池田龍夫のマスコミ時評(125)『奇怪な右派団体、「日本会議」』(8・23)●「安倍首相の体調不良が心配」(8・22)
2015/08/24
『奇怪な右派団体、「日本会議」』(8・23)
日本の政治に重大な影響力をもつ日本会議(にっぽんかいぎ)と称する極右団体に
ついて欧米の新聞・週刊誌が警告を発していることを知って驚いた。
フランスの週刊誌L’Obs(旧 Le Nouvel Observateur)に掲載された “LA FACE CACHÉE DE SHINZO ABE(アベシンゾーの隠された顔)” という記事の内容に注目が集まっている。英 The Economist紙 や仏 L’Obs 誌 などが相次いで、日本の危険な右翼団体「日本会議」が、安倍政権の政策に大きな影響を与えていると報じていた。
世界第三の経済大国である日本は、数か月前から、(総理大臣、安倍晋三も含めて)閣僚の4分の3が、歴史修正主義で権威主義の極右団体「日本会議」に属している。
大手メディアは、元々ローカルだったこの団体を見下していた。2012年12月の安倍内閣の指名と、さらに昨年秋の内閣改造後、日本会議所属の閣僚の数がさらに増えて、その強大さに面食らうまでは。それまでは田舎の、片隅のものと見なされていたこの極右団体が、日本の政治の中心に躍り出たのだ。
1997年発足した「日本会議」の6大スローガンは、①憲法改正、②教育基本法改正、③靖国公式参拝の定着、④夫婦別姓法案反対、⑤より良い教科書を子供たちに、⑥日本会議の主張の発信――である。
2002年9月以来、「10万人ネットワーク」(設立5周年事業リーフレット)を目指して活動を続けている。また、これに協力する「日本会議国会議員懇談会」(現在242人、会長・麻生太郎衆議院議員)を持ち、国会と地方議会に強い影響力がある。
明治・大正・昭和の元号法制化の実現、昭和天皇御在位60年や今上陛下の御即位などの皇室のご慶事をお祝いする奉祝運動、教育の正常化や歴史教科書の編纂事業、終戦50年に際しての戦没者追悼行事やアジア共生の祭典の開催、自衛隊PKO活動への支援、伝統に基づく国家理念を提唱した新憲法の提唱など、30有余年にわたり正しい日本の進路を求めて力強い国民運動を全国において展開。2014年12月24日に発足した第三次安倍内閣、そのメンバーのほとんどが日本会議の関係者…。
集団的自衛権の行使を容認し、自衛隊法の改正など有事法制を整備して、軍備強化で世界平和に貢献するという方針も、日本会議が目指す「誇りある国づくり」の一環だ。 国会議員約260名をはじめ経済界、学界、宗教界など各界代表や北は北海道から南は沖縄に至る全国47都道府県の代表約1000名が結集。20年の国民運動の成果を引き継ぎ、美しい日本を再建し誇りある国づくりを目指した新しい国民運動がスタートした。
(いけだ・たつお)毎日新聞OB。
「安倍首相の体調不良が心配」(8・22)
安倍晋三首相がこのところ体調不良に悩まされていると、週刊誌が相次いで報じている。報道が続く背景は何なのか。安倍首相には、下痢や下血などを伴う潰瘍性大腸炎の持病があるとされる。8年前に突然首相を辞任したのも持病悪化のためだったというが、新薬を服用してから問題がないことになっていた。
週刊ポストや現代、文春などが次々に報じる
週刊ポストは、8月10日発売号で、安倍首相の健康不安がまた浮上してきたと指摘した。記事によると、安倍首相は7月30日、首相官邸の総理執務室で昼食を拒むほどの体調不良を訴えて嘔吐し、常駐医師の応急手当てを受けたという情報だ。安保法案の国会審議などでストレスを溜めていたことが原因と考えられるという。潰瘍性大腸炎は、ストレスが発症に関係するとも言われている。
翌々日には、安倍首相は3時間近くもジムに行ったというが、記者や議員の間では、医療上の手当てを受けていると見られている。
週刊現代も、8月17日発売号で、安倍家と親しい関係者の話から、首相の母親が、トイレが長く下血しているのではないかなどと息子の体調を心配していると報じた。
さらに、週刊文春の19日発売号は、官邸関係者の話として、安倍首相が6月30日、東京ステーションホテルで会食中に気分が悪くなり、トイレに駆け込んで血を吐いたと報じた。安倍首相は、別室に医師を呼んで診察してもらったという。専門家によると、潰瘍性大腸炎では吐血はせず、薬の副作用などが出たらしいとのことだった。
また、文春の記事では、7月1日に帰宅途中の車内で「トイレに行きたい」と腹痛を訴えたほか、8月6日に出席した広島の平和記念式典でも体調を崩したという。
安倍事務所は、文春報道を事実無根と否定
文春報道については、安倍晋三首相の事務所が8月20日、事実無根の内容が含まれているとして、文春側に記事の撤回と訂正を求めたことが分かった。法的措置も検討するとしたが、文春側は、記事の通りだとして応じない考えをマスコミ取材に示した。
首相官邸の秘書官付室では、J-CASTニュースの取材に対し、「細かいところまでは分かりませんが、体調不良はないと思います」と言っている。
(いけだ・たつお)毎日新聞OB。
関連記事
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(338)-『昭和戦後宰相列伝の最大の怪物・田中角栄の功罪』ー「日本列島改造論』で日本を興し、金権政治で日本をつぶした』★『日本の政治風土の前近代性と政治報道の貧困が続き、日本政治の漂流から沈没が迫っている』
2015/07/29 /日本リーダーパワー …
-
-
『リーダーシップの日本近現代史]』(26)-記事再録/トラン大統領は全く知らない/『世界の人になぜ日中韓/北朝鮮は150年前から戦争、対立の歴史を繰り返しているかの連載⑶』ー(まとめ記事再録)日中韓異文化理解の歴史学(3)『日中韓150年戦争史の原因を読み解く』 (連載70回中、37-50回まで)
日中韓異文化理解の歴史学(3) 『日中韓150年戦争史の原因を読み解く』 (連載 …
-
-
<世界大乱!『EU、中国はどうなるのか』―竹森俊平 慶応大学教授、與那覇潤・愛知県大准教授の記者会見
<世界大乱!―『EU、中国はどうなるのか』― 日本記者クラブで専門家が語る> & …
-
-
片野勧の衝撃レポート(77)★原発と国家【封印された核の真実】(1981~84)⑬■官房副長官として7人の首相に仕えた 石原信雄氏の証言(下)
片野勧の衝撃レポート(77) ★原発と国家―【封印された核の真実】⑬ (1981 …
-
-
日本リーダーパワー史(833)(人気記事再録)『明治維新150年』★『日露戦争勝利の秘密、ルーズベルト米大統領をいかに説得したかー 金子堅太郎の最強のインテジェンス(intelligence )⑤』★『ルーズベルト大統領は「旅順陥落」に大喜びー 黙っていると”Silence is Consent”(同意した) とみる。どしどし反論せよ』★『 日本は半面はサムライ、半面は文明の国民だから強い』●『黄禍論と戦う、旅順の戦闘、日本海海戦の大勝利』★『旅順陥落―ル大統領は大喜び 』
<日本最強の外交官・金子堅太郎⑤> ―「坂の上の雲の真実」ー 『ルーズベルト大統 …
-
-
日本メルトダウン脱出法(723)「米政府、中国国家主席の訪米前に中国企業制裁へ」(英FT紙)●「中国が直面する「経済の断絶」のリスク」(英FT紙)
日本メルトダウン脱出法(723) 米政府、中国国家主席の訪米前に中国企 …
-
-
日本のモノづくり、最先端技術「見える化」チャンネルー「第43回インターネプコンジャパン」の展示ブース、デモ
日本のモノづくり、最先端技術「見える化」チャンネル ★ …
-
-
『リーダーシップの日本近現代史』(128)/記事再録★『明治のトップリーダーのインテリジェンスー日露戦争開戦前の大山厳、山本権兵衛の「軍配問答」(出口戦略)にみるリーダーパワー(指導力)』★『アベクロミクス、地球儀外交には出口戦略があるのか!?』★『日韓衝突は近衛外交の「国民政府は相手にせず』の轍を踏んではならない』
2009/08/21 日本リーダーパワー史 ⑩ …
-
-
[ Z世代のためのAI(人工知能)を上回る天才脳の作り方①」★『世界天才老人NO1・エジソン(84)<天才長寿脳>の作り方』ー発明発見・健康長寿・研究実験、仕事成功の11ヵ条」(上)『隠居は非健康的である。死ぬまで研究、100歳までは引退しない』
2018/11/23 記事再録 百 …
-
-
★『リーダーシップの日本近現代史』(77)記事再録/ 『 朝鮮宮廷(政府)の「親清派(事大党)対「朝鮮独立党(日本派)」 の争いが日清戦争へ発展!,50年後の太平洋戦争への遠因ともなった』
2015年7月11日/終戦70年・日本敗戦史(108) <歴史とは現 …