「チャットGPT」と日本の低迷
昨年11月、グーグルは「不可能の探求」をテーマに人工知能(AI)の進化を祝うイベントを開催した。「チャットGPT]と同じような「スーパーコンピュータ」と、深層学習(ディープラーニング)」の結合によって、人間が書いたような「文章生成型」の「ジェネレーティブAI(LaMDAなど)を発表して好評をはくした。
ところが、そのわずか数週間後に「オープンAI」がマイクロソフトと組んで、より正確な文章生成対話システム「チャットGPT]を発表した。チャットGPTは、何でも質問すれば、宿題のテストの答案を作り、調査レポート、論文、小説、評論、詩、劇、歌、画像、百科事典のようネット上のあらゆるテーマについて即答してくれるAI万能ロボットといえる。超便利で簡単、利用料も安い時間短縮の対話型で人気が爆発した。
先んじられたグーグルトップは「AIが人間の言葉でなんでも答えてくれるなら、検索は必要なくなる。検索広告の売上が全体の8割を占めるわが社にとっては死活問題だ」!とショックを受けて「コードレッド(会社の緊急事態)」を宣言した。
「ニューヨーク・タイムズ」(1月20日付)も『「チャットGPT」は、検索エンジンの必要をなくし、グーグルのビジネスモデルを破壊する可能性がある』と指摘した。
「チャットGPT」の出現が世界中で論争を巻き起こした。フランスの名門大学、パリ政治学院は1月27日、不正行為や盗作を防ぐため「チャットGPT」を禁止した。すでにニューヨーク市、サンフランシスコ市でも学校での使用を禁止している。
『オープンAI』はアルトマンCEO(スタンフォード大は2005年に中退)とテスラのイーロン・ンマスクCEOが共同で設立した企業だが、そのおひざ元のスタンフォード大の期末試験でも学生多数が「チャットGPT」を使っていたことが判明確認した。
そのため「チャットGPT」がどれくらいの精度があるのかをペンシルベニア大学ビジネススクールのMBA課程の期末試験で試してたところ「B」点で合格した、という。「チャットGPT」のすごさの一端がわけだ証明されたわけだ。
一方、別の結果も出てきた。サイトの信頼度を判定する米メディアベンチャー「ニュースガード」の報告書では、主要なフェイクニュース100件について、「チャットGPT」にそのフェイクニュースを発信者の視点でテキストつくるように指示した結果、80件で、指示通りにフェイクニュースや誤解を招くテキストを生成した」という。このため、悪用されれば<フェイクニュースマシーン!>、武器になる危険性が大きい」と警告する。
また別の識者は「電卓が出現しときに、数学の授業で禁止したりインターネット、スマホが出現するとポルノやワイセツ写真があるとして、子供たちの使用を禁止した歴史が繰り返されている。デジタルツールではなく使う側のITリテラシーを高め、フェイクをいかに制御するかを考えなければならない」と、一大論争が巻き起こっている。
チャットGPT従来のインターネット検索を無用のにするのか、スマホ中毒、スマホ病の「思考力のない人間」を大量に作るのか。コピーライターやジャーナリスト、芸術家、作曲家、法律家のアシスタントの仕事を奪うのかー今後の「チャットGPT」に目が離せない。。
世界的インターネットが出現して約30年、現在はAIエンジニアがスーパーコンピューターに情報を入力、深層学習させて人工知能(AI)が30歳の青年に成長した段階といえる。
- 「生成型AI時代」へ
そのAIの性能が全人類の知性の総和を越える時点”である「シンギュラリティ」(カーツワイル博士の未来予測)が2045年にはやっくるという。あと約20年で、人間がAIに支配される時代となる。今はその中間地点の人間指導の「生成型AI時代」の幕開けである。
その「生成型AI時代」のトップグループは今回の「チャットGPT」などの大規模言語モデルを構築した①「オ-プンAI」②グーグルの『スイッチフォーマ』➂中国の「「悟道2.0」などが先陣を争っている。この3社のスーパーコンピューターのパラメータ(情報データー)数は1兆6千億~7千億だが、日本の『ハイパークローバ』はわずか820億しかない。何と6分の1の決定的な差がある。これが日本の経済力の没落を象徴している。
IMD(国際経営開発研究所)が作成する「世界競争力年鑑2022年版」では日本の国際競争力ランキングはついに34位に下落、アジアでも8位に後退している落第・没落国家である。
日本のAI導入率は世界で31位。AIに理解あるという企業は米国が75%に、日本24%、AIエンジニア等の人材を会社内部に持っているいう企業は、米国62%、日本は11%という調査結果も出ている。
英国『アーム』(Arm)はスマホ、監視カメラの小型デバイス、IoTデバイス向けのCPUから、データセンターなどの巨大システムの頭脳までを網羅した世界最大のCPUデザイン企業でソフトバンクグループ(孫正義社長)が株式の75%を所有している。
その孫氏は「DX(デジタル変革)のキーワードは「AI革命」であり、「アーム」のCPUの累積出荷数が2500億個を超え、4~5年ごとに2倍に増えている。IoTデバイスが世界中に1兆個溢れてるという状況は目前に来ている。AIの頭脳、GPUの処理能力は5年で13倍、コストは2年で33万分の1になった。
AIによるデジタル革命で①コストは50%削減②イノベーションの創出は40倍➂製品投下スピードは10」になる。」
という。
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