速報(269)『Mideast Din Drowns Out Palestinians中東の喧騒はパレスチナ人の声をかき消す』『ニューヨークタイムズ3/7)
速報(269)『日本のメルトダウン』
喧騒はパレスチナ人の声をかき消している』
海外ニュースで、パレスチナが東北に激励の凧揚げをしていました。NYT伝統の調査報道の精神は一貫しております。イラン問題ではペンタゴン、ホワイトハウス担当の記者と連携して執筆しています」
1 中東の火薬庫と云われるパレスチナ自治区はその政治的な地位が、此の所急速に低下し弱体化している。アラブの春、アラブ諸国の民主化運動、独裁者からの権力奪取が進行し、各国いずれも自国のことで手一杯で民主化勢力の象徴であるパレスチナとの連携支援迄手が回らなくなって来ている、という。
加えてイランの核開発は益々西側諸国との軋轢を増大させ、結果として孤立を深めるイランからのパレスチナ支援も低下している、と。
2 PLOのAbbas議長もイスラエルとの和平プロセスについて従来の延長過程を終息させ、強行姿勢に転換し始めている。国連の積極的な活用などがその一つである。
現状明らかなことは、パレスチナ自治政府を存在させる政治的なパワーバランスが崩れており、関係諸国は和平プロセスの再構築に向けて協力する必要がある、という。
中東は現在、イラン、シリア問題という超難題を抱えて呻吟しているが、パレスチナ自治、イスラエルとの和平プロセスをこれ以上後退させると、更に難題を作り抱え込むことにな
る、という。
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2012/3/7 NYT ー ISRAEL by ETHAN BRONNER
◎『Mideast Din Drowns Out Palestinians
中東の喧騒はパレスチナ人の声をかき消している』
RAMALLAH、ヨルダン川西岸地区ー革命が中東全土に広がり、緊張がイランの原子力開発計画を巡り高まったこの14ヶ月の中で、パレスチナの指導部は自らを孤立していると感じていた。政治的に分割され、イスラエルとの和平会談は破綻したままで、外国の援助は減らされ、パレスチナ当局は参加を断られ、困惑し、その人民達が暴力に戻るかもしれないと心配している。
イスラエルの占領は別にして、我々が直面する最大の挑戦は、周辺国の立場に追い遣られることである、とSalam Fayyad、パレスチナ政府の首相はインタビューの中でいう。これはアラブの春の直接の結果だ、そこでは国民は自分の国内問題に余念がない、と。アメリカは選挙の年だし、ヨーロッパも心配事が多い。我々は窮地にいる、と。
何十年間、独裁者がその同胞を支配して来た時、パレスチナ人達は中東の政治のど真ん中にいた、イスラエルの占領との闘争はアラブに植民地後の自由と尊厳への希求を体現するものである。オバマ政府はヨルダン川西岸とガザ地区における地位が、この地域の進展の鍵であると主張して仕事を始めた。
しかし、イスラエルのBenjamin Netanyahu首相が今週ワシントンを訪問した時、両者の会話はイラン問題が中心で、和平会談や占領ではなかった。
この地域では、アラブの春はパレスチナ紛争に対する世間一般の関心を増幅し、エジプト国民やその他の外国人に反イスラエル感情を自由に表現させている。しかしそれは実際には、イスラエルと交渉して来たパレスチナ開放機構にとって事態を難しくさせている。一般大衆の同情はハマスのイスラム教徒に向けられている。しかしながら彼等も又困難を抱えている、シリアにおけるその政治的な拠点を失い、イランからの援助の縮小に直面しそして増加する分裂との戦いである。
その結果はパレスチナ開放運動の継続的な分裂であり、国造りのスポンサーの喪失であり、イスラエルの隣に国家を建設しようとする動きに対する無関心である。丁度6ヶ月前、パレスチナ当局が国連に承認に関する事案を提出した時、そしてハマスがイスラエルの兵士、Gilad Shalitの釈放と引き換えに囚人数百人を開放する取引がその後成立して、楽観的となる一時があった。
しかし今は、平和裡に二つの国家を共存させる解決策はその勢いが衰え、国連における努力も展望が見出せない状況にある、実行可能な代案は現れず、人々の注目は別の争い事に集中している。
Zakaria al-Qaq、エルサレムのAL Quds 大学における国家安全保障の専門家であるパレスチナ人は云う、最近米国で彼の専門分野に関する一連の講義の為に多数の外国の学者との会合に参加したが、パレスチナ問題について触れる者は一人もいなかった、と。
アメリカやイスラエルの議題にはパレスチナ問題が見当たらない、と彼は言う。棚上げされた状態だ。パレスチナ人は世界に自らを押し出して行く力がないし、自分達を動員する事もできない。アラブ世界は忙しい、パレスチナ人は二の次になっている、と。
パレスチナ開放機構のMahmoud Abbas議長、優柔不断で知られる彼は特に今後の進め方について悩み抜いている様に思われる。彼とその補佐官達は、イスラエルが和平を進展させる方向に立っていると信ずる理由を全て俎上に上げ、Netanyahu首相宛に何週間もかけて大部の手紙を書いた。
Abbas議長はアメリカとヨーロッパの指導者達にもそのコピーを渡す計画で、イスラエルとの和平路線を捨ててイスラエルとパレスチナ開放機構との関係を再考しなければならない理由を説明したいと考えている。外交官達が、ヨルダン川西岸と東エルサレムでの入植地の建設をやめると言う様なイスラエルの拒否をめぐるAbbas議長のフラストレーションに同情する一方で、別名Abu Mazenの名前を持つ彼が激変のこの時期にイスラエルとの妥協は政治的に不可能と感じているのではないかと疑っている。
Netanyahuとの交渉の中で、Abu Mazenが支払う政治的な価値は今はとても高い、と西側の上級外交官は匿名を条件に云う。この地域の人々は、反抗するか反抗されるかのいずれしかないと信じている。Abu Mazenは反抗する方がベターだと決心した。
この問題は、しかしながらパレスチナ人だけの問題ではない。Netanyahu氏の政府とその支持者達も又、この地域の騒乱は彼等が土地を明け渡す事を難しくしている、と言う。
イスラエル人は、和平プロセスの中で困難で戦略的な譲歩をする場合、アグリーメントにサインした政権が転覆すると何が起きるか、と言う事を常に心配している、とエルサレム公共センター長でNetanyahu氏の長年のアドバイザー、Dore Goldが言及している。
イスラエルは極度に用心深く、その安全保障関連事項を漸次増やさなければならない。パレスチナ政府は、今から一年、パレスチナ政府であり続けるでしょうか?ヨーロッパの外交官がイスラエルへ来て新しい領土の譲歩に関して尋ねる時、それはハリケーンのど真ん中でテントを張る様依頼する事に似ている。
他の人達は、パレスチナ人のフラストレーションが大きくなるとヨルダン川西岸で暴発が起きるチャンスが増える、と主張する。イスラエルの軍隊に石を投げ対決することがこの数ヶ月目立っている。
我々はイスラエルの占有地の使用人にはなりたくない、とHanan Ashrawi、パレスチナ開放機構の幹部会メンバーの一人、がインタビューの中で云う。イスラエルはパレスチナ政府に責任は残すが権限は残さない。同時に、イスラエルは国際社会の協力を得て、勘定を支払っている。気楽な占有地となっている。
イスラエルとの和平交渉の過程の終了は、Abbas氏をしてHamasとの和解を追わせる事となった。しかしそれもまた足元の覚束ないものであった。花盛りの昨年5月に公表され、パレスチナ人民に選挙を用意する統一政府に向けた計画は、国内のHamasの部隊を幅広く前向きにさせてはいる。
Khaled Meshal、シリアに拠点を置くHamasの政策担当チーフはAbbas氏が暫定政府の首相になる事に同意した。しかしGazaにいる彼の仲間達は相談無く交渉する遣り方に反対した。彼等の間にそして軍事部隊の内部で分派がある。パレスチナ人の殆どは選挙の実行が切迫しているとは思っていない、多くの人はそれが実現するにはまだ多大の時間がかかると疑っている。
差し当たっては、アラブ世界の騒動がイスラエルの作戦行動と共にパレスチナ政府の財政危機を更に悪化させる事につながっている、民間部門がここで近代的なインフラを作り出して、小さいが印象的なビジネス階層を創造している丁度その時に。
ヨルダン川西岸の経済成長は、2008年から2010年までは平均で10%であったが、2011年には失業率が17%で推移し、経済成長も⒌7%に減速した、とIMFのOussama Kanaanは云う。昨年アラブ諸国は全体で、パレスチナ政府に3億4千万ドルを供与したに過ぎないが、期待より少なく2億ドルに止まっている。
パレスチナ政府は、私企業や公的年金基金への債務を返還出来ないでいる、市中銀行への11億ドルの借財の返却に加えて、5億ドルが未払い状態になっている。
パレスチナとイスラエルの財務大臣間で交わされた、パレスチナの歳入の徴収を改善するための協定は、イスラエル政府が承認していないので実行されていない。パレスチナ政府のFayyad首相は云う、これらの手段が全て実行に移されなければ、今月ブリュッセルで開催予定のドナー会議には参加しないかもしれない、と。
同時にイスラエル軍は、ヨルダン川西岸の市街地への夜間襲撃を強化し、最近では二つのテレビ局を閉鎖に追い込み、無気力状態を作り出している。
Fayyad氏は云う、我々はパレスチナの財政、安全そしてイスラエル軍からの暴力に対し、注意を払う必要がある、と。イスラエルの軍隊がやっ来た事は、間違っているし危険である。それは我々を弱体化した政府の様だと思わせている。彼等は、一つの事件が何時手に余る様になるか、事態がいつ容易に制御不能に陥るか、を知らない。
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