★10「日中韓外交の必読教科書―英国タイムズの「日清戦争の真実」➂ <安倍外交>はこの『日清戦争』(伊藤外交)に学べ
2015/01/01
日中韓外交の必読教科書―英国タイムズの「日清戦争の真実」➂
1894(明治27)年11月26日 英国「タイムズ」掲載
日清戦争4ヵ月後―『日本と朝鮮―日清戦争の真実』(下)
「中韓との<安倍外交>はこの『日清戦争』<伊藤外交>に学べ
前坂俊之(ジャーナリスト)
1894(明治27)年11月26日 英国「タイムズ」掲載
日清戦争4ヵ月後―『日本と朝鮮―日清戦争の真実』(下)
さらに日本に対しては,日本の早まった行動が,平和的解決を不可能にしたという非難、そして朝鮮出兵の前に中国の協力を得るためのあらゆる友好的な外交手段をとるべきだったという非難が寄せられた。
そのような議論は,相手が別の国なら妥当だったろう。しかし中国のやり方に精通している人間はだれ1人として.中国が通常の外交交渉によって.朝鮮こおける改革の計画に着手するよう説得され得るなどとは一瞬たりとも思わないだろう。
もし日本が通常の交渉手順に従い.総理街門にそのような提案を持ちかけたとしたら,日本は言い逃れと妨害との果てしない迷路に入り込んでしまうだけだったろう。
5年あるいは10年を経たあげくに,依然として成果のない交渉を続けているはめになっていただろう。
日本は中国のやり方について.少なくとも西洋のどの国にも負けず劣らず明確に理解していた。
朝鮮問題に真剣に取り組み,そして問題解決をいつまでも延ばしていると紛糾化した問題を制しきれなくなると確信していた日本は.外交上の妨害の手の届かないところに自らを置くような立場,そして中国が協力を拒否したときも.改革の計画を実行できるような立場を直ちにとることを決意した。
それが日本の実際的で断固たる態度の初めからの動機だった。日本は.腹立たしく,成果を生まない優柔不断の犠牲にならないようにしただけなのだ。中国の態度に関する日本の判断が正しかったことは,その後の交渉が証明している。
なぜなら中国に,朝鮮が自由に採否できる助言を朝鮮に提案する意志があると表明する以上のことを仕向けることはできなかったからだ。
実に奥ゆかしい茶番劇だ!
中国には朝鮮を守る能力がないという日本の判断が正しかったことは,最近の戦闘によって証明された。なぜなら中国軍は.朝鮮各地から不名誉にも追い払われたからだ。
そして日本は,最も有能で老練な政治家の1人である井上伯爵を朝鮮に派適することによって.その小国の行政を改革しようという日本の決意が本物であることを今,証明しつつある。
中国と朝鮮に対する日本の態度についての以上のような摘要は.この重大時に際し,一般の注目に値する。なぜなら日本の内閣総理大臣」伊藤博文伯爵は,戦争の勃発直前に北京と東京間で交わされた文書の写しを議会に提出したばかりだからだ。
その公文書によると,日本は朝鮮の「悲しむべき状況」を改善しないままでいることは危険であるとの確信を力説し,「朝鮮が,望まれる改革を遂行でさるようにするためには,朝鮮に重大な関心を共有する日中両国政府の協力が一番だ」と断言し,共同の調査委員を派遣することを率直に提案している。
その道理にかなった実際的な提案に同意することによって.中国はいっでも戦争を回避できただろう。しかし中国は宗主という倣慢な仮説で身をまとい.日本の提案を横柄で冷淡な態度で扱い.両帝国を流血の戦いへと突入させたのだ。
日本が真剣そのものだったのは事実だ。
日本はぜひとも優勢になるつもりだったが.中国はから威張りをしていただけだった。中国は,未解決の問題用の大机の新しい仕切りに資料を供給するという結果しか考えていなかったのだ。
終
日清戦争4ヵ月後―『日本と朝鮮―日清戦争の真実』(中)
http://maesaka-toshiyuki.com/top/detail/2925
日本の歴史学者の多くが福沢諭吉の『脱亜論』の主張を根拠に、日本の開国の大恩人の福沢に「侵略主義者」のレッテルを張り、中国・韓国はこれを逆手にとって日中韓150年史で今だに日本を加害国として攻撃して、歴史歪曲を繰り返している、日本の国父・伊藤博文だってそうである。
全くバカなことに、日本は政府も外務省チャイナロビーもマスコミも長くこの歴史歪曲をそのまま、見過ごしてきて、中国に未だに「習近平国家主席は安倍首相にあってください」と三拝九拝の朝貢外交を続け、最悪の拉致、人権弾圧国家北朝鮮に対してまでも、「拉致家族の真相を教えてください」と平壌訪問低姿勢外交≪強硬談判外交ではない)のお粗末を繰り返す、あきれ果てた『安倍外交』である。
習安倍会談が実現したからと言って、日中間の懸案は解決するのかね。単なるあいさつ外交は無意味なのはいうまでもない
。
私は「日清戦争までの道」を外国新聞がどう報道してきたのかを、「日中韓150年戦争史」というタイトルでこのブログで連載してきた。
その中で、以下の英国『タイムズ』の記事が一番、日中間の外交のねじれからの戦争への発展を正確に分析していると思うので、ここに紹介する。
インテリジェンスのない国は滅びていく、日清戦争では「中華思想(尊大主義)に凝り固まった図体だけでかい張子のブタ」と「1000年続く中世の鎖国・無政府主義的な朝鮮王朝」との外交の無駄の連続から最後には堪忍袋の緒をきっての日清戦争だったことを「タイムズ」は見事に解説している。インテリジェンスのない中国、韓国がほろんだ轍を、いま日本はくりかえしている。
望むべきは経済のみの発展ではない、インテリジェンス、戦略のない国に未来はない
日清戦争4ヵ月後―『日本と朝鮮―日清戦争の真実』(上)
http://maesaka-toshiyuki.com/top/detail/2921
さすが「19世紀に世界を支配して大英帝国のインテリジェンス(情報の正確な分析力)の凄さをこの記事は示しており、明治のトップリーダーのインテリジェンスをも同時に浮き彫りにしている。『日清戦争の勃発までのいきさつ』について、『タイムズ』は次のように見事に分析している。
① 日本と朝鮮は一衣帯水の地政学的な関係にある。朝鮮が占有されれば.日本は大砲の射程距離内になる。朝鮮の行政の無能力や国力の衰退に確実に陥っていることに日本は危機感を抱いてきた。
② 中国の日本に対する態度「(明治維新から)30年間,中国は日本を東洋の原則を破った卑劣な裏切り者とみなし,日本の進歩に向けての努力に対し軽蔑的な嫌悪の情を示してきたのに対し,日本は西洋文明を取り入れた賢明さの際だった証拠を示そうといらいらしてきた」。
③ 日本と朝鮮との付合い、貿易で紛糾したすべての場合,朝鮮との交渉の背後にはいつも中国が介入、命令、干渉してくることに日本側は忍耐しながら、最後は戦争になることを予見して、20年間、準備してきた。
④ 外国の政治評論家たちは,<中国の保守主義>対<日本の進歩主義>の戦争が朝鮮で起きるだろうとの日本の政治家の予言を支持してきた。
⑤ 日本は将来を見越していた。日本は故意に戦争を選んだわけではないが,その選択を迫られる可能性があることをはっきりとわかっており.そういった意味で確かに準備をしていたのだ。(※3/11福島原発事故を経験した我々はあらゆる危機を想定外としてリスク管理しない大失敗を犯した。
⑥ 明治のトップリーダーがいかに国力、カネ、軍備なしの困難な状況のなかでリスクマネージメントしていたか、この記事を読むとよくわかる。特に川上操六、陸奥宗光、伊藤博文、山県有朋、西郷従道、山本権兵衛のトップリーダーのインテリジェンスの高さこそが、明治期の『世界史の中での奇跡』を起こしたのである。
⑦ 最近、新刊で『対外軍用秘密地図の潜入盗図』なる中国での地図を作製した測量人の手記が出版されているが、『侵略戦争のための対外軍用秘密地図の作成』と銘打っている。陸軍参謀本部が戦争に備えて、敵国の情報を偵察、スパイするのは当然のことで、これが侵略戦争の準備であるという『パーセプションギャップ』のワナに多くの歴史学者、マスコミ、国民が陥っているところに日中韓コミュニケーションギャップがある。
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