前坂俊之オフィシャルウェブサイト

地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える

*

<鎌倉古寺巡礼>『鎌倉で最高の巡礼のお寺はどこでしょうか?ー妙法寺(苔寺)の山道じゃ。単独で往け』

      2015/01/01

                                           <鎌倉古寺巡礼> 
 
『鎌倉で最高の巡礼のお寺はどこでしょうか?
大愚が一番気に入っているのは妙法寺(苔寺)の山道じゃ
森閑として心の修行には最高。ただし、単独で往け』
 
前坂俊之(ジャーナリスト)
 
          『苔寺』といわれる妙法寺(鎌倉市大町4-7-4)

 妙法寺は佐竹山と向かい合う山下にある寺で、楞厳寺山蓮華院(りょうごんぎんれんげいん)という。建長五年(1253) 鎌倉入りをした日蓮は、松葉ガ谷に草庵を結んだ。日蓮の熱心な布教は念仏宗徒による小庵の襲撃事件を引き起こした。この『松葉ガ谷法難』の旧跡に、妙法寺は立てられたとい­う。ほかの寺にも同様なものがあるが、日蓮ゆかりの寺である。
 延文二年(1357)、この寺を日叡か再興した。日叡は護良親王の遺児で幼名を楞厳丸(りょうごんまる)、のちに足利尊氏の叔父日静の弟子となり、妙法房と称した。山号、­および寺名はこれに因む。

 


「新編相模国風土記稿」によると、山門のほかに四脚門、二王門、鐘楼があり、塔頭も五院を数えたというから、南北朝時代から室町時代にかけては名刹であった。しかし、江戸­時代には荒廃し、破壊された本堂の修複もできなかったといわれる。寺伝によれば徳川家斉(11代将軍)も参詣し、御成の間が明治三十年頃まで残っていたという。本堂の脇間­に安置されている極彩色の多宝塔は家斉寄進のもので、永代橋の供養のときに下賜され、以後、隅田川の川施餓鬼のときの本体となったと伝えられる。     現在の本堂は肥後細川家が江戸時代に造立したものである。総檜造りで、堂内の杉戸や欄間に極彩色金箔の絵が描かれている。本堂前の小堂は大覚堂である。
 仁王門から釈迦堂址へいたる石段が「苔の石段」である。その右脇の石段をたどると釈迦堂跡で、宝形造の法華堂が建っている。この堂字は文化年間(1804-1818)に水­戸徳川家が寄進したものである。中には彫刻に金箔をほどこした大厨子があり、厄除祖師像を安置している。開扉は八月二十七日、九月十二日の両日である。


 日蓮は、松葉ガ谷法難の際に、「山王様のお使い」と思われる白猿の導きによってお猿畠(名越切通しの北方)に難を逃れたといわれる。この白猿は日蓮に山中の生姜(なましょ­うが)を捧げたといい、以来、妙法寺では、松葉ガ谷法難会(八月二十七日)と龍ノロ法難会(九月十二日、十三日 には生姜が供され、「厄除け生姜」として参詣者にも供養される。
 妙法寺三十二世の住持日応は、水戸領の久昌寺から移った僧なので、水戸家の支援を得て寺勢を拡げた。


 境内の仁王門から法華堂へ上がっていくと、うっそうとした樹木の合間で空気はひんやりと、鳥がさえずり、森閑としており、石段は厚い苔におおわれ、地面は湿気を含んでシダ­類が多数繁茂し、鎌倉の古寺でも一番、原始の森にたつ寺の雰囲気が癒しの最高のパワースポットになっている。「苔の寺」というよりも自然の森の寺である。石段の両側が白車­シャガの花に
包まれる五月から夏にかけての、あざやかな緑は特に美しいが、年中おとずれてもそれぞれの趣がある。是非、一人で巡礼の旅として訪れたい古寺である。
鐘楼の脇から石段、そして山径をたどると、護良親王の蓋、開山日蓮、中興開山の日叡の墓があり、また、南の山鼻に、鷲宮がある。由井長者時忠の児(のちの良弁)をさらった­鷲を、頼朝が祀ったとの言い伝えがある。
 

鎌倉古寺百選ーわが愛する妙法寺は最高の癒しポイント★5ー⑤

 - 湘南海山ぶらぶら日記 , , , , , , , , , ,

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

no image
『猛暑を涼しくクール・カマクラ・ ネイチャーライフ(8/17)』鎌倉神秘の町―里山の<せせせらぎ>をめぐる(8/17)』

 『猛暑を涼しくクール・カマクラ・ネイチャーライフ(8/17)』 &n …

no image
『冬こそステキー鎌倉サーフィン』寒気の緩んだ由比ヶ浜、七里ヶ浜はスモールウエーブだったが、みんなエンジョイ!(1月27日)

<サーファーズパラダイスKamakura>   ◎『冬こそステキー鎌倉 …

『オンライン/鎌倉ぶらぶら散歩』★『鎌倉八幡宮の蓮の花を見に行く』★『鎌倉材木座海岸に黄金色のサンセットを見に行く』★『鎌倉時代の面影が残る光明寺裏の内藤家墓地』のコースは楽しいよ

逗子市小坪/花の町をぶらり散歩(2020 /8/13pm1600 )-炎天下、ひ …

no image
『美しい海と山と文化のKAMAKURA』『秋本番。鎌倉歴史・史跡 散歩に絶好の季節だよ(10月13日現在)

 <『美しい海と山と文化の鎌倉(KAMAKURA』>   ◎ …

no image
“World Camera Watch o (61)”< I look up the Yakushiji three statues of Treasures Nara over>the world②

  "World Camera Watch of F Man …

『リモート京都観光動画』/『The Japanese landscape garden in Kyoto Nijo Castle/ 戦災を免れた優美な京都の国宝・二条城(世界文化遺産)ー外国人観光客で大賑わい』★『ー金色細工の唐門を通って二の丸御殿前へ』★『ー金色細工の唐門を通って二の丸御殿前へ』★『小堀遠州代表作の池泉回遊式庭園二の丸庭園を散歩する』

<2014/04/03撮影>   ★5 The Japanese la …

no image
『リーダーシップの日本近現代史』(302)★『生死一如/往生術から学ぶ①『元気とは性欲、食欲、名誉欲、物欲、金銭欲がふつふつと煮えたぎっている状態、つまり煩悩である。その元気が死を覆い隠しているのです」とね。

    2010/01/21 &nbsp …

no image
毎日が夏休み!ハッピー・リタイアメント『鎌倉カヤック釣れない日記』ーついにきたぞ!、大ソーダカツオが竿を満月に⑥

<毎日が夏休み!ハッピー・リタイアメント>               …

no image
「もう秋!誰もいない海―鎌倉海岸を散歩してリフレッシュ!」★『日本一の海辺のリゾート・リビエラ逗子マリーナの夕焼けは最高!』

  「もう秋!誰もいない海―鎌倉海岸を散歩してリフレッシュ!」 &nb …

no image
『鎌倉通―鶴岡八幡宮の蓮の花を見に行く』この<至上極美>の花を見ずしては死にきれないよ』(7/15)

  『鎌倉通―鶴岡八幡宮の蓮の花を見に行く』 ●『鶴岡八幡宮 …