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辛亥革命(1911年10月10日)百周年―逆転日中関係歴史情報③―『孫文革命を日本の新聞はどう報道したか』③

   

辛亥革命(1911年10月10日)から百周年 
 
逆転した今後の日中関係を考える基本歴史情報③―
『孫文の辛亥革命を日本の新聞はどう報道したか』③
 
 
 
 宮廷内に清人、漢人派の対立〔明治4315日 読売〕
 
 最近北京消息によれば、軍機処五大臣の内、慶親王は軍機処総裁としてこれを除き、世続、都桐の満人側代表大臣と鹿伝隼戴渦慈の満人側代表大臣とは、張之洞の投後著しく政治上の融和を欠き、事ごとに意見を異にし、
 
常に反目、嫉視の間に機務に参与しっつあるが、近来鹿、戴両氏に対する漢人の批難喧しく、到る処無能の嘆声を洩らすに至りたる内情を聞くに、鹿、戴両氏とも支那の国学にこそ造詣あれ、その政治上の手腕に至りては全くなんらの技能をも有せず、日々軍機処より発する命令、諭旨のごときも、実際に於いては世、郡両氏の息のままに行われ、鹿、戴両氏はいたずらにその職印を濫捺するに過ぎざる有様なるより、かくては漢人の足を伸ぶるに由なく、天下は到底満人の天下たるに終わるべしとの説をなすものを生じ、ついに全国に渉りてその無能を非難するに至りしものなり。
 
しかして其々有力なる漢人側大官連はこの際、直隷総督を薦めて軍機処に入らしめんと奔走する向きもあれども、陳氏はむしろ鹿、畢一氏に次ぐの旧弊家にして、‥すこぶる開明人士の意に満たざるものあり、到底入閣の望みなかをべし、漠人側の躍起組はしきり
に代表者の物色に腐心し居ると言う。
 
 広東の新軍反乱、鎮圧される〔明治43115日 大阪毎日〕
 
 清兵の動乱〔広東来電十三日特派員発〕
当地新式陸軍諸兵約五個大隊の兵員暴動を起し、各自その武器を揮いて旅団司令部を破壊し、市外東北方は戦闘状態に在り。諒中も殺気満々とし、城門はことごとく閉鎖せられて
交通を遮断し、ほとんど戒厳令施行の状態に陥りたり。蓑総督は水師提督李準をして、旧
軍を率いて鎮圧に努めしめ、なお広西の陸兵も続々南下しっっあり。しかし只今の処、居
留本邦人には異状なし。
 
 清兵叛乱鎮定〔広東来電十四日特派員発〕新軍の叛徒は討伐官兵と戦い敗れて、ついにその武器を棄てて遁走し、市街平穏に帰し、今朝来各城門を開放したるも、なお警戒厳重なり。
 
 
 アモイで暴動、阿片の取締りが原因〔明治43224日 国民〕
 
      
 二十二日アモイ領事発電によれば、清国政府は阿片撲滅の主旨に基づき、内地に於けるモルヒネ栽培禁止に力めつつあるが、.今回右禁止機運となり、はしなくも官民の間に衝突を起し、アモイ附近二十余個相に亘り暴徒起り、知県に重傷を負わしめたり。
 
これがため応援兵二百を福州より派遣したるむ、三十余名の死傷者を出だしで鎮定することみたわざをに就き、アモイ総督は二箇聯隊の兵を福州より派遣のはずにて、吏た章州鎮台よりも兵五百名増遣方、アモイ提督に電命したりと。暴徒は大撫会なこれなりを組織。
 
 
 長抄で暴動、教会を焼く〔明治43年4月16日 大阪毎日}
 
 長抄の暴動〔上海来電十五日発〕 長抄に暴徒蜂起し、内地の伝道事業に従事せるウェ
スリアン教会、及び.その他外人の経営にかかる三基督教伝道局は、暴徒のため焼かれかつ破壊せられ、・暴徒三十名は伝道師等の避難せる巡撫衛門を取り囲みたれ。しかしその生命には別条なし。
 
 
 日本領事館など外国建物を破壊、焼失〔明治43418日.大阪毎日〕
 
 湖南暴徒別報〔北京来電16日特派員発〕
 湖南長抄の暴動ますます椙けつを極め、十五日夜、我が公使館に遷せる我が村山副領事(長沙駐在)の十四日昼発電報によれば、同地は純然戦地の状態に在炉、巡撫よりはもはや保護の途なきにより他に避難しくれよとの通牒ありしを以って、只今民船を雇い入れ、居留民を収容し立ち退き中なるが、立ち退き間際に至り領事館も全く破壊せられしとの情報ありし由なるが、その後はなんら電報達せず、これ電信不通のためならんとの説あり。
 
 また英国公使館に遷せる電報はすとぶる詳細にて、十三日、暴徒はえず耶蘇教会堂3個所を焼き払い、十四日は巡撫衛門を始め大抵の清国官庁は無論、大清銀行、税関、いっさいの外国建物は焼失、破壊せられ、ただ英国領事館のみ今に無事なり、当初は湖南巡撫も負傷し、次に死去せりとの電報達したれば、たぶん事実ならんと。英国砲艦セシックス号は本日長沙着の予定なり。
 
 
 
 長抄の暴動治まる〔明治43419日 大 阪毎日〕
 
‘.虔沙全く平静〔漢口来電十八日特派貴発〕長抄の暴徒は16日降参し、翌日より市内
の平和は克復せり。
 
 
 兆銘、摂政王暗殺犯として逮捕される〔明治43420日 大阪毎日〕
 
 下手人捕縛 対摂政王爆裂弾下手人は汪兆銘銘(三十八年の東京法政大学卒業生にて常に優等なりしという広東人)、なるものにて、前門街において捕縛せられへ審問に対し筆を籍り、わずか三分間に数千言の趣意書を認め自白せりと。すなわち満洲政府顛護者にし,て、孫逸仙の系統なるが、果して孫と連絡あるや否や不明なり。彼は自分の外いかに責めをるるも、連累者を白状せずと。彼は近来当地に留学生の試験あるを以って、多数の留学生に交り入り込みしものならんと。本件につき摂政王の態度はなはだ冷静なりという。
 
 北京政府、日本亡命の黄興 捕縛を指令〔明冶43510甘 東京朝日〕
 
〔八日上海発〕 中外日報北京電報によれば、北京政府は駐日清国公使に対し、東京清国公使に対し、東京清国留学生間に革命党組織の計画をなし居れりとの嫌疑ある貴某の捕縛手段を講ずべき旨、命令せりと。(註・貴某は黄興のこと。長抄で畢興会を組織、後「九〇五年五月に日本へ亡命した)
 
 
 
 広東で革命党蜂起、総督衝門を焼き打ち〔明治44429日 大阪毎日〕
 
 総督衛門を焼き打ち{広東来電}<二十八日特派員発>
昨夜を革命党員蜂起して総督衛門に火を放ち、次いで革命党員と衛兵との間に激烈なる接戦開かれたり。革命党員はついに撃退せられたるが、双方に多数の死傷者を生ぜり。
火災にかかりりたるは総督衛門の射場に止まり、官吏はいずれも安全にしてその後沈静に帰したれども、これがためにわかに戒厳令布かれ、各城門は閉鎖されたり。また川蒸汽船はすべて抑留され、陸上と河上との交通の警戒厳重にして、暗号電報はいっさい差し止められたり。
 
 在広東の支那砲艦は昨夜徹宵、サーチライトを市街に放ちて示威運動をなし、英仏砲艦はいつにても出動し得べき準備をなせり。しかれども騒乱はもはや終局したるもののごとく、沙面(各国居留地)は静穏なり。
 総督張鳴岐は目下広東水師宮にありて、提督李準及びその部下の警護を受け居れり。
 
 
 広東暴動、官兵か機関砲を放ち制圧〔明治44430日 大阪毎日〕
 
 広東騒乱実況〔広東来電二十九日特派員発〕 昨日総督府に向かいし暴徒は、少数なれども別に数隊あり、皆藍色の上衣に白帯を締め、一隊は兵器庫に、一隊は満洲街に、数
隊は各城門に援兵の来路を防ぎ、手投げ爆弾と新式拳銃にて悪戦せしも、
 
大兵の来援に遭い衆寡赦せず、ついに小北門辺に退却し、米俵にて掩壁を作り最後の抵抗をなし、ことごとく免れてやめり。擾乱は今朝未明まで引き続き、官兵は機関砲を放ち光景惨憺たり。
 
双方死傷数なお判明せず。総督張鳴岐は服装を変じ、壁を穿ちて逃れたり。革命党の混入を恐れて新軍を用いざりLは、敵の術中に陥りしものと謂うべし。されど張総督の処置は、
概して当を得たるものなりとの評あり。沙面(居留地)及び城外市街は引き続き静穏なる
も、城内の模様は電話不通、交通遮断のため不明なり。
 
城内居住の邦人は無事ならんも、実地検分のため瀬川総領時は今朝、館員を入城せしめたり。各鉄道、渡船また皆停業せり。
 
 仏山でも革命党の暴動、広東に向かう〔明治4452日 大阪毎日〕
 
 仏山の暴動〔広東来電一日特派員発〕 昨夜、仏山に暴動あり、南海県知県張鳳階及び
守備隊長某戦死せり。
 
 仏山暴徒勢猛 仏山の革命党員は勢力侮り難く、李提督は三十日払暁、七百の兵を該地に急派せり。しかして彼等は一日朝来、広東に向かいつつありとて、これを途に要するため軍艦二隻急航せるが、ゾーホー無煙火薬局は暴徒の占領に帰したりとの風説伝わり、また朝来遥かに砲声を聞き、
 
広東人心他々たり。午前十時、税関附近に暴徒出没し、附近の商店は門を閉じ、巡防隊は沙面沿岸に散兵線を布き、居留地は支那人の出入を禁ずる等大混乱を極め、碇泊中の英国軍艦は機関砲一門を有する陸戦隊を居留地に上陸せしめ、厳重警戒中なり。なお目下英、米、独、仏軍艦七隻碇泊し居れり。
 
 
 
四川暴動の背後に革命党〔明治44103日 東京日日〕
 
 最近清国におい七暴徒の蜂起したるは、甘粛、雲南、四川、江西、江蘇の.諸省なるが、なかんずく四川省の暴動に至りては、一時匪勢大いに加われ、ますます暴威を達しうせんとし、ただに北京政府を震骸せしめたるのみならず、また列国をしてその前途を危惧せしめたり。幸いにして討伐の功を奏し、今やようやく鎮定に至らんとす。
 
 四川省の匪徒は省城成静を包囲し、勢いすこぶる椙けつを極めたりしも、外国人は勿論、また敢えて無この良民を迫害せんとせず、ひたすら当局官憲のようちょうを念とせしため、事態の重大なりし割合に、人民の被りたる損害は比較的寡少なりしがごとし。
 
これ四川省の暴動は、他の省のそれのごとく、単に窮民の事を醸したるにあらずして、或る他の目的の伴ないしを以って、その行動の多少の秩序を具えたるによる。彼等がその事を挙ぐるに至りし動機は、云うまでもなく政府の鉄道国有政策に反対し、これに対する当局者の措置、その宜しきを得ざりしに基因するといえども、また革命党のこれを煽動したるの大なりしによらずんばあらず。
 
すなわち数日前の我が社北京特電が、「四川乱民の独立宣言書は十五ヶ条より成り、地理の方墳、物資の豊富を頼み、外国人の勢力未だ他者のごとく加わらざるを利用し、独立を計るものにして、政府は疑いを四川省諮議局議長に置き、目下一問題たり」と報じたるは、よく這般の消息を説明するものにして、今回の暴動を以って、単に鉄道国有策の反対運動とのみ目すべからざるを証するものにあらずや。
 
 現在清国に於ける革命党なるものは、果していかなる勢力を持するやr。これを重視するものは、その勢力意外に大にして決して軽蔑すべからずと言い、これに反して軽視するものは、その勢力微弱にして何事をも成すあたわずと言えり。吾輩はそのいずれが事実なるやを知らずといえども、たとい革命党が現在においては到底事を成すに足らずとするも、革命的思想の漸次各省に普及せんとするの傾向あるは、必ずしもこれを否定すべからざる
ものあり。今回の四川暴動は、まさにこの事実の一端を証明するものというべし。
 
四川の地たる古来巴苛の天府と称せられ、四辺天瞼に拠り、かつ地味豊沃にして産物籠多なれば、他省と交易せざる隼なおよく独立を全うし得べしとせらる。ここに於いてか革命党は、たまたま同省民の鉄道国有反対に熱狂せるを利用し、何事かなすあらんとせるものにして、
 従来彼等が雲南、広東、広西の辺すうの地において事を起げんとせしに比すれば、ややそ趣きを異にすといわざるべからず。もとより四川省の暴動は革命党の自発的運動にあらざれば、これを直ちに広西、雲南等に於ける運動と同一視すべからざるや勿論なりとげえども、ようやく事態を重大ならしめ、現になお未だ全く屏息せざる所以のものは、彼等運動の功与って力あるによらずんばあらず。
 
これによってこれを見れば、少なくとも革命党の運動は、単に辺隙の地区にのみ限られずして、ようやく中原に及ぽんとするものありと言わざるべからず。
 
 しかして北京政府が四川省の暴動に対し、速やかにこれを弾圧せんとして、琴春櫨の起用を断行し、また近くは出来るlだけ四川省民の要求を容れ、かつ暴動のために銀行の被りたる損害額四十七万円を政府より賠償するに決し、ほとんど前例なきの処置を執れるもの、全く上述の事情を看取せるによらずんばあらず。その戦々兢々として鎮撫に汲々たる、泡
に故ありと言うべし。
 
 
いよいよ辛亥革命が勃発、成功へ
 
 武昌で革命軍が蜂起、総督衛門を襲撃〔明治441012日 時事〕
 
 武昌の大騒擾〔十月十一日午後発〕 十一日夕刻漢口より遷せる報道によれば、三百の革命党武昌に起り、総督衛門を襲い随所に放火せり、官兵は市外に陣し砲火を交えつつあれ、既に逮捕せられたる革命党三十名に上り、首魁三名は斬首せられたり。
 
これより先一昨日、漢口に於いて革命党の密謀発見せられ、数名捕縛せられたることあり、その結果、対岸の武昌に於いてかかる勃発を見たるもののごとく、同地に於いては最近日本より帰れる留学生、騒動を指揮し居れりなど風評し居れり。民政部は四川暴動と前後して多数の革命党、長江一帯に入り込みたるを探知し、さき頃来厳探し居りたり。目下万県に在る端方氏に向け、武昌に引き返すべき旨命令下せり。昨日、巡防隊五営、漢口を出発せりと。
 後報によれば、新兵、革命党に投じ、総督衛門を焼き払い、総督はわずかの兵と共に砲艦に搭じて逃れたるも、提督張彪は戦死せるもののごとく、武昌は全然混乱に陥れり、漢口にても厳密なる警戒を開始せりとあり。
 
 
 軍隊が反乱、武昌城内を占領〔明治441013日 大阪毎日〕
 
 張彪逃れ来たる、武昌の陥落 湖広第八鎮統制(師団長)張彪は十二日午後一時、革命党の重囲を突破して城門を出ず。邦人のために救われて、従卒十名と共に漢口に来たれり。
 
その言に日く、今回反旗を翻えしたるは砲兵二箇大隊、歩兵四薗大隊及び工兵、轄重兵にして、四川に派遣せられぎりし残留部隊のほとんど全部なりへ反乱の原因は総督瑞激に対し怨みを懐ける者ありて、総督を殺害せんがため事を挙げしものにして、同総督が革命党員斬殺せLを憤慨し居れり云々と。
 
張彪を助けたる邦人の言に日く、武昌の城門は左腕に白布を纏える反徒の手に於いて守備せられ、城内は全部反軍の占領する処となり居れり。しかして城内にはなお銃声盛んにして、黒煙天にみなぎり居るを見る。
 
 
 軍隊、警察も革命軍に協力、討伐は困難〔明治441013首 時事〕
 
 武昌の形勢いかん 十数年間湖南、湖北地方にありて布教に従事せし曹洞宗の某師は語りて日く。今回昌反乱は革命党の巧妙なる運動、よくその功を奏したりというべし。
 
けだし南清地方に於ける革命思想の潜勢力は世人の意想外にして、燎原の勢いを呈せるも、彼等は単に革命党主義のみにては人心を鼓舞振作するあたわざるを察し、あたかも我が幕末に於いて尊王論と棲夷論とをうまく結びつけて、討幕の目的を達したるごとく、昨今かの鉄道借款問題に就いて人心激昂せる機会に乗じて盛宣懐の罪悪を鳴らし、また北京政府の政策を攻撃して巧みにその反感を挑発し、かくて今回の爆発を促成したるものなり。
 
 軍隊の革命熱 
 
軍隊が革命党に款を通じて動乱を起したること、一再に止まらず。最近の例を以ってするも、昨年一月一日には広東に於いて、同六月には南京に於いて、本年四年には再び広東に、五月には湖南に於いて、軍隊と革命党とは相呼応して事を挙げたるも、いずれもその計画中に於いて陰謀露見し、官憲のためにその先を越され、目的を達するに至らずして屏息せしが、今回のみは首尾よく運行し、なんらの障害を受くることなくして武昌を占領することを得たり。
 
しかして革命党に与せるはひとり軍隊のみならず、一警察部内と連絡の附けるは本年の広東暴動に於いて見るべく、また各学校と気脈を通ぜるは湖南の変によりで徴すべく、今回武昌の革命運動がかく手際よく運べるは、各方面より応援せしによるなるべし。一
 
 日本留学生の運動
 
 借款問題の革命運動に油を注ぎしは、ひとり支那の本国に於けるのみならず、日本に留学せる三千の学生もこの問題に就いては熱烈なる反対の態度を採り、従来画策する処ありしが、近くは去る一日、大会を開きて三ヶ条の決議をなし、母国の同志にも電報したる由なれば、一これまた武昌人士の廠起に幾分の気勢を添えしならん。(後略)
 
 
 革命軍、黎元浜の指揮で前進〔明治441015日 時事〕
 
 革命軍前進す〔十月十三日午後発〕 只今漢口よりの公電到着せり、日く。革命軍は黎元洪を総司令官とし、歩兵四箇 聯隊の約半部、砲兵、騎兵、工兵及び警察全部を引き具し、小銃一万五千挺、大砲七十門、楷窓掛五、六万を帯びて前進し、銀貨百五十万両を占領し、紙幣を発行すと。電報は不通なるが、右の報道は今日までに当地に伝えられたる戦報中、最む確実なるもの。
 
 
 広東も革命軍の手に、北京も緊張〔明治441015日 東京朝日〕
 
〔十三日北京発「革命党側の情報によれば、本日、河南省許州を占領したりと。右は京漢鉄道沿線なれば、南下の官軍は大頓挫を来たすならん、なお広東もついに革命党の手に帰したりと。應昌、呉禄貞両将軍は今夜保定に向かい、向地にて会同の上、全軍を指揮して進発すべし。演習地より各陸続引き揚げつつあり。禁衛軍は城外の兵営より引き揚げ、北京内城の警護に当る事となり、北京も事態すこぶる険悪となれり。
 
 
 袁世凱を湖広総督に起用〔明治44l015日 時事〕
 
 蓑氏起用上諭 只今上諭あり、・袁世凱は湖広総督に任じ、春櫨は四川総督に任ず。謁
見を用うるの要なし、直ちに任地に赴くべし、辞することを得ず、袁世凱等は世々国恩を受くかもの、・国家危急の際、特に忠勤を抽んずべし、薩鎮泳、庵昌の水陸両軍は袁世凱と会同して討伐を計れと。けだし袁世凱に全権を委ねたるものなり。
 
 
 革命軍政府の対外方針を列国に通達〔明治441016日 時事

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