前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

池田龍夫のマスコミ時評(67)●沖縄米兵「夜間外出禁止令」に実効性あるか●米兵の強姦事件で、沖縄の怒りは高まる

   

池田龍夫のマスコミ時評(67)
 
●沖縄米兵「夜間外出禁止令」に実効性あるか(10・22)
●米兵の強姦事件で、沖縄の怒りは高まる(10・19)
 
 
池田龍夫(ジャーナリスト)
 
 
●沖縄米兵「夜間外出禁止令」に実効性あるか(10・22)
 
 
ルース駐日米大使とアンジェレラ在日米軍司令官は10月19日、沖縄で起きた米兵2人の強姦事件に関し、「①19日から、午後11時から午前5時まで夜間外出を禁止する。対象者は日本に滞在する全ての軍人。出張者や休暇中の者も含む②違反者は統一軍法によって処分する③軍人・軍属に対し、再研修を実施する――などの再発防止策を発表した。
 
          反米感情の沈静化が狙い
 
 在日米軍約3万7000人のうち沖縄には2万6000人が駐留しており、犯罪発生率も多い。今回の事件を深刻に受け止めた米政府がいち早く防止策を打ち出した背景には、日米同盟への悪影響を懸念したことが明らかだ。
ルース大使は「今回の事件を憂慮しており、米政府の最高レベルの幹部が極めて深刻に受け止めている」と述べた。即座に対策を打ち出して、沖縄住民の反米感情沈静化を狙っての事だろう。
 
          日本政府は厳重抗議すべきだ
 
 今回の米兵不祥事に対し、森本敏防衛相ら日本政府の姿勢が消極的ではなかったか。「米国の機嫌を損ねては…」との配慮から、厳重抗議を控えたように思えてならない。今回の事件で、米兵が基地内に逃げ込んでいたら、「日米地位協定」の縛りで、対応がもつれたに違いない。
 
           「地位協定」改定交渉の好機
 
10月19日付「ウオッチ」欄でも指摘したが、不平等な「地位協定」改定しない限り、この種の犯罪はなくならないと、心配でならない。従って、米側が犯罪防止策を打ち出したのを好機と捉え、日本政府は改定交渉を積極的に働きかけるべきである。
 横須賀など米軍基地を抱える本土都市も、沖縄同様の米兵犯罪に悩んでいる。朝日新聞10月21日付朝刊が報じた指摘は示唆に富む。
 
2002年に横須賀市で米兵による強姦被害を受けたオーストラリア人のキャサリン・フィッシャ-さんは10月19日、沖縄県庁で記者会見。『事件は一部の腐ったリンゴがやったのではない。米軍全体の問題。体質を変えなければ事件は続く』と訴えた」と伝えていた。
   
キャサリンさん会見の模様はNHKテレビも報じていた。米軍は損害賠償交渉に応じず、横須賀市から賠償金が支払われたというが、米軍の従属国扱いの姿勢が腹立たしい。
 森本防衛相に、米兵犯罪防止に向けた積極交渉の推進を強く望みたい。
 
 
米兵の強姦事件で、沖縄の怒りは高まる(1019)
 
 米軍基地の島・沖縄では、オスプレイ(垂直離着陸輸送機)の強行配備や普天間飛行場の移転難航で、県民の日米両政府への不信感が高まっている。そこに〝火に油を注ぐ〟ような事件が発生した。若い米海兵2人が10月16日未明、沖縄本島中部の屋外で、帰宅途中の成人女性を次々に強姦し首にケガを負わせた容疑。沖縄県警に逮捕され、那覇地検に送検された。
 
          「正気の沙汰ではない」と厳重抗議
 
 仲井真弘多沖縄県知事は10月17日急きょ上京、森本敏防衛相やルース駐日米大使に「正気の沙汰ではない。綱紀粛正という生やさしい処置ではなく、もっと厳しい対応を示してほしい」と抗議した。8月18日には米海兵隊員が女性暴行容疑で逮捕され、この時も抗議を受けた米側は再発防止を約束したが、米兵の乱行ぶりは相変わらずだ。
 
 1995年の米海兵隊員3人による少女暴行事件を思い出す。沖縄県民の怒りが爆発、米軍基地縮小や、米兵の取り扱いをめぐって日米間の緊張が高まった。今回の強姦事件は基地外で容疑者を見つけて沖縄県警に逮捕されたが、もし基地内での事件だったら、引き渡しをめぐって揉めるケースになったと思われる。
 
        不平等な「地位協定」を改めよ
 
仲井真知事は「日米地位協定を改定しない限り、火ダネはなくなるまい」と言っているが、両国政府は改定交渉に本腰を入れるべきだ。
 
この地位協定では、公務中の犯罪に米軍当局が裁判権を優先的に行使できるほか、公務外に基地の外で起こした犯罪についても米側が先に容疑者の身柄を拘束した場合は日本側が起訴するまで身柄を引き渡さなくてもいい規定になっている。その後の運用改善によって多少は良くなっているようだが、依然として米国優位の地位協定であることを、本土の人たちも再認識しなければならない。
 
       沖縄の負担軽減が喫緊の課題
 
 朝日新聞10月18日付社説は、「日米協調は必要だが、今回の事件が火ダネとなって、再び沖縄で反基地の思いが爆発することは十分考えられる。日米両政府は真剣に対策を講じる必要がある。沖縄で米兵による事件が多いのは、国土面積の0・6%にすぎないこの島に、在日米軍基地の面積の約74%が集中している現実が根底にある。沖縄の負担をどう分かつか。沖縄の外に住む1人ひとりが考えなくてはならない」と警告していた。
 
(いけだ・たつお)1953年毎日新聞入社、中部本社編集局長・紙面審査委員長など。

 - IT・マスコミ論

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(196)★『ぶらりグアムの旅びっくり印象記』-このままでは韓国の植民地?(笑)になりそうです。

『F国際ビジネスマンのワールド・ニュース・ウオッチ(196) ★『ぶらりグアムの …

『オンライン/2022年はどうなるのか講座➄』★『過去に固執する国に未来を開くカギはない。不正な統計データの上にデジタル庁を築いても砂上の楼閣』★『厚労省の不正統計問題(2019年2月)」は「不正天国日本」を象徴する事件、2度あることは3度ある<ガラパゴスジャパン不正天国病>』★『太平洋戦争中の<ウソ八百の大本営発表と同じ>」★『昭和の軍人官僚が国をつぶし、現在の政治家、官僚、国民全体が「国家衰退、経済敗戦」へ転落中であることを自覚していない』

2019/02/18  日本リーダーパワー史(969)記事再録 「厚労 …

『オンライン講座/ 初の現代訳『落花流水』一挙掲載 ―ヨーロッパを股にかけた大謀略 「明石工作」の全容を記した極秘文書 小説より面白いスパイ報告書。

『日露インテリジェンス戦争を制した天才参謀・明石元二郎大佐』(前坂俊之著、新人物 …

『Z世代のための<憲政の神様・尾崎咢堂の語る「対中国・韓国論⑦」の講義⑮』★『本邦の朝鮮に対して施すべき政策を論ず』★『朝鮮の独立を認め、日本を敵視せず、トルコ、ベトナム、清仏戦争の失敗に学ばねば、清国は滅亡する(尾崎の予言)』

    2018/02/14  『本邦の …

no image
終戦70年・日本敗戦史(72)「新聞界一致で「米英撃滅国民大会」開催」「米英撃滅・屠れ米英、我等の敵・進め一億火の玉だ」

 終戦70年・日本敗戦史(72)  大東亜戦争開戦の「朝日, …

no image
池田龍夫のマスコミ時評(66)●「IPS細胞移植、臨床応用」の大誤報(10・14)●「復興予算」の勝手な流用は許せない(10・13)

  池田龍夫のマスコミ時評(66)   ●「IPS細胞移植、 …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(316 )★『コロナパニック/国際舞台で戦う方法⑥』★『上原浩治投手からグローバル リーダーの必勝法を学ぶ』ー「プロは結果を残さなければ責任をとる」

 2013/10/20   日本リーダー …

no image
池田龍夫のマスコミ時評(37)ー『原発依存、沖縄依存から脱却をー野田民主党政権の試金石』

池田龍夫のマスコミ時評(37) 『原発依存、沖縄依存から脱却をー野田民主党政権の …

●『今から約10年前の 2012/01/23のマイニュース 速報(222)再録』★『日本のメルトダウン』★『迫りくる<日本沈没>は不可避か』●今こそ『インテリジェンス(叡智)と国難突破力が問われている』

速報(222)『日本のメルトダウン』 ★『迫りくる<日本沈没>=巨大地震・内部被 …

no image
『オンライン講座/ハリウッドを制したイケメン日本人俳優・早川雪洲とは何者か?』★『ハリウッドの王者』となった早川雪洲は一転、排日移民法の成立で米国から追われた』★『「働き中毒」で米国になじまなかった「出稼ぎ労働者の日本人移民」は 「排日移民法、排日土地法」の成立で米国から追放された』②

  2015/12/16 記事再録 決定版・20世紀/世界が …