『日本リーダーパワー史』(1236)『トランプ次期大統領、石破首相の内憂外患② 』★『トランプ政権始動ー閣僚人事で報復、復讐か!』★『トランプ氏との会談を求めた石破首相』★『石破首相の「リーダパワー?」が問われている』(11月15日までの情報分析です)
2024/12/25
●「お前はクビだ!」
(B)「この人事は大変な問題になるそうですね!?。トランプ氏は前大統領時代に、国防省の軍高官との緊張関係が続いた。マーク・ミリー元統合参謀本部議長は在任中、核ボタンを握ったトランプ氏の不測の行動を危惧して核兵器使用能力を制限する措置をとった。トランプ氏は激怒し「弱腰」「無能な指導者」などと罵倒し衝突した。 そのミリー前統合参謀本部議長は、23年の退任式で「暴君、独裁者に誓いを立てない」と述べた。トランプ氏は一貫して民主党、国防省、司法省を特に「内なる敵」と呼び、政権を奪還した場合、復讐を誓っており、そのリストのトップにミリ氏はノミネートされている。百数十万人の米軍を率いる国防長官に素人のピート・ヘグセス氏(44)を起用したことに米国防総省は大ショックを受けている。国防当局者の一人は「我々は全員、最悪のシナリオに備え準備を進めている。ピート・ヘグセス氏の指名によってどういう展開が待っているのかまだ分からない」と警戒を募らせている」
(C)「ピート・ヘグセス氏はどのような人物かというと、アフガニスタンやイラク、キューバのグアンタナモ米海軍基地での任務経験がある。国防総省幹部による「ウォーク」(民主主義者)と呼ばれる社会正義に目覚めた政策を批判。米軍制服組トップは「左派政治家の過激な立場を推し進めている」などと非難していた。女性の戦闘参加にも反対、米軍制服組トップのブラウン統合参謀本部議長がその職にあるのは黒人だからではないかと人種差別的な発言をしている。
複数の幹部は個人的な見解としてピート氏の資質に疑問を呈し、ある幹部はもっと下位の官職でも務めるのは困難だ、と切り捨てた。一方、トランプ支持のFOXTVの司会者の同氏とは長年の付き合いのあるトランプ氏は「ピートはタフで賢明で、米国第一の真の信奉者だ。ピートが指揮を執ることで、米国の敵に対して、米軍が再び偉大になる」と表明していた」
(B)「トランプ氏は11月13日、大統領選に勝利後初めて首都のホワイトハウスを訪れた。この日は、議会下院選で、共和党が多数派を維持する見通しとなり、共和党・トランプ氏が次期大統領と上下両院を支配する「トリプルレッド」が実現した日となった。1期目とは180度異なり、2期目のトランプ氏は絶大な権力を握ったわけですね。ホワイトハウスの大統領執務室では、バイデン氏が「ドナルド、おめでとう」と祝福し、トランプ氏は「円滑な政権移行に感謝するよ、ジョー」とにこやかに握手、2時間にわたって意見を交換した。しかし、 トランプ氏のハラの中はこの4年間につもりに積もった民主党への恨み、つらみ、怨念を一挙に返して報復、復讐して清算するはつもりと思いますよ、どうなることやら見ものです」
(A)「おっしゃる通り、トランプ氏の「忠臣」で、連邦捜査機関、司法省の廃止などを追求してきた過激な右派のゲーツ共和党前下院議員を司法長官に起用した。
20年大統領選の結果を覆そうとした罪でトランプ氏を起訴したスミス特別検察官は、トランプ氏の就任前に辞任すると決めたので、事件は立ち消えとなりそうだ。さらに、意に沿わない軍高官の解任を容易にするための委員会設置を計画し、既に「粛清リスト」を作成している。「初日だけ独裁者になる」と豪語したトランプ氏は、「有言実行の復讐」にまい進しているのです」。
●トランプ氏の身内、仲間、忠臣の閣僚級人事
(B)「トランプ氏による閣僚級人事指名相次いでいるね。国土安全保障(DHS)長官にサウスダコタ州のクリスティ・ノーム知事を指名された。国土安全保障長官は国境の警備や入国管理、自然災害の対応などを指揮する重要ポストです。
安保担当補佐官にウォルツ氏は、米国陸軍特殊部隊のグリーンベレーの出身。ウクライナに対する支援は必要性を認めているものの、欧州諸国の支援強化も求めており、米国の軍事支援は「欧州から同等の支援が継続されることを条件としなければならない」との立場をとっている。
(A)「政策担当大統領次席補佐官へはスティーブン・ミラー氏の就任が決まった。同氏はトランプ政権1期目の主要なスピーチライターでも移民政策の規制強化を提唱。2期目でその役割は一段と拡大するとみられる。国連大使にはエリス・ステファニク連邦下院議員がなった。同氏は2014年から5期、下院議員を務め、外交経験は限られているが、同盟国に対して防衛努力への貢献を求めるトランプ氏の「米国第一主義」の外交政策を展開するとみられる。元アーカンソー州知事のマイク・ハッカビー氏(69)を駐イスラエル大使に。ハッカビー氏は親イスラエル派であり、ヨルダン川西岸におけるイスラエル入植地の擁護者でもある。
中東問題担当の大統領特使として、不動産会社を経営するユダヤ系の富豪スティーブン・ウィトコフ氏を起用。トランプ氏が9月に南部フロリダ州のゴルフ場で暗殺未遂に遭った際、一緒にプレーしていたゴルフ仲間である」
(C)「それにしても、予想通りに見事に身内、友人、仲間の忠誠心の強い同士ばかりの「イエスマンばかり」のトランプ政権を作りましたね。トランプ氏はこれまで親交のあったプーチン大統領、イスラエルのネタニエフ首相、習近平国家主席、北朝鮮の金正恩国家主席らと西側諸国のトップたちと「剛腕の取引外交」を展開するでしょう。
かし、どの国も『一国主義に対抗して、独自の「遠交近攻」、「合従連衡」、二股外交、三股外交で対抗してくるのは間違いない。トランプ流恫喝、強権外交と中国流の習近平外交の激突は「ツキジデスの罠」(従来の覇権国家と台頭する新興国家が、戦争が不可避な状態にまで衝突する現象)。 ですね。来年の2025年は第2次世界大戦から80年目、現在開かれている「COP29」は各国の首脳級が全く出席していないように地球環境問題は頓挫しつつある。2025年の「世界終末時計』90秒よりさらに進むのではないかと心配される」
●トランプ氏との会談を求めた石破首相
(B)「石破首相は11月14日、APEC首脳会議、G20サミット出席後、米国に立ち寄り、トランプ氏の自宅のあるフロリダ州などで同氏と面会する方向で調整していたが、トランプ氏は新政権の人事を本格化させており、日程の実現が困難な情勢になっている、という。トランプ氏が大統領選で初当選した際、安倍晋三元首相が他国の首脳に先駆けニューヨークで会談し、トランプ氏との蜜月関係を構築するきっかけをつかんだ。石破首相はそれを見習ってのトランプ詣でだったが、うまくいかなかった」
(A) 「11月9日にはトランプ氏と石破氏は電話会談したが、会話時間はわずか5分間。石破氏は「非常にフレンドリーな感じがした」との感想を漏らしていたが、通訳を交えて5分間では実質的な中身はゼロです。
ちなみに韓国のユン大統領とは12分、フランスのマクロン大統領とは25分、ウクライナのゼレンスキー大統領とは25分だったという。日本の評価も石破氏の評価が低いのでしょうかね。 トランプ氏との面会と言えば、今年4月に麻生太郎元首相・党最高顧問が、いち早くニューヨークを訪れ、トランプタワーで1時間にわたり2人だけで差しの会談を行った。次期大統領選出をにらんでの関係構築が狙いだった。
安倍晋三元首相はトランプ氏と何度もゴルフを共にした。トランプ氏を知る閣僚経験者は、「正論にこだわりがちな石破首相とはトランプ氏とは相性が合わないだろう」と語る。石破首相は今のところ「ゴルフをやるつもりはない」と語っており、どうやってトランプ氏との親密関係を構築するのかその外交手腕がとわれるだろう」
●首相指名選挙―30年ぶり決選投票へ
10月27日投開票の衆議院選挙では自民、公明両党の獲得議席が過半数を割り込む、15年ぶりの大惨敗となり、衆院で過半数を占める勢力がいなくなる「ハングパーラメント(宙づり国会)」状態となった。このため、与野党は一斉に政権枠組みを巡る多数派工作、駆け引き、綱引きが始まった。
米ニューヨーク・タイムズは27日「石破氏が総裁の職を辞して首相退陣となれば、日本で以前起こった短期間のうちに首脳が回転ドアの如くころころ変わる状況が再び発生しかねない」と論評した。一方、中国共産党機関紙「人民日報」の姉妹版「環球時報」電子版「環球網」(10月28日配信)は「回転ドア政権になると日本の発言力は極度に下落し、対米追随をしても威力がないので、中国としては喜ばしい。」と拍手喝采した。
各政党の議席バランスは大きく変化した。自民、公明両党は選挙前は絶対過半数を超える279議席を占めていたが、215議席に激減した。非公認となった裏金議員ら与党系無所属の6人を追加公認しても221議席で過半数の233に届かない。28議席の国民民主党を連立に引き込んで249議席となれば過半数をやっと超えられる「石破弱体内閣」と化した。
その結果、28議席と4倍にのばした国民民主党が「キャスチングポイント」を握った。国民民主党。玉木雄一郎代表は各党と等距離を保ち「政策ごとに協議する」(部分連合)方針で、11月11日に開催される特別国会の首相指名選挙では1回目、2回目とも玉木代表の名前を書く方針を発表し、強気の交渉カードを切った。
このため、自民党の森山裕幹事長は10月29日、国民民主党幹事長と話し合い、パートの女性などの手取りを増やす「年収の壁」(103万→178万)の引き上げを協議、検にすることで合意した。
政府の試算では「年収の壁」を75万円引き上げた場合、国と地方の合計で年約7兆6千億円の税収減になる見通し。国民の手取りを増やすという耳障りのいい政策を打ち出している国民民主党だが、「年収の壁」、消費税率半減やエネルギー減税などの財源には一切触れていない。もともと、石破首相と立憲民主の野田佳彦代表は財政再建を重視する立場だが、財源を考慮せずに減税を求める国民民主党が、政権に参加する「自公国」連合で、国民への一律給付金、バラマキ競争の「ポピュリズム」(大衆迎合政治)が一層進むのではないかと危惧する声が出ている。
一方、自民党に次ぐ145議席を獲得した立憲民主党の野田代表は10月30日、「日本維新の会」馬場伸幸代表と会見し、「民意は、政治とカネの問題による自公政権への『ノー』だ。政権を変えるために協力をお願いしたい」と首相指名選挙では野田氏に投票するように呼び掛けた。
これに対し、馬場代表は「安易に立民との連携に踏み切れば、党の軸がぶれたとして、支持者が離れていく」と懸念、反対の姿勢を示した。
また、小沢一郎氏と組んで野田代表が目指した「大野党連合」は不可能となってきており、政権交代に向けての多数派工作も難航している。それ以上に肝心の自民党内はガタガタになっている。小派閥、参謀、側近、部下のいない、支援者なき石破内閣は短命に終わるのかどうかの瀬戸際だ。
●石破首相の「リーダパワー」は?
追い込まれた石破首相の「胆識」「国難突破力」「リーダパワー」が問われている。
11日の「特別国会」では多分、石破氏が首相に選ばれる可能性は高いが、これまで自民党内の密室で決められていた「永田町ブラック政治」が予算案や経済財政問題、安保外交的課題などが、国会の場で真剣論議される「見える化政治」になり、国会の民主主義手続きの透明化、情報公開が進めば、国民の政治リテラシーには大きなメリットになりそうだ。
しかし、逆に、「議論が続くされど決せず」で、すべての難題が先送りとなったり、引き延ばしで、解決、改革できず、木を見て森を見ず、長期的な国家戦略欠如となれば「日本失敗病」が一層深刻化する懸念も大きい。
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