『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(148)』「ISと云うイスラム原理主義組織の現在の破壊力、 近未来の戦闘能力がどの程度のものになるのか?」
2016/01/07
『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(148)』
「ISと云うイスラム原理主義組織の現在の破壊力、
近未来の戦闘能力がどの程度のものになるのか?」
中近東、イスラムの情報について、日本のジャー
ナリズムはお手上げ状態、余りにも情報が乏しい。
<F氏のコメント>
小生の根本的な疑問ですが、「ISと云うイスラム原理主義組織の現在の破壊力、そして近未来の戦闘能力がどの程度のものになるのか?と云うことです」
組織の結束力、戦闘能力がどの程度あるのか? 一時的な戦力か持続的なものか?などは実践的且つ理論的に支柱となるリーダーの強力な指導力の有無に左右されます。
『第三世代ジハード理論』の アブムサブスーリー と『カリフを宣言した』バグダディ
この二人のリーダーシップは残念ながら無視出来ないところまで肥大しているのではないでしょうか?
IS組織の完全掌握も不十分、空爆中心で壊滅には程遠い戦術、暫くは ISの跳梁跋扈(ちょうりょう、ばっこ)が続きそうです。
IS組織の消長、日々の戦況、諜報結果戦略課題などのスピーディな報道が一層不可欠となります。
それにしましても、中近東、イスラム文化圏の情報について、日本のジャーナリズムはお手上げの状態ではありませんか?
特に、IS関連の全体と個別情報について余りにも情報が乏しいのではと感じます。BBCの真似をしろとは言いませんが。
「塩野七生」の見るイスラム教のそしてイスラム国 IS
(’15/12/23 日経 イスラム世界や欧州の難民問題に関するインタビュー)
①イスラム世界 そして IS (イスラム国)について
• 古代ローマでは、中産階級,中流階級を大事にし、農地法を作って自作農を確立した。これが社会の安定にも繋がった。ベネチア共和国が安定したのは、国民の70%が中流階級だったから。民主制の基礎となった。
• しかし、イスラム世界は、中産階級をついに作れなかった。アメリカ人から見れば、それがイスラム世界に民主制がなりたたなかった原因となる。 別の人は、社会が安定しない原因であるという。
• イスラム世界も、商人階級は作った。北アフリカと南ヨーロッパの間、地中海を挟み、イスラム世界はサハラのオイルを売り、イタリアは工業製品、フィレンツェであれば繊維製品を売っていた。
原油と言う一次産品と違い、付加価値の高い工業製品は多くの職業を作ったが、イスラム世界では遂にそれが出来なかった。高学歴を与える事が出来ても、それに相応しい職場を作れる社会に、今尚出来ていない。軍隊とか政党にしか、秀才が行く所がないのだ。
この様に、イスラム世界では全ての人に職を与えると言う社会システムの構築に失敗している地域が多い。試みてもいないので、不満分子が出てくるのは当然だ。
ISがリビアの浜辺で殺人を犯した後「この向こうにはローマがある。我々はローマを目指す」と言ったのを見て、1000年の昔の中世に戻ったのかと思った。
イスラム世界からは「ローマで、我々はバチカンを攻撃する」と、中世の時代から延々と言われてきた。
ローマに住んでいて「これはヤバイ。どこかに移った方が良いのかもしれない」と思った。
ISが最後に狙っているのはローマなのでしょう。これは千年以上前から言われて、未だ実現はしていない。ISはあくまでもまだ運動で、彼らがどこかを征服してそこに国を建てて一国として対応するには統治の問題があり、簡単にはいかない。相当道程は長い。
元々、中近東では社会がどうしても安定しなかった。為政者階級の世襲など我慢ならない酷い体制が生まれる。するとヨーロッパ側は「文明への反逆だ」などと言う思いにかられ、空爆をやってしまう。またイスラム世界から恨みを買ったりする。
わたしにはイスラム世界とどう付き合うかについて、答がありません。
② 難民対策について
難民問題というのは、古代ローマの真似をすることは出来ない現在のヨーロッパが、中途半端に真似をしようとするから起こった問題だ。
ローマ時代、難民は受け入れたが、完全に自助努力を求めた。つまり「働け」(奴隷として⁇)と。今は、人権を尊重しないと国連から非難されるので、国民と同等の待遇を与えなければいけない。しかし既存の国民から反発が起きる。又 言語の習得の為の教育費用も相当かかる。円満な解決は難しい。
メルケルが政治亡命なら入れるが、経済亡命は入れないと言うが、どこで線を引くのか?根本的な解決にはなっていない。
部族社会に逆戻りするアラブ世界
http://www.newsweekjapan.jp/kawakami/2015/12/post-5.php
「イスラム国」を支える影の存在
http://www.newsweekjapan.jp/kawakami/2015/12/post-4.php
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