前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

速報(104)[海に流れでたトリチウムは雨になって戻ってくる』『寂しい日本人が求める新しい形の安らぎ』

   

速報(104)『日本のメルトダウン』
[海に流れでたトリチウムは雨になって戻ってくる
『寂しい日本人が求める新しい形の安らぎ』


前坂 俊之(ジャーナリスト)
2011年7月22日
2011年7月21日(木)、MBS(毎日放送)ラジオの「たね蒔きジャーナル」に、小出裕章氏(京大原子炉実験所助教)が出演されました。
番組内容
2011年7月21日【木】
「原発事故が故郷を奪った!」~音楽家ナターシャ・グジーさん
今日のゲスト、ナターシャ・グジーさん(31)は6歳の時にチェルノブイリ原発から3・5キロの自宅で被曝し、厳しい避難生活を余儀なくされました。ウクライナの民族楽器バンドゥーラ奏者として活躍、チェルノブイリ子ども基金の招きで来日したことなどから、この10年間は日本を中心に演奏活動を行っています。今月には福島県など東日本大震災の被災地でもチャリティーコンサートを開く予定です。「ウクライナの歌姫」ともいわれるナターシャさんに「原発事故で奪われた故郷への思い」「悲劇の経験者として福島原発事故被災者に何を伝えたいのか」、お話を聴きます。スタジオでの生演奏もあります。京大・小出先生の原発事故解説コーナーはリスナーからの質問に小出先生が答えます。
録画
20110721 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章

内容書き起こし
千葉「では小出さん、今日もよろしくお願い致します」
小出「はい、こちらこそ、お願いします」
(千葉「今日は毎日新聞論説委員の近藤伸二さんと一緒にお伺いしてまいります」)
(近藤「小出先生、よろしくお願い致します」)
小出「こちらこそよろしくお願い致します。」
(千葉「えー、さて今日もですね、スタジオにリスナーのかたからの質問が沢山来ておりますので、それを順番にお聞きしていきたいと思っています。まず1番たくさん来ている質問なんですけれども。これですね、大阪市のラジオネーム、ばいあすさん、という方からなんですけれども。半減期が8日のヨウ素131などは、とっくに不検出になっているはずなんですが、東京都下水道局が発表している下水の脱水汚泥中の放射性物質はセシウムだけではなく、いまだにヨウ素131が検出されています。最新の検査では息子夫妻が住んでいます府中市、足立区などはヨウ素131の検出量が増加しています。これはいったいなぜなのでしょうか。教えてください。という質問です」)
小出「えー。問題はヨウ素だけの濃度を見るのではなくてセシウムとの比を見たほうがいいと思います。」
(千葉「セシウムとの比……」)
 
小出「比です。」
(千葉「比べてみるということですね」)
 
小出「そうです。もともとのは事故が起きた当初は、ヨウ素はセシウムの10倍くらいありました。それで今、そうですね…130日くらい経っているでしょうか。そうすると半減期の10倍から15倍くらい経っていると思いますが。そうすると1000分の1にはもちろんなってるし、3万分の1位にはなってると思います。ヨウ素がですね。ですからもともと10倍、セシウムの10倍あったわけですが、それが3万分の1になったとすると、セシウムの3000分の1くらいのヨウ素が存在していることは、もちろんありうるのです。」
(千葉「はーはーはー。半減に半減を繰り返して」)
小出:そうです。???なっているわけではないので。それで下水の汚泥にはものすごい濃度の放射性物質、ヨウ素もそうです、セシウムも含まれてきますので。ヨウ素ががまだ残っていたとしてもそれは不思議ではありません。だからセシウムとの比をとって考えてみたほうがいいと思います。
 
(千葉「必ずしも、今こうやってヨウ素が検出されてるからっていって、継続してたくさんのヨウ素が原発事故を受けて放出されているわけではないわけですね」)
小出:あのー、だと思います。データを私、今聞かせていただいたデータを見ていませんので正確にお答えできませんけれども。ヨウ素だけを見ているのでは駄目だと思います。
(千葉「はいわかりました。それからあ、次の質問になりますけど、これはイタリアのミラノにお住まいの方からいただいております。ラジオネーム、うりっせさん、というかたからです。)
 
小出「はい」
(千葉「今月中旬から肉牛の汚染が話題になっていますが、肉牛が汚染されていれば乳牛も汚染されていると考えるのが普通だと思います。そして牛が汚染されているなら、豚や鶏だって汚染された、えー、餌を与えられている可能性も否定できませんから、是非小出先生の意見も聞きたいと思っております。よろしくお願いします、という質問なんですが……」)
小出「もちろんですね。豚も汚れてると思いますし鶏も汚れてると思います。」
(千葉「まあ……それがどれくらいのレベルに達してるか……」)
 
小出「そうですね。それは測定してみないとわかりませんし、まあ、牛、今問題になっている牛はいわゆるその、稲藁(わら)を食べていたと言うのですね。豚とか鶏にどういう食べ物を与えてるのか私は正確には知りませんが。要するにその、事故の当時、屋外にあったものであれば、食べさせてるものがですね、同じ現象が必ず起きると思います。
(千葉「ああー、やはり同じように放射性物質を含んだようになっているということですよね」)
小出「そうです」
 
(近藤「先生、あの肉牛の対策なんですけれども、やはりこの全頭検査というのが必要なんでしょうか。あるいは、するとすればかなり手間がかかる作業なんでしょうか」)
小出「あの、結構手間がかかる作業です。ただし、肉牛って何百頭とか、せいぜい1000頭の単位で済むんじゃないんでしょうか。」
(近藤「そうですね。何百頭単位だったともうんですけども」)
小出「そうですね。そうであれば、あの、できると思いますのでやった方がいいと私は思います。」
 
(千葉「……わかりました。次はですね、えー、千葉県にお住まいのラジオネーム、やんやんやんさまというかたからですが。いよいよ夏となりました。海の水温もどんどん上がり、入道雲の発生から雨という夏の自然サイクルが始まります。福島から海へ投棄された汚染水に含まれている放射性物質が雨となって再び陸に戻ってくる可能性というのはあるんでしょうか、という質問なんですが」)
小出「もちろん、原理的に言えばありますね」
(千葉「うーん……」)
 
小出「ですから海へ流れていってるわけで。海から蒸発したものがまた陸に雨となって降ったりするわけで。例えばその流されている放射能の中には、トリチウムという名前の放射能もあります。それは、いわゆる水素なんです。放射能をもった水素なんですが。それも海へ流れ出てるはずで。環境に出ると水の形になります。H2Oという形ですね。そういう形になりますので、海水が蒸発して雲になればそれがまた雨になって落ちてくるという事ですので、もちろん循環して陸にもまた戻って来ます」
(千葉「ふーーん。あのまあ、どこかだけに固まってというわけではないと思うんですけれども。」)
 
小出「はい」
(千葉「広く薄くという形で、雨という形で陸に戻ってくるということですね」)
小出「そうですね。いろいろな形で一度福島からでたものは、汚染は低きに広げながら、ぐるぐるぐるぐるまわるということになり、なると思います。」
(千葉「放射性物質は基本的にはなくならないものですね」)
小出「ええ、ええ、そうですね。半減期でなくなってはくれますけれども。自然にも、放射能を放射能でなくする力はありませんので、結局どこかにあり続けるということになってしまいます」
 
(千葉「形を変えてつねにどこかにあると言うことですね。はい、わかりました。続いてこちらの質問です。こちらはラジオネーム、みずちのむえんさん(※上手く聞き取れず)という方からですね。人工放射線核種と天然放射線核種の違いということで、ある方の話を聞きました。そしたら放射線としては同じであるが、人工は蓄積し天然は蓄積しない問お話をされていました。今から、今、福島から漏れている放射線は自然放射線と同じだというような話をされるんですが、やはり人工のと天然では動き方が違うんでしょうか。教えてくださいということです。」)
 
小出「はい、要するに、私たちは放射能と読んでるものは、放射性物質なんですね。ものですから、体に取り込んだ時の人間の体の代謝というものが、そのもの、その物質ごとに違っているわけ、ですね。例えばヨウ素というもの、皆さんすっとこの間聞かれてきたと思いますが、ヨウ素というのは人間にとっては必ず必要な元素なのです。

それでそれを甲状腺というところに集めまして、ホルモンをつくりだすと、そういう役割を持っています。そして天然にあるヨウ素というのは一切放射能をもっていない、そういうヨウ素だけが天然に、あります。そういうヨウ素を人間という生き物は甲状腺に貯めてホルモンを作るという、そういう生き物として今、私達はある、のですね。でも、原子力発電所の事故が起こりますと放射能をもったヨウ素が飛び出してくる、わけです。それで私たちの、人間のほうの側からみると、放射能をもったヨウ素なのか放射能をもっていないヨウ素なのかということが、まったく区別がつきません。

ですから、放射能をもったヨウ素が環境に漏れてきてしまうと、それをまあ、せっせせっせと人間は体に蓄積してしまう、わけですね。でそれが甲状腺に集まると甲状腺の癌になるということになりますし、甲状腺の機能をまあ、損なうということにもなるわけで。え、天然という状態で放射能を持ったヨウ素はないところに、放射能をもったヨウ素を出してしまうわけですから、それは人間にとっては、まあ、ある意味まあ危険を抱えてしまうということになります。

(千葉「本来取り込むべきでないものを体の中に取り込んでいってしまっているということに成りますからね」)
小出「そうです。」
 
(千葉「はい、わかりました。小出先生ありがとうございました」)
小出「はい」
 
●『寂しい日本人が求める新しい形の安らぎ』
 
·        <ウオール・ストリート・ジャーナル>2011/7/22 19:58
 
 
 
●『「なでしこ」勝利の意味するもの』
ニューズ・ウイーク2011年07月18日(月)12時18分
 
 
●『なぜ赤旗ばかりがスクープ飛ばすのか「やらせメール」
「ネット監視」など』
  • <ウオール・ストリート・ジャーナル>2011/7/20 13:31
 
 
 
 
●『YouTubeの自動字幕機能で日本の動画が国際化?』
  • <ウオール・ストリート・ジャーナル>2011/7/21 16:07
 

 - 現代史研究 , , , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
知的巨人たちの百歳学(178)記事再録/『創造的長寿力の葛飾北斎(89歳)②』★「72歳で傑作『富嶽三十六景』の連作を発表、その巻末に 「私は6歳より物の形をうつす癖があり、70歳以前に描いたものは取るに足らない。73歳となった今やっと、禽獣虫魚(動物昆虫魚類)の骨格、草木を描けるようになった。90歳にして画の奥義を極め、100歳を超えると一点一格を生きた如く描ける神妙の域に達したい』と日々研鑽、努力を続けたのです』★『天才とは日々研鑽・努力の人なり』

 葛飾北斎(89歳)「過去千年で最も偉大な功績の世界の100人」の1人 創造力こ …

片野勧の衝撃レポート(79)★『 原発と国家―封印された核の真実⑫(1985~88) 』 チェルノブイリ原発事故30年(下)

 片野勧の衝撃レポート(79)★ 原発と国家―封印された核の真実⑫(1985~8 …

no image
日本メルトダウン脱出法(792) 「ついに来た米国利上げ 、世界経済と為替への影響は?」●「軽減税率合意で消費税の矛盾はむしろ拡大した」●「バブル期の日本人と同じ? 「爆買い後」に中国人が向かう先」

  日本メルトダウン脱出法(792) ついに来た米国利上げ 、世界経済と為替への …

no image
知的巨人の百歳学(131)-『石油王・出光佐三(95)の国難突破力/最強のリーダーシップ/晩年長寿力』★『『人間尊重』『つとめて困難を歩み、苦労人になれ』『順境にいて悲観し、逆境にいて楽観せよ』★『活眼を開いてしばらく眠っていよ』

2011/07/31記事再録/  日本リーダーパワー史(179) 『国 …

no image
★10最重要記事再録/日本リーダーパワー史(812)『明治裏面史』 ★ 『「日清、日露戦争に勝利」した明治人のリーダーパワー、 リスク管理 、インテリジェンス㉗『日本最大の国難・日露戦争で自ら地位を2階級(大臣→ 参謀次長)に降下して、 全軍指揮したスーパートップ リーダー児玉源太郎がいなければ、日露戦争勝利は なかった ーいまの政治家にその胆識はあるのか?』★『トランプ米大統領の出現で、世界は『混乱の時代』『戦国時代に逆戻りか」 に入ったが、日本の国民にその見識 と胆力があるのかー問われている」

                                         …

no image
速報「日本のメルトダウン」(501) 中×日米対立の未来ー「中国、日本、米国:緊迫するにらみ合いー(英エコノミスト誌)

   速報「日本のメルトダウン」(501) 中&t …

no image
速報「日本のメルトダウン」(504)「尖閣諸島を巡る対立で「負ける」のは中国」(英FT紙)、「海外メディアは米中会談をどう伝えたか」

     速報「日本のメルトダ …

『Z世代のための明治大発展の国家参謀・杉山茂丸の国難突破力講座⑥』★『杉山茂丸の国難突破力に学ぶ』★『22歳の杉山と46歳の元老黒田清隆、元老伊藤博文(45歳)とのスピーチ、ディべィ―ト決闘、勝負!して手玉にとった!』

2014/08/08 /日本リーダーパワー史(519)『杉山茂丸の国難突破力に学 …

no image
速報(175)『日本のメルトダウン』『人間はいかに生きるべきかー小出裕章ら異端研究者たち』(毎日放送ドキュメンタリー)ほか

速報(175)『日本のメルトダウン』 『人間はいかに生きるべきかー小出裕章ら異端 …

no image
★『 地球の未来/世界の明日はどうなる』<まとめ記事>「トランプ大統領丸1年の成績評価はマイナス50点』★『米朝戦争は勃発するのか、6回連載分を一挙に公開』

 『 地球の未来/世界の明日はどうなる』 ★『2017年は世界大乱、アジア激震の …