粗食と、正直、自分にも回りにもウソをつかずストレスをためない、日湯は毎日風呂に入ること、「陀羅尼」とはお経のことで、お経をよむこと、また、だらり(男の場合はあそこ)と体をゆったりとして、「下風」(オナラ)を人に遠慮せず放屁すべしと説いている。体も精神も緊張をといてゆったりすることが、ストレスの発散、今に通じるということですね」
 
 ふだんから、自分の健康には人一倍気を遣っていた徳川家康が、心安くしている天海に、「長生きのコツなど、あるものであろうか」と尋ねました。
 天海がニッコリ笑いながら、答えたのが「長生きは…・⊥以下の文句なのです。天海は家康の〝知恵袋〟といわれ、信頼もたいへんに厚かった僧で、一〇八歳まで長生きしています。
 
 天海が家康に伝授した「長生きの秘訣」は、決して難しいものではありません。だれにでも実行でき享すし、現在でも立派に通用する〝自然流〃ともいうべき「長寿法」です。
 
●粗食が一番、間はカネや地位を握ると、とかく贅沢におぼれ、美味、飽食に流れやすく、肥満して内臓脂肪で、これがいちばん悪い。美食は下道なり。「粗食」といっても「粗末な食事」のことではなく、「素食」のことで、新鮮で質のよい材料を選び、あっさり味で食べることです。
 
●正直……自分にも自然にも正直に生きること。ちいさなことに、くよくよせず、「一怒一老」「怒りは敵と思え」「鳴くまでまとうホトトギス」の家康流の長生き精神で、正直にストレスをうまくためずに生きる方法を体得する。病気を防ぐ免疫機能のメカニズムを損なうことは、よく知られていることです。自
   然体のマイペースが、いちばん健康によい、ということでしょう。
 
●日湯……温泉大好き人間こそ長生きする。入浴を毎日実行して、全身の皮膚を外気にさらすのが「日湯」。入浴で、血行もよくなり、新陳代謝がさかんになり、ストレスを解消に湯流利、免疫効果を高める。
 
●陀羅尼……真言密教の経文のことで、声を出してお経を読むことを勧めています。腹の底から発声して読経することは、一種の腹式呼吸法となり、肺と心臓を丈夫にするだけでなく、精神統一にも役に立ちます。
                                                            
 ●下風あそばされかし……「下風」はおならのこと。おならの語源は「御鳴らし」。 「下から出る風」という意味です。

おならの正式名称は「屁」で、年をとると腹部におならが溜まりやすい、健康ニは有害なことが多く、屁の成分の硫化水素やインドールなどの有害物質が腸壁から体内へ吸収され、血液から全身を循環して、吹き出物、頭痛、体調異変の原因にもなる。

屁は万病のもと。遠慮せず、女性の場合も我慢するな、美容屁じゃ。出すごとみきれいになる。毒ガスは体内よりも表に排出せよ、思いっきり一発放つべきでしょうブリブリやるべし、すかすべし、放屁もまた重要になってくるのです。天海の長寿の秘訣は日本人必読、必守るべきいっているわけです。

 
これが天海流の長寿法です。
 
 
 
 

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