百歳学入門(44)カルピス創業者・三島海雲(96)の健康法>一に散歩、二に日光浴、三に食養生。早朝散歩と日光浴を毎日実行。
百歳学入門(44)
<カルピス創業者・三島海雲(96)の健康法>
①『必要な金はどこからか自然に湧いて来る
②一に散歩、二に日光浴、三に食養生。
③早朝散歩と日光浴を毎日欠かさず実行。
前坂俊之(ジャーナリスト)
<三島海雲 (みしまかいうん)1878・7・2-1974・12・28 九十六歳>
八十歳を過ぎても元気いっぱいで、1日 10時間の睡眠と8時間を健康維持に当て、健康法を実践していた。
① 日光浴…・一年中、夏は朝、直射十分、冬は木蔭などで3,40分日光浴を続ける。また、拡大鏡を使って
お灸の要領でへソのまわりを高温で焼く。
お灸の要領でへソのまわりを高温で焼く。
② ローヤルゼリーの服用
③ 生活……野菜、果実、海藻、牛乳などのアルカリ性の食品を多く食べる。
④歩行禅…朝食前に4000歩、夕方も三3000歩以上歩く。足が弱ると脳の働きも弱る。
⑤手足の温浴…・朝、昼、夕の食前に、手足を四〇度ぐらいの温湯で十二、三分間温める。
三島海雲は大阪府下の貧乏寺に生まれた。西本願寺文学寮に学んだ縁から北京東文学舎に招かれ、ここで奈良の山林財閥・土倉庄五郎の五男五郎を知り日華商会を創立する。
以後一三年間、大陸中国にわたりの日華・日モンゴルの友好を念じながら、雑貨商、牧羊、養蜂などいろいろな事業を試みたものの、辛亥革命で無一物となり帰国した。
この間に軍馬買付けのため内蒙古入りしたとき、蒙古の上流階級の人びとが
牛乳の脂肪クリーム(ヨーグルト、酸乳)を食べているのを見た経験を生かして企業化に取り組んだ。
最初は「醍醐味」、蒙古の牛乳クリームをそのまま栄養食品としたもので製造には成功するが、マスプロ化できないことと、脱脂乳の始末に困って失敗。次は乳酸菌入りキャラメル「ラクトー」、これも商品に欠点はなかったが、宣伝費不足のために失敗。最後に原料を逆にして、脱脂乳を醗酵させて砂糖とカルシウムを加えた「カルピス」を創業(大正八年)した。
まもなく第一次大戦後の不況に襲われた。ドイツの芸術家が猛烈なインフレで困っていると聞いて商標をドイツで懸賞募集する。賞金八〇〇円(八〇〇兆ドイツマルク)応募作晶は国内で展覧即売するというこの催しは爆発的人気をよんでカルピスの知名度を一気に高める。
大正一二年九月一日の関東大震災には、東京恵比須の工場はさいわい被害をまぬがれたため、欝災地は水道が止まったと聞いて在庫のカルピスを全部トラックに績んで被害者に無料で配った。「全く奉仕のつもりだったが、これが大歓迎、大感謝を受けて、あれから一生カルピス党というファンをつくった」うえ、新聞に報道されて一躍「カルピスは全国ブランド」となった。となる。
三島はこの経験から商品広告よりも企業イメージ広告に力をいれて、イベントを次々に開催、伝書バトレース、日比谷公園での公開囲碁大会、宮城道雄の琴演奏会などを連発し「宣伝PRの天才」といわれる。
①本願寺文学寮で杉村楚人冠から「自然は裸であるが何物にも驚かない」というエマーソンのことばを教わった。大無量寿経には「有田有憂、有宅看憂」 (田を持てば田を憂い、家を持てば家を憂う)とある。人のこころの憂いは所有欲から生ずる。自然のよう人間でありたいーを理想とした。
② エマーソンは「物理学の法則も心理学の法則も同じである」という。四五
度の角度で入って来た光線は四五度で反射する。人のこころもこちらが打算を離れて接すれば相手も同じように応じる。阿含経には「すべての効果ある行為は私欲を離れた根から生ず」とある。
③三島は「必要な金はどこからか涌いて来る。事業は金がなくてはできないが、正しい確たる裏付けのある事業には必ず金は自然に入って来る」という。
④最後に「私の事業は人さまの好意と援助で発展した。今度は私が報いる番だ」と、昭和三八年にカルピスの全持株を手離し、学術振興の三島財団を設立した。
三島海雲の独特の健康法、養生法
幼時から病弱で、闘病生活を余儀なくされたので、若いころから「健康をいかに保つか」に人一倍気を配り、独特の健康法を編み出した。
それは「天行健」(てんこうけん)と呼ぶもので、天体の運行のように時間を守り、規則正しい生活を送れば、商売は繁盛し、身体は健康になるという考えかた。五十歳を過ぎて自身もこれを実践した。
食品関係の創業者にはグリコの江崎利一(九十七歳)、日清食品の安藤百福(九十六歳)、カゴメの蟹江一太郎(九十六歳)と長寿者が多いが、健康法を一番熱心に研究し、実践したのは三島である。
健康長寿の秘訣を問われると「一に散歩、二に日光浴、三に食養生」と答、え、とくに早朝散歩と日光浴を毎日欠かさず実行することを勧めた。「散歩をなさい。足が弱ると、脳の働きや腰の力まで弱る。頭と足をできるだけ働かす日常生活を送ること」と答えた。
八十歳を過ぎても元気いっぱいで、1日 10時間の睡眠と8時間を健康維持に当て、健康法を実践していた。
④ 日光浴…・一年中、夏は朝、直射十分、冬は木蔭などで3,40分日光浴を続ける。また、拡大鏡を使ってお灸の要領でへソのまわりを高温で焼く。
⑤ ローヤルゼリーの服用
⑥ 生活……野菜、果実、海藻、牛乳などのアルカリ性の食品を多く食べる。
④歩行禅…朝食前に4000歩、夕方も三3000歩以上歩く。足が弱ると脳の働きも弱る。
⑤手足の温浴…・朝、昼、夕の食前に、手足を四〇度ぐらいの温湯で十二、三分間温める。
関連記事
-
百歳学入門(37)『ロケットの父・天才老人・糸川英夫(86)の『加齢創造学』ー人間の能力は6,70歳がピークだよ
百歳学入門(37)―『百歳長寿名言』 『ロケットの父・天才老人・糸 …
-
[ オンライン/新型コロナパンデミック研究』★『新型コロナと世界の沈没①―コロナ共存社会は数十年続く』★『コロナ感染者、世界で2000万人突破(8月15日)』★『日本の死亡率は欧米よりなぜ大幅に低いのはなぜか』★『ワクチン開発の国際的な大競争と囲い込み』
『新型コロナと世界の沈没―コロナ共存社会は数十年続く』 前坂 俊 …
-
『オンライン講座/ウクライナ戦争と日露戦争を比較する⓶』★『1904年(明治37)/2/4日、日露戦争を決定する御前会議が開催』★『明治天皇は苦悩のあまり、10日ほど前から食事の量が三分の一に減り、眠れぬ日が続いた』★『万一わが軍に利あらざれば、畏れながら陛下におかれましても、重大なるご覚悟が必要のときです。このままロシアの侵圧を許せば、わが国の存立も重大な危機に陥る(伊藤博文奏上)』
2021/09/01 『オンライン講座/日本興 …
-
『天才老人・禅の達人の鈴木大拙(95歳)の語録』 『わしは、過去のことは考えんな。いつも未来のことを考えておる』
『天才老人・禅の達人の鈴木大拙(95歳)の語録』 『わしは、過去の …
-
『オンライン・カヤックフィッシング講座『2015年/ゴールデンウイーク中の鎌倉沖のキス釣り動画』★「ファースト・ダブル・キス」で釣れ続く「ゴールデン・キスウイーク」の始まり』★『2022年地球温暖化、海水温上昇で、海生物が激減し<魚の消えた海>へ』
★『2015/04/26 <鎌倉カヤック釣りバカ日記」再録] …
-
知的巨人たちの百歳学(125)『柔道の神様』三船 久蔵(81歳)の習慣ー『体を錆(さびる)させるな』『動くことがどんな人にも必要な健康の基本』
知的巨人たちの百歳学(125) 『柔道の神様』-講道館師範、柔道十段 三船 …
-
知的巨人の百歳学(142)『一億総活躍社会』の国策スローガンを嗤うー「美食は外道なり」「贅沢はステキだ」「国策を嗤いとばし、自己流の美学を貫いた」超俗の作家・内田百閒(81歳)
知的巨人たちの百歳学(142) 『一億総活躍社会』『超高齢/少子化日本』の国策ス …
-
日本メルトダウン脱出法(749)「安倍首相の経済への理解度に対する疑問」●「TPPの湯」に入れない中国の自業自得」●「中国の成長率は本当は何パーセントなのか?」
日本メルトダウン脱出法(749) 安倍首相の経済への理解度に対する疑問 http …
-
東京国立博物館で開催の「運慶」展(9/26ー11/26)は入場者が60万人を突破する大人気』★『運慶仏像を間近に見ることが出来る鎌倉杉本寺を紹介する』★『その裂ぱくの大迫力にエネルギーをもらう』
上野の東京国立博物館で開かれていた「運慶」展(9/26日から11/ …
-
『百歳学入門』(230)『わが鎌倉30年カヤック釣りバカ日記』懺悔録-海には毎回、大自然のドラマがあり、サプライズがあるよ!
2013/06/21の記事の再録 『鎌倉30年カヤック釣りバカ日記』懺悔録- …