日中韓異文化理解の歴史学(2)(まとめ記事再録)『日中韓150年戦争史の原因を読み解く』(連載70回中、21ー35回分)★『申報、英タイムズ、ルー・タン、ノース・チャイナ・ヘラルドなどの外国新聞の報道から読み解く』●『朝鮮半島をめぐる150年間続く紛争のルーツがここにある』★『「 日本か朝鮮を狙うのは有害無益な ことを論ず」(申報)』●『 西欧列強下の『中国,日本,朝鮮の対立と戦争』(英タイムズ)』●『 長崎事件を語る」 (日本は国力、軍事力で中国には全くかなわない)申報』
2017/07/06
『中国紙『申報』からみた『日中韓150年戦争史』
㉑「 日本か朝鮮を狙うのは有害無益な
ことを論ず」(申報)
http://www.maesaka-toshiyuki.com/war/367.html
日中150年戦争のルーツは中国が冊封体制によって属国としていた
『琉球王朝』(日中両方に朝貢していた)を明治維新後に一方的に「琉球処分」して、日本が沖縄県に編入したことが対立の発火点なのである。
これが「壬午事変」(明治15年)「甲申事変」(明治17年)とエスカレートして、「日清戦争」(明治27年)へと爆発する。
この三国関係の外円には西欧列強の英国、フランス、ロシア,アメリカ、ドイツが加わって中国、日本、朝鮮をターゲットに19世紀の帝国主義的領土、
経済利権の分捕り合戦、戦争が繰り広げられた。
ロシアは不凍港を求めて、朝鮮に南下政策を強行しており、巨文島を狙った。これに英国は待ったをかけて、いち早く占領し、ロシアの南下を阻止した。
結局、ロシアの朝鮮支配に危機感をもった日本が最終的に防衛戦争として
『日露戦争』に踏み切ったというのが正解である。
巨文島をめぐる軍事紛争を見ていると、130年たった現在の北朝鮮をめぐる危機、外交駆け引きとの類似性に驚く。東アジアのバルカン半島がまさしく朝鮮半島なのである。
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『中国紙『申報』からみた『日中韓150年戦争史』㉒「 朝鮮で再び問題起きる」 (英「ノース・チャイナ・ヘラルド」)http://www.maesaka-toshiyuki.com/war/366.html
『中国紙『申報』からみた『日中韓150年戦争史』㉓ 西欧列強下の『中国,日本,朝鮮の対立と戦争』(上)(英タイムズ)
http://www.maesaka-toshiyuki.com/history/358.html
列強の最大のターゲットは中国で、フランスがベトナムを巡って清仏戦争
を仕掛けており、フランスは日本を取り込んで中国と戦争させようとあの手
このてで策謀を仕掛けてくる。
これには賢明な日本の伊藤博文、井上馨らはその手には乗らなかった。クリミヤ戦争(1853-56)で英仏に敗れて、
ロシアのトルコへの海軍の不凍港を求めての南下政策が失敗し、ロシアは一転して、全精力をあげて
シベリアからの南下政策に転換、日本へのペリー米艦隊とほぼ同時に開国を迫ってやってくる。
ロシアの不凍港を求める強引な南下・膨張政策で中国、朝鮮、日本と対立、
紛争を連発し、英国も危機感から、朝鮮巨文島事件(1885)でロシアと
一触即発となった。
いちばん弱国の中国の属国・朝鮮を巡って、列強の代理戦争が勃発し、
ドイツは李鴻章の私設秘書となったドイツ人が朝鮮王宮を牛耳っているの
をうまく利用し、フランスと組んで策謀をめぐらせてた。
(日清戦争後、独仏露の『三国干渉』の前哨戦)
一方、英国はアジア最大の植民地利権を死守すべく、多国間外交インテ
リジェンスを展開、抜け目のない中国・李鴻章も盛んに裏の手外交を展開し、
朝鮮王宮(大院君,閔妃の絶え間のない内部抗争)の外交は
コロコロ変わり、そのとばっちりで2度も在留邦人多数がテロで殺害され、
日本公使館も焼き討ち、襲撃されるなど、外交音痴の日本は翻弄され続けた。
以下の記事は「朝鮮争奪戦の内幕、西欧列強の砲艦外交、策略と陰謀と
暗躍の外交裏面史」をえぐっており、「日中韓戦争史」を知る上では
必読の記事である。
『中国紙『申報』からみた『日中韓150年戦争史』㉔ 西欧列強下の『中国,日本,朝鮮の対立と戦争』(下)(英タイムズ)
http://www.maesaka-toshiyuki.com/history/356.html
『中国紙『申報』からみた『日中韓150年戦争史』㉕ 「日本亡命中の金玉均から朝鮮王への嘆願書」(「ノース・チャイナ・ヘラルド」)
http://www.maesaka-toshiyuki.com/war/350.html
壬申事変<1882年(明治15)>の後、甲申事変<1885年(明治18)は
朝鮮独立党の金玉均が主犯で事件を起こしたが、3日天下に終わり、
金らは日本に亡命し、福沢諭吉らが庇護した。
朝鮮王宮は李鴻章とも協力して、金を逆賊として刺客を日本に送り込み、
金の暗殺の機会を狙った。それから、10年後の1894年3月28日、
金は上海に謀略で誘い出されて閔妃が送り込んだ刺客の手でピストル
で暗殺される。
遺体は日本に引き渡さず、朝鮮に送られてバラバラにされた。
これに日本の世論が憤激して、中国への敵愾心が高まったのが、
日清戦争への1つの原因になった。
『中国紙『申報』からみた『日中韓150年戦争史』㉖ 長崎事件を語る」
(日本は国力、軍事力で中国には全くかなわない)
http://www.maesaka-toshiyuki.com/war/348.htm
長崎清国水兵事件とは1886年(明治19)8月1日にアジア随一を豪語した清国海軍(日本の海軍力など目ではない)が北洋艦隊の定遠、鎮遠、済遠、威遠の4隻をデモンストレーションに日本に向けて、長崎港に入港、清国水兵が勝手に上陸して遊郭『丸山楼』に上がり、コミュニケーションギャップから乱闘事件を起こした。
それを阻止しようとした警官、市民と大乱闘事件に発展し、結局、清国人士官1人死亡、3名負傷。清国人水兵3名死亡、50人余りが負傷。日本人側も警部3人負傷、巡査2人死亡、16名が負傷。日本人住民も十数名が負傷)という大事件となった。
この事件の交渉役は鳩山由紀夫の曽祖父の鳩山和夫(衆議院議員、国際弁護士)が担当、被害弁済の交渉を行ったが、いつもの通り中国流の言の左右、国際主義の否定、ごね得、大言壮語の中華流の交渉術によって、一向にらちが明かず、これも8年後の日清戦争の原因の1つになった。
以下の「申報」は中国的な認識(中華思想、尊大、ごう慢、自己客観視ができない、2000年続く非近代人性格)をよく表している。日本などあらゆる点で問題にならない小国で、中国の敵ではないと過小評価しながら、日清戦争で全敗するよ、途端に『日本に侵略された』泣き声で、韓国とともにと被害者面する恨み節である。
日清戦争120年の現在―中国内では共産党指導で「侵略国日本」の虚偽の大キャンペーン」を張っているらしい。各国間の交渉、歴史のディテールを相手国の報道、世界の報道と比較、検討、客観的に見ながら、考える必要がある。
今、中国は経済面では日本をぬいて世界2位になったとうぬぼれて(これは大東亜戦争の前に日本軍部が世界一の海軍、陸軍力とうぬぼれたのと同じ)て、米国と対等な関係を要求し、米中で世界を支配しようなどと中国トップが、米中対話で大言壮語したらしいが、非近代人、ましたや21世紀の国際秩序に関心もない独りよがり習近平共産党1党独裁体制(国民議会選挙のない、自由なメディアもない遅れた共産党1党支配の独裁国家)は皇帝支配の中華帝国の実態と全く変わりはない。
『中国紙『申報』からみた『日中韓150年戦争史』㉗「長崎事件に対しての英側の見解」
(英「ノース・チャイナ・ヘラルド」)http://www.maesaka-toshiyuki.com/war/344.html
『中国紙『申報』からみた『日中韓150年戦争史』㉘ 「日本人の中国人に対する
敵意を論ず」(巨文島事件をめぐる)
http://www.maesaka-toshiyuki.com/war/337.html
『中国紙『申報』からみた『日中韓150年戦争史』㉙『長崎便り』(長崎事件について)ロシア紙「モスコフスキエ・ヴェードモスチ」 http://www.maesaka-toshiyuki.com/war/333.html
『日中韓150年戦争史』㉚『日中韓のパーセプションギャップの研究』ー
「日本の中国異端視を論ず」(申報)
http://www.maesaka-toshiyuki.com/war/330.html
この新聞記事を読むと、中国人の思考形式、中華思想と
西欧列強(日本も含む)のパーセプション(認識)ギャップ
(思い違い)がどんなに深いかがよくわかる。
タイトルの「日本の中国異端視を論ず」は正しく
「中国の日本異端視論」、「日本敵視論」でもある。
『中国紙『申報』からみた『日中韓150年戦争史』㉛ 「日本人のよくその職務に勤(いそ)しむを論ず」(明治20年12月)
http://www.maesaka-toshiyuki.com/history/327.html
『中国紙『申報』からみた『日中韓150年戦争史』㉜ 日中韓のパーセプションギャップの研究ー近交遠攻説(戦争、外交の鉄則)
http://www.maesaka-toshiyuki.com/history/325.html
――――――――――――――
『日中韓150年戦争史』パーセプションギャップの研究』㉝「日露同盟のうわさについて」
(英国「タイムズ」)
http://www.maesaka-toshiyuki.com/war/311.html
『2014年8月9日執筆ーー以上の記事は2つの点で注目される。』
① 安倍首相と中国国家主席の習近平との会見は中国側が拒否してなかなか実現しないが、甲申事変(明治17年)、天津条約調印(同18年)、長崎清国水兵事件(同19年)、ノルマントン号事件(同19年)、条約改正問題(20年)など、日清間で紛争、対立が激化いていた中でも
日本から中国に行き積極外交を展開していたことである。今から130年前の方が問題があるからこそ積極的にあって交渉していたのだ。
➁ 習近平・共産党主席の傲慢な態度(『タイムズの表現を引用』と李鴻章の「オープンな態度」との落差が、米ソ間の激しい対立の中でも、両国トップが電話で何度も話し合い、交渉を続けている態度と比べても一段と際立っている。中国共産党が非近代的国家体制の「朝貢秩序」『中華思想』「懲罰戦争」から脱皮できていないことの証明である。
――――――――――――――
『中国紙『申報』からみた『日中韓150年戦争史』㉞ 『自立』したのは『中国』か、小国「日本」か」<1889(明治22)4月>
http://www.maesaka-toshiyuki.com/war/305.html
日本は東洋の一小国で.その大きさは中国の省の1っか2つ分にしか過ぎない。その小国が明治維新以後、過去の政府の腐敗を正し.西洋と通商するとともに.西洋の制度を尊んで衣服から制度に至るまですべてを西洋化してしまった。
この日本のやり方を,笑う者はいても気にかける者はいなかった。しかし、ここ数年来.日本は軍隊を強化し.軍艦の数も増やし.そのために国内の財力はやや衰えたものの,結局自立し得る力を持てたと言えるのではなかろうか。
『中国紙『申報』からみた『日中韓150年戦争史』㉟「日本が民情に従い、善隣関係を保つべきを諭ず」
http://www.maesaka-toshiyuki.com/war/302.html
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