前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

日本リーダーパワー史(682)日本国難史にみる『戦略思考の欠落』(61) 『世界史の中の『日露戦争』ー (英国『タイムズ』米国「ニューヨーク・タイムズ」は「日露戦争をどう報道したか」を読む(20回連載の11回~20回)

   

日本リーダーパワー史(682)

日本国難史にみる『戦略思考の欠落』(61)

世界史の中の『日露戦争』ー

(英国『タイムズ』米国「ニューヨーク・タイムズ」は

「日露戦争をどう報道したか」を読む

(20回連載の11回~20回)

 

世界史の中の『日露戦争』⑪『ついに日露戦争開戦へ』―

『遼東半島を独占するロシアと門戸開放の日本との貿易戦争』
<『ニューヨーク・タイムズ』1904(明治37)年2月9日<開戦2日目>—

http://www.maesaka-toshiyuki.com/war/1660.html

 

⑫英国『タイムズ』米国「ニューヨーク・タイムズ」は「日露戦争をどう報道したか」⑫『日露戦争開戦―日本の奇襲はロシアに打撃』
<世界は日本が相手の最強の要塞の砲台の真下で迅速果敢な攻撃を行ったことに感銘を受けた
<英国『タイムズ』1904(明治37)年2月10日<開戦3日目>—

http://www.maesaka-toshiyuki.com/history/1658.html

世界史の中の『日露戦争』⑬  英国『タイムズ』米国「ニューヨーク・タイムズ」は「日露戦争をどう報道したか」⑬
『極東の戦争(日露戦争)の教訓』<インテリジェンスの教科書としての日露戦争>―<英国『タイムズ』1904(明治37)年2月18日<開戦10日目>—

http://www.maesaka-toshiyuki.com/war/1643.html

世界史の中の『日露戦争』⑭英国『タイムズ』米国「ニューヨーク・タイムズ」
は「日露戦争をどう報道したか」⑭『日露戦争の進展』<インテリジェンスの教科書としての日露戦争>―英国系『ノース・チャイナ・ヘラルド』1904(明治37)年2月12日<開戦4日目>—

http://www.maesaka-toshiyuki.com/war/1642.html

この記事を読むと「戦争、外交記事はこのように書かねばならぬ」というお手本的な記事と思う。

①  戦争とは外交の一手段である。<恫喝、罵倒、脅迫、強圧の激しい言葉のケンカ外交で相手は参ると思って、日本を侮っているロシア側の油断大敵>と<日本側の礼を尽くし、臥薪嘗胆、無言・沈黙・知にいて乱を忘れず、天機至れば『一戦居合斬りも辞さぬ』とのサムライ外交との決戦が日露戦争であり、この両国の戦略論をよく示している。

②  また,ランズダウン卿がロシアをピシリと叱ったコメント力に英国外交のインテリジェンスの高さを強く感じた。

③  北朝鮮恫喝外交、絶望外交、周辺国との外交に関しても、いまこそ日本の政治家もトップも明治のトップの<知行合一>のリーダーシップとコメント力に学ばなければならない。

 

世界史の中の『日露戦争』⑮英国『タイムズ』米国「ニューヨーク・タイムズ」は「日露戦争をどう報道したか」⑮『日露戦争―日本軍の侵攻』<開戦10日目>—<インテリジェンスの教科書としての日露戦争>―『ニューヨーク・タイムズ』1904(明治37)年2月18日

http://www.maesaka-toshiyuki.com/history/1638.html

世界史の中の『日露戦争』⑯
英国『タイムズ』米国「ニューヨーク・タイムズ」は「日露戦争をどう報道したか」⑯
『日露戦争―日本の先制攻撃、水雷攻撃の教訓』<開戦14日目>—『タイムズ』1904(明治37)年2月22日
<インテリジェンスの教科書としての日露戦争>―

http://www.maesaka-toshiyuki.com/history/1634.html

<この記事を読んでの筆者のコメント>

①    このタイムズ記者の軍事外交歴史についての知識の豊富さと他国の戦争の戦略、作戦を自国の教訓とするグローバルな思考力である。

②    ちょうどこの日(16日)にテレビではハワイで行われた「日米島嶼上陸共同軍事訓練」を批判的に論評していたが、日本のメディア、ジャーナリストとの軍事的、国際外交的な知識との圧倒的な差を感じる。

③    この記事では「日本の先制攻撃を評価し、水雷艇の攻撃」も称賛している。緒戦の勝利、攻撃成功が勝敗を大きく左右することは歴史の常識だが、イギリスを興したネルソン提督、ドレイクを引き合いに出して日露戦争を論じている点に「タイムズ」のインテリジェンスを強く感じた。

④    一国平和主義、いまや一国衰退主義に陥っている日本、日本メディアにとって、これまたこの日、16日早朝に見た「コンフェデレーションカップ」のサッカー、日本ブラジル戦の完敗(3-0)を見たが、この記事の指摘が図星と感じた。

⑤    日露戦争で示した日本のトップのリーダーシップと軍人の攻撃精神(得点能力)、先制攻撃、スピード攻撃、沈没撃沈がなぜできたのか、考える必要がある。日本人の欠点、日本のあらゆる点に表れている日本病といっていいサッカーの体質―(日本サッカーの横パス・スローモーパスサッカー、攻撃精神の欠如、シュートをうっても力のないひょろひょろシュート、キーパーの正面しか打てないなど、10年前から指摘されている点が一向に改善できない)

⑥    プロ野球の公式球がいつの間にか飛ぶ球にすり替えられていた問題で、加藤コミッショナーの「知らなかった」「謝罪しない」「責任はない」「一転、申し訳なかった」などとのドタバタ劇にも日本病末期患者を診る思いだった。

⑦    加藤氏は言うまでもなく元在米駐日大使で、外務省のトップであった。日本を代表する外交官、トップリーダーの異文化コミュニケーションの専門家が、あの幼稚なコメント、記者の質問に論理的、合理的な納得のいく説明ができない低レベルである。これが外交交渉で、相手国に論理的な話ができていたのかーと疑われる対応である。

⑧    明治のトップリーダーのリーダーシップ、敢闘精神と外交説得能力の高さ(金子賢太郎らのケースほか)と比べると、日本を興した明治の先人と日本をつぶしつつある昭和のリーダー、国民の差を痛切に感じながら、この記事を読んだ。

 

世界史の中の『日露戦争』⑰英国『タイムズ』米国「ニューヨーク・タイムズ」
は「日露戦争をどう報道したか」⑰『日露戦争―日本は戦う度胸などなく、脅かせば簡単に屈するとみたロシア』<開戦16日目> 英国「タイムズ」1904(明治37)年2月24日

http://www.maesaka-toshiyuki.com/history/1633.html

<この記事の概要>

①   ロシア外務省が極端な引延ばしを図って日本に堪忍袋の緒を切らせたのは,おそらく戦争準備のため時間を稼ぎたかったからだろうと認めている。

②   ロシア皇帝や上流階級は,小国日本がロシア帝国と事を構える度胸があるわけはないという認識が行き渡っていた。

③   日本は見え透いた「ブラフ」(脅かし)で,たかが東洋の1国に過ぎず,アレクセーエフ提督は東洋人の扱い方をわきまえていると考えられていた。

④   大国同士の交際に伴う丁重で敬意を込めた行動は.日本に対しては故意に放棄された。

⑤   ロシアは政策上,東洋の諸国との紛争処理に成功した高圧的な態度をとること,日本の目を覚まさせようとした。

⑥   しかし、日本は遼東半島を,偽りの口実で日本を追い出したときから,ロシアと戦う決意を固めていたことで.またロシアの情報部も,日本の海軍建造計画が1903~4年にはその戦争準備が整うことを示していたことに気づいていなかった。

⑦   ロシアは究極の勝利にはまだ自信を持っているが、敗北もあり得るというのは革命派だけだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

世界史の中の『日露戦争』⑱英国『タイムズ』米国「ニューヨーク・タイムズ」
は「日露戦争をどう報道したか」⑱『日露戦争-朝鮮の独立と領土保全のための戦争』【開戦3週間】<『タイムズ』1904(明治37)年2月29日 >— <インテリジェンスの教科書としての日露戦争>―

http://www.maesaka-toshiyuki.com/war/1631.htm

<記事のポイント>

①  日本軍の戦略家たち(参謀本部、児玉源太郎ら)はスピーディーで大胆細心な作戦、戦術をとっている。

②  近代日本の陸軍はこれから戦闘を始めるが、海軍同様の優秀さを発揮して勝利するであろうとみている。(この軍事的な予見能力の高さ)

③  日本が朝鮮と締結した条約の全文は,英米両国は好意的にみている。

④  日本は朝鮮の皇室の「安寧」と,「朝鮮帝国の独立と領土保全」を保障している。

 

世界史の中の『日露戦争』⑲ 英国『タイムズ』米国「ニューヨーク・タイムズ」は「日露戦争をどう報道したか」⑲
『日露戦争-日本軍、日本人は祖国存続のために戦う』【開戦25日】<『ノース・チャイナ・ヘラルド』1904(明治37)年3月4日 >—<インテリジェンスの教科書としての日露戦争>―
http://www.maesaka-toshiyuki.com/war/1625.html

 

世界史の中の『日露戦争』⑳英国『タイムズ』米国「ニューヨーク・タイムズ」

は「日露戦争をどう報道したか」⑳『日露戦争-サハロフ・ロシア軍参謀総長の日本軍への認識の甘さ』【開戦33日】<『タイムズ』1904(明治37)年3月12日 >—<インテリジェンスの教科書としての日露戦争>

http://www.maesaka-toshiyuki.com/war/1610.html

『この記事を読むと、いかにタイムズの軍事専門記者の専門的な知識による分析力が鋭いか、そのインテリジェンスに舌を巻く。

日本のジャーナリストで日露戦争、昭和戦前の太平洋戦争までの陸海軍担当、従軍記者、昭和戦後から現在までの防衛担当記者を含めてこれにかなうような記者は残念ながらいない、と思う。英国が世界の覇権を握ったのも、軍事・外交・通信のインテリジェンスと同時にこうした優秀なジャーナリストの活躍によってである。』

 - 戦争報道, 現代史研究

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
日本リーダーパワー史(644) 日本国難史にみる『戦略思考の欠落』(37) <戦争で最も重要なことは「インテリジェンス」第2は『ロジスティックス』である>(モルトケ戦略) ▶ 川上参謀次長は日清戦争2ヵ月前に「日本郵船」(近藤廉平)に極秘裏に用船を手配し、大兵をスピーディーに送り込んだ。

日本リーダーパワー史(644) 日本国難史にみる『戦略思考の欠落』(37)   …

no image
速報(325)『醜聞にうまく対応の橋下市長、無言で憶測呼んだ小沢氏』「脱原発デモ」の意味を理解していない野田首相』

速報(325)『日本のメルトダウン』   ●『醜聞にうまく対応の橋下市 …

知的巨人の百歳学(113)ー徳富蘇峰(94歳)ー『生涯現役500冊以上、日本一の思想家、歴史家、ジャーナリストの健康長寿、創作、ウオーキング!』

徳富蘇峰(94歳)ー『生涯現役500冊以上、日本一の思想家、歴史家、ジャーナリス …

『オンライン講座・吉田茂の国難突破力➄』★『2月4日、チャーチルが<鉄のカーテン>演説を行う、2/13日、日本側にGHQ案を提示、3/4日朝 から30時間かけての日米翻訳会議で日本語の憲法案が完成、3/6日の臨時閣議で最終草案要綱は了承,発表された』★

『オンライン講座/日本国憲法制定史➂』    日本リーダーパ …

no image
クイズ『坂の上の雲』(資料)『ニューヨーク・タイムズ』の『日・中・韓』三国志⑤ 東学党の乱と日本の態度

   クイズ『坂の上の雲』(資料) 『ニューヨーク・タイムズ』の『日・中・韓』三 …

no image
日本メルダウン脱出法(670)「米議会演説から「アベノミクス」が消えたわけ」●「トヨタ、「意志ある踊り場」の先に何を見る?」など7本

  日本メルダウン脱出法(670) 「米議会演説から「アベノミクス」が消えたわけ …

no image
日本リーダーパワー史(381)児玉源太郎伝(4)『日露戦争<黄禍論>に対し日本を高く評価した英国タイムズ紙

  日本リーダーパワー史(381) 児玉源太郎伝(4)   ●『日露戦争の<黄禍 …

no image
世界一の授業をみにいこう(3)初代総理大臣・伊藤博文による『明治維新論の講義』ー攘夷論から開国論へ転換した理由

世界一の授業をみにいこう(3)   初代総理大臣・伊藤博文による『明治 …

『Z世代のための百歳学入門』★『芥川龍之介の文学仲間で、大正文士の最後の生き残り作家・小島政二郎(100歳)の人生百歳訓』★『足るを知って分に安んずる』★『いつまでもあると思うな親と金、ないと思うな運と借金』★『起きて半畳、寝て一畳、天下取っても、二合半』

2012/11/23  百歳学入門(56)記事再録  作家・ …

no image
日本メルトダウン脱出法(858)『中国、南シナ海問題取り下げ要求』●『安倍首相 サミットで米露を和解させる外交的勲章に野心』●『コラム:中国の不良債権株式化、銀行の自己資本不足招く恐れ』●『コラム:中国の改革を阻む「ゾンビ企業」の過剰雇用』

日本メルトダウン脱出法(858) 中国、南シナ海問題取り下げ要求 http:// …