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カヌーで梅雨明けの鎌倉沖をぶらり日記ー『夏本番!』―母なる海に抱かれて、波と光と鎌倉天然海中温泉で戯れる

   

 
「カヌーで梅雨明けの鎌倉沖をぶらりぶらり日記」
 
『夏本番!』―母なる海に抱かれて、波と光と天然温泉で戯れる」
『材木座天然海中温泉』で

前坂 俊之(カヌー釣りバカ30年)

7月17日朝、関東も梅雨明け、これまでのムシムシ、突然土砂降りのゲリラ梅雨は一転、真夏モードに。ホント地球はこわれてしまったね。海の様子をカヌーという体温計で20年間も定期観測していると、自然がひん死の重病に苦しんでいることがよくわかるよ。

 
「今日行かずしていつ行くか」。
                                                                      3時間しかねていないが午前4時に飛び起きた。空は既すでに明るい。

この1週間も忙殺され、原稿も溜まっているが、ほっとけ、こちらこそ命のせんたくじゃ。
「忙しいは心を亡ぼすことじゃ」「若いやつが疲れたとかいうな」とよく、オヤジからおこられたな。忙しいからこそいくのじゃと、朝5時に川越名人と材木座海岸からスタートしたのよ。
 

はるか、江の島の横に富士山が薄墨色のシルエットになって見える。雪の白い線がタテに1本。
葛飾北斎の『富嶽三十六景』一点をみるようじゃ。漁船が2,3隻遠くにみえるのみの静かな海。鎌倉の山も森も緑も静かすぎるよ。

わしの田舎の岡山では子供のころ台風が何回かきて、ゴロゴロ、ピカピカ、バリバリとカミナリがおっこって、あとは一転、カラリ、雲1つない青空が広がってハイ梅雨明け。夏休み。翌早朝から目ざまし時計に火がついたよう一斉に「シャ―シャ、シャ-シャー、ジャージャー」と元気印のクマゼミの大合唱。うるさいこと、うるさいこと。寝られん。「やかましい!ウルセーゾ」とどなって子供心に庭の木を揺すぶると、オシッコをかけて逃げるしな。燃える夏の日本の自然多様性、生命力の爆発を象徴していたんだね。

あの頃、昭和2,30年代は国破れてみんな貧しかったが、その分、自然も人間も経済も、生命も生き生き、爆発しておったよ、みんな生きるのに必死だった。少ない食べ物を分かち合い、近所の人は全員兄弟、姉妹、助け合い、夏の夕涼み台に集まってはわいわい楽しみ、慰めあっていたよ。すべてに元気があったが、その根源は生命力の輝きじゃ。その生命多様性を経済発展、経済成長の名の下に根こそぎ山も海も自然も破壊し、化学薬剤を天文学的に日本列島にぶち込んだのだから生命は絶滅危惧種化、元気(命)がなくなるのは当たり前田のクラッカーよ。

菅さんまでも「日本の元気を取り戻す」なんて、バカの1つ覚えをいっとるが、四国の巡礼をやるくらいなら、千日回峰行で大阿闍梨を政治家をやめたらめざすとか、修行してみろ。そう宣言すれば、その元気パワーにみんな尊敬のまなざしに一変するぜよ。もう1つ、自分の歳費を率先して10分の1にカット、自主返上しますとかっこ良い宣言でもやってみろ。(イギリスの新首相はいち早くやったじゃないか)

そんな元気サプライズもできないんじゃな、勝てば官軍、そのうち賊軍の運命は必定じゃよ。どいつもこいつも風呂屋の主人(いう湯ばかり)で有言不実行の、政治屋ばかり、知行合一(ちこうごういつ)の政治家は1人もいない。いや、例外が2人、大阪府知事の橋下、名古屋市長の川村はやりよるな。楽しみじゃ。この2人は本物の政治家、革命家じゃね。ただし、99,9パーセントのこう無能の無為無策のリーダー、官僚たちの無謀運転で、60年前の大東亜戦争の敗北による国家破産、日本沈没の二の舞が今や秒読みだよ・・と暗然としてくるのよ。

クマゼミから脱線したな。このクマゼミは箱根から西側にわおっても、東京以東にはいないよね。だから、関東の夏はさびいしのよ。京都比叡山のなつはセミしぐれが,全身に降り注ぐ。懐かしいな。京都は自然多様性が爆発していたので、ノーベル賞受賞の数も京大をはじめ日本1だったんだよ。

 

 ここ、鎌倉の海もこれまでの温帯モンスーンからサイパン、グアムのような亜熱帯モンスーンになってしまったね。じとっと湿気を含んだよどんだ空気が午前10時ごろまでは海上に立ちこめて、空もムクムク元気のよい入道雲ではなく、葉山、三浦半島、伊豆半島情は雨雲(下層雲)がおおって、空を見ると秋空のような少しさみしい鰯雲、水温はチトと低いしね。全く天候異変じゃな。20年前とはすっかりかわってしまった。魚も釣れないはずだよ。
 


 

ポイントはいつも小坪沖15メートル、前回のカワハギをねらうが、当たりはなし。
南風が絶え間なく吹きつけ心地よい。竿を1本投げ込んで、あとは風景を眺め、雲の詩人となり、上空のスカイブルーの宇宙キャンパスでの雲のデザインを楽しめばよいのよ。釣りは魚を釣るだけではない。
今日はイワシのナブラはないが、時々、小さなトビウオが突然、バッタが飛行するようにとぶ。
一瞬の光景を脳シャッターにおさめる。あとは全く反応なし。じりじり太陽が照りつけるのみ。


 
 
夏の太陽は午前6時には肌を焼きつくす。『見ちゃおれんよ!』と川越名人がいうほど、顔に真っ白く日焼け止めを塗った体一面に光が痛く突き刺す。おおきな麦わら帽をかぶっても、海面の照り返しも半端じゃない。
 
2時間コマセで回遊魚をねらったがピくともせん。小坪の沖1キロのこのあたりで、もう10年前だったか、1m以上の海ガメにぶつかったこともあるし、これも10年ほど前の冬場にイルカが1頭すみついて、カヌーの回りをお泳ぎ回ったこともあったのに・・・と死に行く海を悲しむ。
 
『釣れんね』→『恋れんな』→『釣れんでよいのよ』→『何でよ』
「そうでなくても少なくなっている魚を釣るな!殺生はやめとけ」→『仏の教えよ』
-「釣れんのがよいよい、最高じゃ」―など、自然への愛がワンサイクル、頭の中で回る。
 
目をつぶって光に顔をむけると、教会のステンドグラスから千色の虹を見る感じで荘厳なバロック音楽が次々に波のオーケストラとともに響いてくる。「メサイア」「主よ、人の望みの喜びよ」〈バッハ〉「ヘンデルのサラバンド」『バッハのメヌエット』・・思わず大声で口ずさむ。海と、自然と、神との強烈な一体感が、千の風となって心も体も癒される。カヌーもほどよい風と波に揺られて、揺らりゆらり、最高の気分だね。
 
夏は速戦即決。カヌーフィッシングはこれにて終了。釣果はゼロ。午前8時半。釣れなければ、あとは海岸で海水浴を楽しめばよい。遠浅のこの海岸は和賀江島にはばまれ、海水はお風呂並みに暖かい。8月にはホットシーとなる。こっそり教えるよ。
 

 

私の大好きな秘密の『材木座天然海中自然温泉』なんだよね。例年、83歳になるおばあちゃんとも一緒に、夕方にここで海水浴して、さっとひと風呂浴びて、ビールを飲めば最高のゼイタクだよ。スーパー銭湯だの、温泉だのと金を払っていくには及ばん。塩水なので吹き出物、カユミモとれる。7、8、9月の3ヵ月はたっぷりたのしめるよ。湘南の穴場スポットを紹介するよ。

こんなにハワイ、バリ、グレートバリアリーフ、ゴールドコースト以上に、都会のすぐ近くにあって、世界最高級の「ショウナンビーチ」に恵まれているのに、プールやフィットネスに金を払って通い、逆に自然がせっせと壊しているのだからどうしようもない。

何だって!紫外線にやられるって、だからさっさと早朝勝負なのじゃ!

 
 
 
 

 - 湘南海山ぶらぶら日記

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