前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

『リーダーシップの日本近現代史』(266 )★ 『福島原発事故発生から4ヵ後の記事再録』★『当面する5大国難(原発処理問題」「迫りくる大地震」「1千兆円突破の国家債務」「急速に進む超高齢化・人口激減・少子化・ 認知症800万人」)は9年間でどこまで解決できたのか』★『国難は複雑性を増し、国民全体の叡智、熟慮、決断、実行が求められている」(高橋是清のケース)

   

2011/07/10に書いた「 日本リーダーパワー史(172)の再録

高橋是清の国難突破力

                  前坂 俊之(ジャーナリスト) 

以下の記事は2011/07/10に書いた「 日本リーダーパワー史(172)『高橋是清の国難突破力①』『日露外債募集戦争』―奇跡的に外債募集に成功した高橋是清のインテリジェンス(1)」だが、3/11東日本大震災、福島原発事故から4ヵ月後の「国難突破」をどうするかの記事である。

現在(2015年当時の)の国難は「原発問題」と同時に「迫りくる大地震」「1000兆円の国家債務問題」「急速に進む超高齢化・人口激減・少子化・認知症800万人時代」など、国難難問はさらに複雑性を増している。

リーダーと同時に国民全体の遠謀、熟慮と決断、断行が求められている。この記事をもう一度再録して、現在から「国難」を考えて、どう対応するかの参考にしたい。

 

2011/07/10での執筆↓

 

① 国家戦略本部がない国、対外インテリジェンス組織のない珍国がわが日本である。国益がなにかの規定もない。だから、タテ割の各省庁が自らの省益に固執して、国益を無視して暴走し、利用もされない箱モノ行政を続けて、天下りの組織、団体を作り続ける。民主党益、自民党益、公明党益、経団連益は追及しても、日本全体の利益、国民の利益、国益を目指す『大同小異』の『大同団結』の行動はとらない。つまり、『頭脳のない図体(経済)、のおおきな私益的な国家が日本なのである。

② 以上の点は、日本人にいかに戦略的思考がないか、インテリジェンスがないか、の証明だが、このシリーズの中では再三その点を指摘してきた。その証拠の1つとして、日露戦争について見てみても、膨大な本が出版されているが、大半の本は軍事的な視点で、軍人中心に記述したものがほとんど。その軍事的なものでも戦略的、インテリジェンスの面から日露戦争を分析した本はまだまだ少ない。ましてや、高橋是清のロンドン市場での外債募集の奮闘記を徹底して調べた本は、軍事日露戦争本に比べるとあまりにも少ない。

 

③ 「金がなければ戦(いくさ)は出来ぬ」は世の東西、歴史の法則である。日露戦争は表向きは日露の軍事衝突と同時に、グローバルに見れば英、仏両金融資本の極東における覇権争いの一部である。ロシアは軍費をフランスからの外債に頼り、日本はイギリスに頼り、高橋是清がロンドン市場での外債募集に成功したのが勝利を決定した。

 

④ 今回は、高橋是清がなぜ成功したのか、その情報、交渉術、インテリジェンスを見てみる。明石工作が何個師団のh兵力に相当したように、、高橋のインてテリジェンスが日本を救ったのである。

 

⑤ 今、日本は『第3の敗戦』、福島原発暴走阻止戦争に突入している状況である。日露戦争、太平洋戦争と同じである。敵国との人間がもった武器と武器との戦いではなくて、未知なる放射能物質との戦いであり、敗北すれば大量の被爆死がでる国難であることにはかわりはない。ここでは歴史的な想像力を駆使する必要がある。

 

⑥ 日露戦争では難攻不落の203高地を陥落させるために下から38歩兵銃をもって、上から丸見えの、丘をよじ登って、夜間突撃を繰り返すことによって、ロシア側から機関銃、大砲で一斉射撃されて死者累々の屍の山を築いた。日本軍兵力は10万人のうち死傷者:6万212人という日本兵の集団自殺的な戦死といわれた。これほど長期にわたって災害をもたらした例は、戦争史上に類がないと言われる。

 

⑦ 一橋大学名誉教授・藤原彰氏の調査によると、アジア太平洋戦争における戦死230万人の内、その約六割、約140万人が「餓死」と推定している。

その出典『餓死した英霊たち』(藤原彰著 青木書店)では「餓死」とは、栄養失調による「不完全飢餓」によって病気に対する抵抗力を失った結果としての戦病死をもふくむ広義の規定である。

 「ガダルカナル島の場合、方面軍司令官は死者2万、戦死5千、餓死1万5千と述べている。ブーゲンビル島では、死者約2万はほとんど餓死。 …ソロモン諸島の死没者の四分の三にあたる 6万6千名が餓死したと考えられる」。

 「厚生省の調査では、東ニューギニアの戦没者は12万7千。いずれも死者の九割以上、実に11万4840名が餓死だったとしている。

 インパール作戦をふくむビルマ方面軍でも死者の78%、14万5千人かそれ以上が餓死者と推定。中部太平洋では、サイパン、グアム、テニアン、ベリリューなどの諸島では日本軍は上陸した米軍と戦って「玉砕」した。全体では12万以上が病死・餓死していたと見られる。

 日本軍が最も多くの死者を出したフィリピン戦線で、8割の40万人が餓死と推定。中国戦線での死者は45万5千だが、栄養失調に起因するマラリア、赤痢、脚気などによる病死者は死因の三~四割を占める。

中国戦線での全死者の約半数が栄養失調にもとづく病死であり、22万以上である。合計では 1,276,240名に達し、全体の戦没者2,121,000名の60%強。77年以後の戦没軍人軍属230万という総数に対して換算すると 140万前後が戦病死者、そのほとんどが餓死者ということになる」と結論づけている。

 

⑧ 太平洋戦争での米軍による空襲によって1945年3月10日 米軍による東京大空襲死亡8万、負傷4万人 被災家屋:26万,同年8月6日  米軍による広島への原爆投下 死者十数万―30万人、8月9日 米軍による長崎への原爆投下 約7万4千人―15万人が死亡するなど、数十万人が犠牲になった。

⑨ 今回の福島原発事故、放射能漏えいは広島型原爆の50発以上に相当すると言われる。海洋汚染、地下汚染はなお続いており、事故の収束には数十年かかる見込み。

いま、長期の阻止戦争が始まったばかりだが、地球上での最凶、最悪の「死の灰」「放射能」との阻止戦争を迎え撃つわが国の体制は、いまだ国防に当たる政府、防衛省などの1本化された体制ではなく,大失敗をした民間の営利会社・東電が中心となってわずか千人単位の下請けの作業員でおこなっているという前代未聞の体制である。(ちなみにチェルノブイリでは軍隊など60万人の総動員体制で一挙に鎮圧した)

日露戦争、太平洋戦争とくらべても、最凶、最悪の敵に対する兵力、軍備、情報は天文学的にすくない。これで勝てるわけがなく、数年後、数十年後の『静かなるガン死者続出』、死者累々という国難、戦争になるののではと危惧する。かつてのテツを絶対踏んではならない。

 

⑩ 古来「国、大なりといえども、戦いを好む時は必ず亡ぶ。国、平和といえども戦いを忘れた時は必ず危うし](史記)と言われる。明治以来の歴史は正にこの通リである。

 - 健康長寿

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

世界を変えた大谷翔平「三刀流(投打走)物語➅」★『2018年渡米してオープン戦で大スランプに陥った大谷にイチローがアドバイスした言葉とは』★『自分の才能、自分の持っているポテンシャルにもっと自信をもて!』『イチローは現代の「宮本武蔵」なり「鍛錬を怠るな<鍛とは千日、錬とは一万日(30年)の稽古なり>

    2021年11月27日、前坂 俊之(ジャーナリスト) …

『鎌倉絶景サンセットチャンネル』★『鎌倉材木座海岸のゴールドラッシュ・サンセット(22023年1月5日午後4時40分)

  鎌倉材木座海岸のゴールドラッシュ・サンセット(22023年1月5日 …

『オンライン講座/野口恒の先駆的なインターネット江戸学講義(19)』★ 『日本再生への独創的視点・江戸のネットワ-ク社会に学ぶ 日本のノマド学』★『ノマド(移動の民)は日本の歴史や社会の主流ではなかったが、彼らのパワ-とエネルギ-は日本の社会に変化と活力を与えてきた』

    2012/06/07 記事再録 日本再生へ …

no image
最高に面白い人物史⑥人気記事再録★「米国初代大統領・ワシントン、イタリア建国の父・ガリバルディと並ぶ世界史の英雄・西郷隆盛のリーダーシップに学ぶ。ー『奴隷解放』のマリア・ルス号事件を指導。明治維新の主な大改革は西郷総理(実質上)の2年間に達成された。

日本リーダーパワー史(858) 国難の救世主「西郷隆盛のリーダーシップ」に学ぶ。 …

『オンライン100歳学講座』★『 全財産をはたいて井戸塀となり日本一の大百科事典『群書索引』『広文庫』を出版した明治の大学者(東大教授)物集高見(80歳) と物集高量(朝日新聞記者、106歳)父子の「学者貧乏・ハチャメチャ・破天荒な奇跡の物語」★『生活保護、極貧生活でも飄々とした超俗的な生き方に多くの人々は百歳老人の理想像を見て、その知恵と勇気に感動した』

  前坂 俊之(ジャーナリスト) 物集高見が出版した大百科事典『群書索 …

『オンライン講座・大谷翔平選手と日本政治家の実力比較』★『世界中から有能な人材を超高給でスカウトし、スピーデイなリーダーシップで世界覇権を死守する米国」★『世界一の超高齢少子人口減少社会の解決に30年間も失敗連続で中進国・後進国に転落し沈没寸前の日本』★『MLBを制した大谷の実力と比べて日本の政治家は落第である」 

大谷翔平選手と日本政治の実力比較  前坂 俊之(ジャーナリスト)   …

『鎌倉カヤック釣りバカ/タコ日記』★『大ダコがキス細竿にかかり、船べりに吸着し格闘10分』『大アジ(30㎝)をゲット』★『タコ刺し、タコ料理法を伝授しますよ』』

  2013/07/19  「カヤック釣 …

no image
知的巨人の百歳学(155)/記事再録/百歳学入門(46)原安三郎(98歳)「いつでも平常心を持って急迫の事態にも冷静に対応し、判断せよ」長寿10ヵ条とは

  2012/08/11  百歳学入門( …

no image
★「コロナ騒ぎの外出自粛令で、自宅で閉じこもっている人のためにお勧めする<面白い人物伝>★<超高齢社会>創造力は老人となると衰えるのか<創造力は年齢に関係なし>『 ダビンチから音楽家、カントまで天才が傑作をモノにした年齢はいずれも晩年』★『 ラッセルは97歳まで活躍したぞ』

  <創造力は年齢に関係なし、世界の天才の年齢調べは> 前坂 俊之 ( …

『鎌倉釣りバカ人生30年/回想動画録』⑬『10年前の鎌倉沖は豊饒の海だった』★『Severe winter in KAMAKURA SEA』『老人の海』=『ラッキー!大カサゴのお出ましじゃ』

2011-02-17 記事再録 =『Severe winter in KAMAK …